おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2020.10.02infomation

10月15~18日開催「京都国際映画祭2020」の当館関係をご案内‼

コロナ禍で開催が心配されていた「京都国際映画祭2020」ですが、今年はオンラインで開催されることになりました。先日来、当館でも上映素材の撮影が行われ、withコロナ時代ならではの見せ方の工夫を学んでいます。当館が関与した映画部門プログラムは25作品を数え、2作品を除き全て無料でご覧になれます。期間は10月15日(木)10:00~18日(日)24:00まで。詳しくは「京都国際映画祭」公式サイトをご覧下さい。

当館が関わったプログラムを順にご紹介します。

☆特別招待作品

◎『DINO!』(2020年)…監督:細川晋さん。音楽:柳浦 遊(やなうらゆう)さん。ハリウッド80年代冒険活劇をモチーフにしたパペット・アニメーション。細川さんは2007年から撮り始められたので、13年もコツコツコマ撮りを続けられた労作中の労作‼ 当館では2017年11月持永只仁展で、持永さん『少年と子だぬき』、川本喜八郎さん『死者の書』、岡本忠成さん『おこんじょうるり』の人形立てをしていただきました。「表情豊かに」表現されるので、持永さんや川本さんの人形展示の際は、全て細川さんに依頼されて信頼が篤いです。柳浦さんがリリースされた音楽で想像の翼を広げて、オンライン公開当日まで楽しみにお待ち下さい。

◎『GAKI 琵琶法師』(2005年)…監督:横須賀令子さん。私が墨絵アニメーションに興味を持って、日本アニメーション協会会長の古川タクさんに教えてもらった作家さん。9月27日まで開催された「第23回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」のアニメーション部門審査委員を務められました。コロナ禍がなければ、今年の映画祭でお会いできたかも知れず、楽しみの先送りとなりました。海外のアニメーションフェスティバルで数多く上映された作品。

◎『CASTLE』(2019年)…監督:宮嶋龍太郎さん。昨年9月東京藝術大学大学院映像研究科協力で開催した「アニメーション・パレット」で宮嶋さんの墨絵をみて、素晴らしかったことから墨絵アニメーションの催しをしたいと思い立ちました。この作品は国内外で数多くの賞を受けておられます。

◎『九爺一助☆新畫帖』(2017年)…一色あづるさん、大井文雄さん、きらけいぞうさん、島村達雄さん、鈴木伸一さん、西村緋禄司さん、ひこねのりおさん、福島治さん、古川タクさん+和田敏克さんと、錚々たるメンバーによるオムニバス・アニメーション。2017年国産アニメ誕生100年の年に、古川さんと知り合ったご縁から、毎年作品を上映。現存最古のアニメーション『なまくら刀』への敬意を込めた作品集。最初期のアニメーションは新畫帖と呼ばれていました。

◎『…を待ちながら』(2019)…こちらも古川さんたちG9+1の作品。一色あづるさん、大井文雄さん、きらけいぞうさん、鈴木伸一さん、西村緋禄司さん、ひこねのりおさん、福島治さん、古川タクさん+和田敏克さんによるオムニバス。演奏は柳下美恵さん。

☆アーカイブ上映

◎『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』(2015年)…脚本・監督:中島貞夫さん。ちゃんばらの魅力について、殺陣師、俳優、映画研究家、評論家などに中島監督自らインタビュー。2015年7月3日当館に筒井清忠・元帝京大学教授をお招きしてインタビューされた場面も映っています。有料。

☆サイレント/クラシック映画

◎『活弁でGO!Vol.1~東京初上陸~』…今年8月24日、よしもと有楽町シアターで開催。京都国際映画祭恒例のイベントが東京でも開催へ。この時も「京都ニュース」のほかに『喧嘩安兵衛』で協力させて頂きました。立川直樹さんプロデュースで、芸達者な吉本芸人さんのほかに、指導役の活弁士・片岡一郎さん、演奏の上屋安由美さんと田中まさよしさん、解説の喜劇映画研究会代表・新野敏也さんも出演。有料。

