おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2020.10.28infomation

米寿記念 「福住富雄名作映画ポスター展」開催!

年内いっぱいは、京都市内在住の福住富雄さんが手描きされた名作映画ポスター展をします。

福住さんは、元大映京都撮影所美術課に所属し、時代劇のセットや背景画を担当して映画黄金期に活躍されていました。退社から20年ほど経た1993年、京都アスニー(京都市中京区)で開催されていた名作映画を紹介する「金曜・土曜映画懇談会」にご夫婦で参加されました。その時の上映作品が、家城巳代治監督の大映作品『異母兄弟』(1957年)だったことから、上映後の懇談会で大映京都撮影所での経歴を話されました。ご自分が一生懸命仕事していた時代を思い出し、話したい衝動に駆られたのでしょう。

「金曜・土曜映画懇談会」を世話されていた吉田さんに10月25日にお聞きしたところ、同懇談会は1991年12月8日に今井正監督『武士道残酷物語』(1963年)でスタートし、2019年2月23日『SAVE HENOKO』『デニーが勝った!沖縄知事選2018』(いずれも2018年、藤本幸久他)まで1044回も継続されたそうです‼その熱心な活動にも頭が下がります。

福住さんがご覧になった『異母兄弟』は、100回記念でした。丁度「何か社会の役に立ちたい」と思っておられたところでもあり、ご自分から宣伝ポスター(A1版)を描くことを申し出られたのだそうです。101回目から2018年までは、ずっと描き続け、以降は体調が悪く、休まれることもあったそうですが、好きな映画のことで、社会貢献できると生きがいにも感じておられたことでしょう。

当初は1ヵ月に3作品、後に2作品に。図書館に通って資料を集めたりして構想を練り、軽いデッサンの後、絵筆をとって1作品に1週間ほど費やして仕上げるといった制作風景でした。

今年6月27日に福住さんから、これまで描かれた宣伝ポスターの一部を寄贈して頂いたので、それらを披露する場を設けたいと、ずっと思っていました。折りも良く、8月で米寿(88歳)を迎えられたことから、お祝いの意味も込めて展覧会を提案しました。福住さんは、奥様の介護をされつつ、ご自身も通院されたり、日常の買い物などで会場に詰めることができないことを気にしておられますが、できるかぎり、私どもで映画の説明などをさせていただきます。

10月1日福住さんが、額装して保存されている倉庫のひとつを見せて貰いましたが、堆く積まれている段ボール箱の量に圧倒されました。いやはや大変な数のポスターです。すでに他に寄贈されたり、これから寄贈される予定のものもありますが、いったい全体何枚描いてこられたものかしら。過去記事を読むと、600枚と書かれたものがありますが、それ以降も描いておられるわけですから、相当な数に上るはず。手元を離れた作品は写真に収まっているものもありますので、それらもご覧頂くようにします。

吉田さんと話していて、チラシに掲載したカラーのポスターは、必ずしも「金曜・土曜映画懇談会」で上映された作品ではないことが今頃分かりました。福住さんが描きたいと思って筆をとられた作品も含まれていました。好きな映画について、絵筆をとって表現することは、福住さんにとって至福の時間だったことでしょう。

映画評論家で、元スポーツニッポン新聞編集委員の岩崎健二さんが新聞に連載された『スター交遊録』(京都民報1999年10月10日付~2000年8月27日付までの43回)、『キネマの灯』(京都民報2000年9月10日付~2000年12月24日付までの16回)に添えられた挿絵も展示します。京都民報の記者さんに確認したところ、それらの連載に先立ち『随想五話』の題で、1999年7月18日付~8月22日付まで①大川橋蔵さん②堺駿二さん③大友柳太朗さん④高田浩吉さん⑤勝新太郎さんについて5回に亘っての連載もあったそうです。福住さんのスクラップには漏れていましたが、これが岩崎さんと福住さんの「黄金コンビ」の始まりで、「当時人気を呼んだ記憶がよみがえってきました」と記者さん。

ポスターを見ながら昔の懐かしい映画を思い出してもらったり、若い人には名作に親しむきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

また、展覧会最終日の12月26日(土)は、喜劇王チャールズ・チャップリン命日の翌日。もちろん展示ポスターには、チャップリンのポスターも含まれています。COVID-19に振り回されたアンラッキーな2020年の年の瀬を、せめて名作映画ポスターに囲まれながら、皆さんと一緒に楽しく、愉快にアフタークリスマスを過ごせたら良いなぁと願って、3月8日開催予定だった「天宮遙ピアノシアターin京都Part2」を14時から開催します。

チャップリン、キートン、ロイド三大喜劇王の作品を天宮さんの演奏付きで上映し、河田隆史さんに「チャップリンとアメリカ文化」と題したお話もして頂きます。もちろん、彼女のオリジナル曲演奏タイムもございます。詳細につきましては、後日改めてさせて頂きますが、今のうちから予定表に書き込んで頂ければありがたいです‼

福住さんにお祝いの花が届きました。会場がいっそう華やかになりました‼ありがとうございます。コロナ禍で呼びかけも難しい状況ではありますが、お近くにお越しの節は、ぜひ見にいらしてください。

 

 

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