おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2024.04.17column

ポルトガルのPedro Lāさん、大成功だったEric Faden教授のニューヨーク映画博物館での紙フィルム研究発表

ポルトガルから初めてのお客様がいらしてくださいました。Facebookでは随分前から繋がっているリスボンのPedro Lāさん。

9.5㎜と8㎜のコレクションをお持ちのほか、ポルトガル国立映画博物館で無声映画とそれ以前を含む映画史の研究をされています。今はフィルム上の色彩、映写の歴史、写真史の過程など様々なテーマでフィルムの歴史に関する技術的な研究を行っておられます。フランスのシネマテーク・フランセーズやイタリア国内の施設で作品を制作してこられました。以前来館されたドイツ出身で短編映画祭で有名なオーバーハウゼン映画祭のプログラマー、オラフ・モラーさんや、最近繋がったポルトガルのDoclisboa Film FestivalのプログラマーのBoris Nelepoさんともお友達。

「ここに来ることをとても楽しみにしていた」と言って喜ばせてくださいました。Facebookを見ていたら、下記の写真がシェアされていて。

ロチェスター大学のジョアン・ベルナルディ教授が撮って送って下さった、2018年ポルデノーネ映画祭で小津安二郎監督『突貫小僧』上映準備中の写真。ここにペドロさんが映っていたのですね。もちろん、ジョアン先生ともお友達でした。世界は本当に広いようで、狭いです。

当館に来られる前にアメリカのニューヨーク映画博物館で行われた「オーファンフィルム(孤児映画)シンポジウム2024」(4月10~13日)に参加され、11日に当館の紙フィルムを使って講演されたバックネル大学エリック・フェーデン教授とジャクソン・ルビアーノさんの発表を聴講されたそうです。「それが大変良かった‼」と仰って、展示している実物を興味深くご覧くださいました。

フェーデン教授とルビアーノさんの発表風景。大きな会場なのですね。

このシンポジウムでの上映(linkに際しては、音源がない個所に日本人の琴演奏家木村陽子さんが伴奏されました。その素晴らしさもあって、大きな喝さいを浴びたようです。

夕べエリック先生から頂いたメールには「上映会は大成功でした。上映会の評判は思っていた以上に早く広がりました!」と書いてありました。エリック先生ともペドロさんは繋がっていて、ぺドロさんに私が温めていたアイデアを話したところ、「今年の映画祭プログラムの申し込みは終わっているが、私はプログラマーに直接言うことが出来るから、エリック先生とあなたたちが希望するなら、挑戦できるように、彼らと連絡を取ることが出来るようにする」と仰ってくださいました。早速エリック先生にお伝えしたところ、「来年紙フィルムを用いて巡回プログラムを企画したいですね。どのような形でそれを実現できるか、5月28日にじっくりと話し合いましょう」ということに。楽しみにこのアイデアを育てていきたいです。

ペドロさんが「好きだ」と仰った溝口健二監督『雨月物語』のポスターの前で記念写真を一枚。ぺドロさんは、このあと名古屋の御園座へ、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』の舞台を見に行かれました。事前にチケットを購入し、準備万端でした。さすが‼

そして来週21~26日はタイに飛ばれて、FIAF(国際フィルムアーカイブ連盟)の会議に参加されます。いやはや世界中を飛び回って凄い方です。それだけでなく、とっても気さくで優しい方でした。私どものミュージアムが来年3月で賃貸契約満期を迎え、ここでの継続が難しいと判断したこと、2014年当時の京都市長に「“日本のハリウッド”と呼ばれた京都だからこそ、映画に関する博物館を作って欲しい」と陳情しましたが「お金がない」と即座に言われて、無声映画を少しでも救いたい一心で博物館を開館。けれども運営が厳しい現実に直面し、この先をどうしようか悩んでいることなどを話しました。

ペドロさんは「とても大切な活動をされているのに、支援がないとは‼」と驚かれ、FIAFの会議の折に、当館の状況を話すと言って下さいました。今、日本では映画の状況は大変厳しいですが、海外の人々からの温かい応援が私どもへの励ましになっています。ありがとうございます!!!!!

 

 

 

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