◎『國定忠次』(1925年)…行友李風原作『國定忠治』を日本映画の父・牧野省三が監督し、わずか1週間で『恩讐の彼方へ』と併せて2作品撮影という早業で撮りました。主演は新国劇を旗揚げした澤田正二郎。病気で早くに亡くなったこともあり、生涯に出演した映画は5本。家庭用に再編集された『月形半平太』と本作のみが現存していて、今年寄贈を受けたフイルムと当館所蔵のフィルムを併せて最長版にした貴重な作品です。7月26日坂本頼光さんの活弁と天宮遙さんの演奏で上映した映像です。

◎『血煙荒神山』(1929年)…辻吉郎監督。次郎長と吉良の仁吉の二役を大河内傳次郎が務め、次郎長の女房を梅村蓉子が演じます。倉橋仙太郎が大阪で旗揚げした第二新国劇の作品。活弁:坂本頼光さん、演奏:天宮 遙さん。

◎『ブッシュ家のポンコツ自動車』(1924年)…原題は『Family Life』。監督:ボブ・カー、出演:マーク・ジョーンズ、サンシャイン・ハート、トミー・ヒックスほか。活弁:大森くみこさん、演奏:天宮遙さん、翻訳:ロチェスター大学ジョアン・ベルナルディ教授。もはや大森さんの十八番になった作品で、何度見ても面白い。

◎『結婚しましょう』(1921年)…原題は『High and Dry』。監督:ジャック・ホワイト。忘れられた喜劇役者ジミー・アダムスが出演していて珍しいフィルム。演奏:天宮遙さん、翻訳:吉川恵子さん。

◎『クララ・ボウの気ままなレディ』(1925年)…監督:ダラス・D・フィッツジェラルド。クララ・ボウを検索すると、魅力的でセクシーな女性として、華やかな女優人生も経験しますが、生い立ちは不幸で、悲しみを秘めてコメディを演じていたのですね。活弁:大森くみこさん、演奏:天宮遙さん、翻訳・吉川恵子さん。

◎『春香伝』…1950年代、人形劇団プークと光影スライドによって製作された「世界名作物語」の最初の作品。李氏朝鮮時代の説話で、パンソリの演目にもあります。今年は、オンライン配信になりましたので、世界中の人に見て貰えるチャンスだと思い、英訳をキム・スヒョンさんに依頼しました。ご主人で韓国映像資料院のチョン・ジョンファさんによれば「日本人にとって『忠臣蔵』のような感じで、よく知られている話」だそうです。人形劇の図書館所蔵のフィルムスライド。活弁:大森くみこさん、演奏:天宮遙さん。

◎『おもちゃ映画de玉手箱 エキセントリック編』…1930年代、家庭用に販売されたおもちゃ映画のアニメーションの中から『砂煙高田馬場』『正ちゃんの動物地獄』『愉快な連中』『お伽のお爺さん』『火星飛行』の5作品を上映。活弁:大森くみこさん、演奏:天宮 遙さん。

◎『おもちゃ映画de玉手箱 昔話編』…同じくおもちゃ映画のアニメーションから『浦島太郎』『一寸法師』『漫画こぶとり』『海の桃太郎』『桃太郎 鬼ヶ島退治』の5作品を上映。活弁:大森くみこさん、演奏:天宮 遙さん。

◎『ポールの空中工夫』(1923年)…監督:ラルフ・セダー、出演:ポール・パロット、キャサリン・グラントほか。当館で見つかり、世界発信されたチャーリー・チェイス『WHY MEN WORK』でしたが、ポール・パロットはチャーリー・チェイスの実弟で、ジェームズ・パロット名でローレル&ハーディの『ミュージック・ボックス』を監督しています。参考に以前上映した折りの記事リンクを張りました。演奏:天宮 遙さん、翻訳:吉川恵子さん。

