おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2018.01.02infomation

「新野敏也のレーザーポインター映画教室 第3弾」のご案内

喜劇映画研究会代表新野敏也さんをお迎えしてお送りする新春恒例「レーザーポインター映画教室」のご案内です。昨年1月15日に開催した第2弾も、熱を帯び気が付いたら17時になっていました。楽しかったその様子はこちらをご覧ください。

改めてその振り返りレポートを読んでいて、気が付いたこと二つ。

第1部で取り上げる『キゲキ・カメラマン』(1924年)は、昨年10月に開催した京都国際映画祭で上映したところ、クラシック喜劇研究家いいをじゅんこさんの「おやっ」という気付きから、第4の喜劇王ともいわれているチャーリー・チェイスのロストフィルムだったことが明らかになりました。この話題は直ちに世界発信され、拡散しました。その経緯につきましては、こちらで詳しく書きました。当館が所蔵するこの映像について特定をして下さったのが、文中でも触れたスティーブ・マッサさん。そして、いいをさんとマッサさんのお名前は、昨年のレーザーポインター映画教室後の振り返りレポートでも光っています。お二人の連携プレイで、映画祭など様々な催しの場で『ブッシュ家のポンコツ自動車』として楽しんでいただいている作品の原題が『Family Life』(1924年)とわかり、その詳細が明らかになりました。二作品とも製作されたのは1924年。日本では大正13年、関東大震災の翌年になります。別の視点から言えば全国統一の「活動写真フィルム検閲規則」公布の前年にあたります。そうした時代にアメリカで作られた喜劇映画です。どのような話が新野さんからお聞きできるか楽しみです。

もう一つは、新野さんのご紹介で、第1弾、第2弾とも参加いただいたウード奏者の常味裕司さんのこと。いつかミュージアム運営が安定したら、ぜひ演奏をして貰いたいと綴りましたが、東京へお戻りになられると友人の島津威雄さんから聞きました。やはり東京でないと難しいのでしょうか…。東京へ引き上げてしまわれる前に、島津さん宅(京都市北区衣笠赤阪町1-60 電話090-6801-6685)で、1月13日15時から、常味さん(ウード)と永田充さん(ダルブッカ)のアラブ古典音楽ライブがあります。3千円(要予約)。自分の誕生日祝いも兼ねて、心地よい音楽に浸りに行ってきます。皆さまも、ぜひどうぞ!

さて、今回の映画教室の第1部は、上掲『キゲキ・カメラマン』と併せて、稀少な発掘映画を特集します。

・『リトル・ティッチとデカ靴』(1900年)はゴーモン撮影所が作った19世紀のトーキー映画で、イギリスの舞台芸人を記録した貴重な映像です。

・『殲滅飛行船』(1909年)は、第一次世界大戦より5年前に作られた空想ドラマですが、第二次世界大戦を予見したかのような内容で、かなりの問題作。

・『リトル・モーリッツと新妻ロザリー』(1908年)は、映画研究者デヴィッド・ロビンソン氏が「フィルムが現存しない喜劇役者」と語っていたリトル・モーリッツの主演作。

第2部と第3部は、チラシにありますように、「偉大なる無表情」で知られるコメディアン、バスター・キートンの特集。お馴染みのレーザーポインターをクルクル回しながら、見どころをわかりやすく解説していただきます。

実は、昨年の京都国際映画祭2017のサイレント映画特集で、バスター・キートンのデビュー100年を記念してプログラムを組んだのですが、「キートンの作品を管理しているという団体があり、国際映画祭では上映できない」というクレームを受けました。パブリックドメインになった作品を選んでいたので、別に問題はないのですが、強硬に主張される方があり、無理に上映して、ボイコットされたり、法外な上映料を要求されると困るというので、主催者側としてはグレーなものは止めようと判断しました。実際には、その権利者というのがDVDの販売会社のことと判明しましたが、対応に翻弄され映画祭運営にも支障を来しました。

近年、著作権問題が大きくクローズアップされ、法律の拡大解釈傾向がみられるように思います。あまりに「権利」が声高に叫ばれ、振り込め詐欺まがいの取り立てもあって、著作者を守るという本来の視点からずれてしまい、上掲のようなケースもあります。映画作品は鑑賞されて初めて意味を持ちます。多くの人たちに鑑賞出来る機会を増やすことが、著作者(創作者たち)の希望でもあると思います。権利を代行する団体や新たな権利者を主張する人たちが、権利を持つという事は、その映画作品を長く保存する責任と鑑賞の機会を作る義務もあるはずです。死蔵させるのはもっての外だと考えます。

今回は、京都国際映画祭2017で企画を見送った無念を晴らす意味でも、キートンの映画の素晴らしさを多くの人々に知ってもらう機会にしようと企画しました。新野さんもより一層熱を込めて紹介してくださることと思います。どうぞ、お楽しみになさってください。

これは、アメリカのロチェスター大学、ジョアン・ベルナルディ先生から年末に届いた今年のカレンダーです。表紙を飾るのは28日に取り上げる作品の一つ『探偵学入門』(原題は『Sherlock Jr.』)で、バスター・キートンとキャサリン・マクガイヤーが写っています。やはり1924年に作られた作品。「Music is half the picture」と副題が付いたこのカレンダーの1月分は、オーケストラピッチで演奏されるピアノ、バイオリン、ドラムの音楽付きで、この映画をご覧になっている観衆の写真(ジョージ・イーストマン・ミュージアム所蔵)です。タイミングバッチリで、嬉しいので紹介しました。

映画教室終了後は、賑やかに懇親会を繰り広げます。たくさんの皆さまのお申込みを心よりお待ちしております。「歩く大寒波」を自認する新野さん、それでなくても古い京町家で開催しますので、どうぞ暖かい服装でおいでくださいませ。

よろしくお願いいたします‼ 

 

 

 

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