2017.05.18column
おもちゃ映画ミュージアム満2歳の誕生日
2015年5月18日「国際博物館」の日に突貫工事の途中にもかかわらず、希望を貫いて開館しました。それから2年が過ぎ、今日は満2歳の誕生日。細々ではありますが、どうにかこうにかこの日を迎えることができました。今日も、道に迷ったお客さまを迎えに後院通沿いに立っていましたら、いつもチラシを置いてくださっているおもちゃ屋のオーナーさんが、通りすがりに「こんにちは!」と声をかけてくださいました。最近は道に迷う人が少なくなったとはいえ、時にグルグル道を彷徨う人もおられます。そんな時、道案内して下さる親切な人が幾人も。昨朝は、2015年度自治会役員だった女性から「立派な看板が上がったね。良かったねェ」と自分のことのように喜んでくださって、感激しました。
5月3日、町内で営まれる長野弁財天様の春の神事の時には、「いつも地蔵盆の時に良くして下さってありがとうございます」と感謝の言葉を何人もの人からかけていただきました。「地域に馴染みたい、親しくなりたい」という思いは、2年経ってようやく叶えられつつあると実感しています。「石の上にも三年」、なるほどなぁと思うこの頃です。
さて、満2歳の誕生日を記念して、21日までの4日間毎日先着10人に、戦前のアニメーションのキャラクター「底抜けドン助」をあしらったオリジナルお猪口を進呈すると公言しました。内心「お猪口目当てで10人も来て下さるかしら…」と弱気で18日をスタート。でも、ほどなくお客さまが来館。最初にプレゼントしたのは京都新聞の記者さん。これまで地元紙の京都新聞さんには、折りに触れ、あたたかい応援をしていただき感謝で一杯です。打ち出の小槌があるわけでもないので、施設を維持するだけでも大変。宣伝するお金もなく本当にどうなることかと心配の種は尽きませんが、貴重な映像を次世代に継承したいと取り組んでいる活動が重要だと理解して下さっての励ましだと受け止めています。他のマスコミの方にもよくしていただいていて、その応援に励まされ、「よーし‼」と奮い立って3年目スタートです。
たまたま居合わせた7人が並んで、お猪口を手に記念写真。右からオン・シーロンさん、米丘琢也さん、そして静岡市立南中学校3年生の4人。中学生の皆さんは、ネットで検索して興味を持ち、当館を選んでくれたのだそうです。手回し映写機で35㎜フィルムをカタカタいわせながら回して、映像が映し出される様子を体験して貰ったり、フェナキスティコープやゾーイトロープなどの光学玩具で、静止画が動いて見えることを体験して貰いました。修学旅行の若者に訪れて貰って、アニメーションの原理を学ぶ場になれたら、とずっと思ってきましたので、彼らの訪問はとても嬉しかったです。修学旅行生の訪問は2校目。
米丘さんは大阪工業大学の4年で、某企業の面接試験を受けての道すがら、後院通沿いの看板が目に入って来館。ミュージアムの誕生日だからとお猪口をプレゼントしたら「面接で手応えがあり、たまたま入ったミュージアムで記念品を貰えて、何だか幸先が良い」と喜んでくださいました。「就職が決まったら連絡してね」と約束。
オン・シーロンさんは、とても日本語が上手なシンガポールからのお客さま。後で話を聞いて驚いたのですが、来館は2回目でした。
実は2015年7月12日に彼が書いてくれたメッセージが残っていました。今はコンピューターの研究者のアシスタントをしているのだそうです。大学時代に勉強したという日本語の上手さは目を見張るばかり。そしてさらに驚いたのは、5月18日27歳の誕生日だったのです。そうと知って、自転車で京町家仲間の「檸檬」さんへ走り、自慢のシフォンケーキを購入。「それなら一緒にお祝いを」と彼が取り出したのは「古澤頼子」さんの缶バッジ。アニメやゲームなどメディアミックスの人気コンテンツのアイドルの一人なのだそうです(何だかついていけてない…)。その「古澤頼子」さんも誕生日が5月18日という設定なんだとか。ということでミュージアム、オン・シーロンさん、「古澤頼子」さんの三者が揃って即席誕生会を繰り広げました。
「また、会いましょうね」と約束を交わして、記念撮影。撮ってくれたのは、米丘さん。気持ちの良い青年たちです。ミュージアムで2016年12月18日に講演してくださった雑賀さんから綺麗なお花のプレゼントも届きました。思いやりがとても嬉しいです。
これまで出会った全ての人が健康で幸福でありますように。そして、おもちゃ映画ミュージアムへのご支援も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。