2019.04.05infomation
5月1日から「覗いて、写して、楽しむモノたち展」をします
出来上がったばかりのチラシです‼ とても素晴らしいので、拡大し額装して飾ります。描いてくださったのは、イラストレーターの「佳(よい)」さん。
これは、館内にいつも飾っている彼女の作品。幻燈機の絵を描こうと思って、実物を見に来て下さったのが最初。2016年3月の頃だったと思います。その年8月、北海道の伊藤朋子さんが主宰されているクレヨン工房の「Tuna-Kaiと13人のアーティスト『映画』を描くin京都」の時にもお越しくださいました。何度か足をお運びいただくうちに、ありがたいことに当館のことを「お気に入り」だと仰ってくださって、機会があれば「ぜひチラシを作らせてほしい」と申し出てくださいました。願ってもないことです‼
今回のテーマは「覗いて、写して、楽しむモノたち」にしようと思い付き、展示できるものを探していて、彼女のことを思い出しました。早速「ぜひ佳さんの作品を展示したいので、協力して欲しい」と依頼して、結果、チラシまで作成していただけることになった幸運話です。もちろん、この展覧会のために新作を用意して下さいますので、それもどうぞ、お楽しみに‼
展示予定の主なものは、チラシ表の彼女のイラストの中に盛り込んであります。例えば、いつも温かく応援して下さっているスチームパンカーのmanoさんがお作りになったゴーグルマスク『機械狐』。実物を拝見するのが楽しみです。オブジェ作家・桑原弘明さんのスコープも、所蔵者様のご協力で展示できることになりました。小さな真鍮製の箱に精巧なミニチュアが仕込まれていて、箱に開いている穴の一つにペンライトで光をあてて覗き込むと…。こちらも大いに楽しみです。桑原様にお繋ぎくださったイラストレーターの吉田稔美様の作品「ピープショー・シアター」(のぞきからくり)もいくつか展示します。
当館で販売している作品の一つ「妹背山・吉野川」は、今の季節にピッタリ。海外の人に喜ばれています。彼女の作品は色使いが明るくて綺麗ですね。マッチ箱サイズから大型パネルまでいろいろあるそうですが、どのような作品を見せていただけるのか、どうぞお楽しみに!!!
錦影繪池田組からは、京都の幻燈師・歌川都司春(本名:山田建蔵、1877-1961)が制作し使っていた「風呂」を復元したものと、明治期の大坂で活躍していた四代目富士川都正(生没年不詳)が使用していた種板「道化猪買い(池田の猪買い)」を復元したものの一部をお借りして展示します。2年前の7月2日に錦影絵のワークショップをした時は、超満員でお断りしたほど関心を集めました。今回ワークショップはございませんが、各地で録画した公演の様子をご覧いただきます。元祖日本のアニメーションです。
当館の幻燈や、錦影絵の映像、桑原さんの作品をご覧になるために、2階に暗い場所を設けます。覗いて、写して、楽しむ世界をぜひご自身で体験してみてください。ご来場をお待ちしております。
さて、5月18日は当館満4歳の誕生日。皆さまの応援のおかげで、どうにかこの日を迎えることができそうです。
それを記念して、13時半から、講談師・旭堂南陵さんにご登壇いただいて、特別イベントとして『荒木伊賀越三十六番斬り』を活弁上映します。お馴染みの天宮遥さんの生演奏付きです。この作品は南陵さんが発掘され、連れ合いが代表を務めた「玩具映画プロジェクト」で復元したものです。他にも当館で発見され、世界発信のニュースになった『キゲキ・キャメラマン』『突貫小僧』のほかに、所蔵している1923年の映像『関東大震災翌日の記録』もご覧いただきます。この映像には、現在放送中のNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』にしばしば映る通称浅草十二階「凌雲閣」(1890<明治23>年建築)が震災で崩落し、解体される前の姿を見ることができます。順調にいけば、八角形をした「凌雲閣」で使われていた煉瓦の欠片もお目にかけることができるでしょう。12階には望遠鏡が備え付けてあり、関八州の山々まで見渡せると浅草の名物だったそうです。
これは昨年9月29日、東京浅草の「凌雲閣」があった場所を訪れた時のもの。同年2月の工事中に煉瓦造り基礎が発見されました。跡地に建てられたビルの壁面に「浅草公園凌雲閣登覧寿語六」(四世歌川国政画、1890年刊)が拡大して表示され、その下に発見された煉瓦が展示されていました。
こちらは、浅草寺境内にあった「映画弁士塚」。今では数少ない弁士さんですが、ここに刻まれていない相当な数の弁士さんも活躍されていたでしょう。5月18日は、旭堂南陵さんの活弁をどうぞ、お楽しみください。
先日お越しいただいた関西地方の先生は、珍しい幻燈スライドをお持ちだそうで、ひょっとしたらその一部もお借りして展示できるかもしれず、、、という塩梅で、5月の展覧会までに、あるいは、展覧会中にご覧いただくものが増えるかもしれません。いつだってライブ感覚でやっていますので、その点もお楽しみいただければと思います。