◎『ロイドの神出鬼没』(1920年)…監督:ハル・ローチ、出演:ハロルド・ロイド、ミルドレッド・デービスほか。三大喜劇王、チャールズ・チャップリン、バスター・キートンと並ぶ三大喜劇王ハロルド・ロイドが、優れた身体性を活かし、車を使って起こるトラブルにまつわるギャグを連発。演奏:天宮 遙さん、翻訳:吉川恵子さん。

◎『ロイドの其の日暮らし』(1919年)…監督:ハル・ローチ、出演:ハロルド・ロイド、ミルドレッド・デービスほか。ミルドレッドと恋に落ちた無一文のロイド。彼女の遺産相続金を狙う悪徳弁護士たちが彼女を誘拐し、巻き込まれたロイドがとった救出作戦とは…。演奏:天宮 遙さん、翻訳:吉川恵子さん。

◎『オセロ』(1909年)…監督:ウゴ・フェレーナ、ジェロラモ・ロ・サビア、出演:フェルッチオ・ガラバゴリア、ビットリア・レパントほか。シェークスピア四大悲劇のひとつ。家庭用に9.5ミリフィルムに再編集されたものですが、現存する最も古い「オセロ」映画のひとつではないかと考えられ、111年前の貴重な映像です。演奏:柳下美恵さん、翻訳:吉川恵子さん。

◎『漕艇王』(1927年)…監督:内田吐夢、出演:広瀬恒美、夏川静江ほか。『宮本武蔵』『飢餓海峡』など骨太な作品で知られる内田監督が戦前に作ったスポーツ喜劇映画。今年は内田監督の没後50年。演奏:柳下美恵さん。

◎『当世新世帯』(1927年)…監督:小沢得二、出演:堀川浪之助、泉春子ほか。35本製作された阪妻・立花・ユニバーサル連合映画作品で現存唯一の貴重な作品。阪東妻三郎人気から、阪妻プロの経営者・立花良介がユニバーサル社と契約し、世界配給を目論みましたが、松竹キネマとの専属契約があった阪妻の作品は輸出することができず。スター不在の興行は厳しく、わずか半年で阪妻作品世界配給の夢は途絶えました。演奏:柳下美恵さん。

◎『猛進ラリー』(1926年)…原題は『STOP ,LOOK AND LISTEN』ですが、フィルムの蓋に『猛進ラリー』と書いてあり、公開時のタイトルは「弗箱ラリー」でした。監督:ラリー・シモン、出演:ラリー・シモン、ドロシー・ダウンほか。今年2月、関東でラリー・シモンのフィルム発見と世界発信されましたが、同じように家庭用に再編集された映像が当館にもありました。先ほども書いた極楽コンビ「ローレル&ハーディー」のオリバー・ハーディーが出演していることにもご注目。演奏:柳下美恵さん。

◎『京都ニュース』…1956年~1994年に京都市広報局が製作し、市中の映画館で上映されていた映像の中から、京都国際映画祭のルーツ「京都市民映画祭」と日本三大祭りの一つ「祇園祭」を記録したニュース映像をピックアップしてご覧いただきます。

◎ほかに、喜劇映画研究会さんによる『キートンの探偵学入門』(1924年)もあります。監督:バスター・キートンとロスコー・アーバックル、出演:バスター・キートン、キャサリン・マクガイヤほか、演奏:神崎えりさん、解説:喜劇映画研究会代表新野敏也さん。“笑わぬ喜劇王”バスター・キートンの代表作をお楽しみ下さい‼

☆特別企画

島ぜんぶおーきな祭 沖縄国際映画祭×京都国際映画祭 コラボレーション企画「中島貞夫×千葉真一×照屋年之のユンタク鼎談~沖縄と映画を語る~」。9月20日、三人の方を当館にお招きして対談していただいた時の様子がご覧いただけます。こちらも、どうぞお楽しみに‼

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