おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2022.09.27infomation

京都国際映画祭連携企画として、大阪芸大映像学科歴代学生映画「FIRST PICTURES SHOW1971-2020」を開催‼

いつまでも新型コロナウイルスに翻弄されていますが、その煽りを今年も受けて、京都国際映画祭2022は10月15、16日の二日間、京都市内で開催されることになりました。15日は当館も「サイレント/クラシック映画」部門の会場になり、その内容は前回の新着情報で紹介しました。

その関連企画としまして、10月12日(水)~14日(金)13時、15時、17時から、「映像作家の原点・人生の原点」として、大阪芸術大学映像学科歴代学生映画「FIRST PICTURES SHOW1971-2020」を上映します。2020年4月から今年3月まで週替わりで上映してきた約100作品の中から好評だった16作品と昨年完成したばかりの2作品の併せて18作品をご覧いただきます。どうぞ、皆様お誘いあわせてご来場いただき、お楽しみください‼併せて、芸大卒業生の皆さんにとって旧交歓談の場になれば嬉しいです💗プログラムは全9回で、各回1000円(入館料込)です。

以下順にご紹介します。

◎10月12日(水)

13時=『ヒプノシス』(2021年、奥井琢登監督、76分)と『月と幽体』(2021年、横田新監督、14分)

上掲は『ヒプノシス』。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2022 ファンタスティックゆうばりコンペティション選出。

【あらすじ】催眠術を使って罪を犯し生計を立てている諏訪部和人は、以前から思いを寄せていた牧野芽衣との距離を縮めようと奮闘するが、芽衣には後藤将司という交際相手がいるため中々上手くいかず・・・。

【メッセージ】お客さんが僕達の映画にお金を払って、映画館で見て頂く際に、チケット代以上の感動体験をしてもらうため、僕達が大学で学んだ事の全てをこの作品に注ぎ込みました。

上掲は『月と幽体』。JPPA AWARDS 2021 学生の部 映像技術部門 最優秀賞 門真国際映画祭2021 優秀作品賞 ICAF 2021 観客賞3位 DFA大阪芸大卒業制作展2021 学科賞&Kodak賞 第19回インディーズアニメフェスタ2021 入賞。

【あらすじ】幽体離脱してしまった2人の少年少女が、ともに自分の体に戻る方法を探す一夜の物語。 2人にはそれぞれ抱える悩みや秘密があった…。

全編が、実写映像を元にアニメーションを制作する“ロトスコープ”で制作された力作。

15時=『手紙』(1992年、横山健二監督、58分)と『憂鬱ロケット』(2008年、坂下雄一郎監督、24分)

上掲は『手紙』。神戸国際短編映画祭KIIFF93' 審査員特別賞 バンクーバー国際映画祭94'、その他の映画祭で招待上映。

【あらすじ】俺(主人公)は大学に入って初めての春休みのある日、いわゆるラブレターを受け取った。住所不明、差出人不明で、少女漫画的なその内容に、半ば疑いつつもその送り主を探し始める。

【メッセージ】昔のニュース映像でおなじみゼンマイ巻きのベル&ハウエル フィルモ 70DRカスタム仕様で撮影しました。ゼンマイをフルに巻いても46秒しか駆動しません。なのでこの映画のカットは最長で46秒。セリフは一切なしで、主人公の語りは「ウルトラマンサーガ」の監督や「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の脚本などもやっておられます岡秀樹さんです。

上掲は『憂鬱ロケット』。ハンブルグ日本映画祭招待作品。

【あらすじ】ある田舎に住む少女は、何の刺激もなく、変わり映えのしない日々に、語れぬほどの閉塞感で苦しんでいた。そんな時、ふと小さなロケットを打ち上げることを思いつく。…

【メッセージ】拙い作品ですが楽しんでいただけると幸いです。

17時=『八月の万華鏡』(1979年、いのうえきよたか監督、55分)と『兎が眠っているよ』(1979年、ヤン・カワモト監督、32分)。

上掲は『八月の万華鏡』。1979年度、映像計画学科・卒業制作グランプリ。

【あらすじ】昭和二十年の夏、日本は破局に向って、油蝉のごとく狂い鳴いていた。5歳の菊子は満州に行っている父に買ってもらった万華鏡をクルリと回す。菊子の周囲を、様々な人生が駆けぬけて行く。真の出征・康子の妊娠・気狂い義二の失踪…。そして八月十五日。何が終ったのか、何が始まるのか。菊子が駆ける道は、熱く、熱く、焼けている…。

【ひとこと】「戦争の時代を知らない世代が、どうして、あの八月十五日の空気管を描けたのか」と学科長だった脚本家の依田義賢先生が絶賛された作品。

上掲は『兎が眠っているよ』。PFF'79 ぴあフィルムフェスティバル受賞(人気アンケートNo.1)、サンフランシスコ映画祭短編部門参加。

【あらすじ】デジャヴュの世界—マサオは些細な事から女子高生の集団に暴行されて道で気を失っていた。気がつくとガールフレンドのユミが運転する自転車の後席に。ユミだけでなく、親友のタケシや川本にも「夢を見たんだって?」「何の夢を見ていたの?」と尋ねられたマサオは、「夢を見ていない」と何度も返事をするのだが…。

【メッセージ】様々な差別意識も心の深層に潜む重大な人類の命題だが、多くの場合は誰もその事を気にせずに理由も考えない。そんな顕在化しない宿命的な罪に関して問いかけたかった。

◎10月13日(木)

13時=『オレの女だ!』(1988年、森弘・松岡英治監督、45分)と『あんたの家』(2008年、山川公平監督、43分)。

上掲は『オレの女だ!』。PFFアワード1990特別賞受賞。

【あらすじ】バブル景気で、パーティやレジャーに明け暮れていた昭和63年、サークルが悪の組織だったら? そこに好きな彼女が入会していたら?…純情一直線な男子学生・良夫の思いは彼女に届くのか?

【メッセージ】ジャッキー・チェンにインスパイアされた森弘の格闘アクションと、トムとジェリーばりのスラップスティックを標榜した松岡英治の追っかけアクションを融合させ、とにかく楽しんでもらえる作品を目指しました。

上掲は『あんたの家』。ぴあフィルムフェスティバル2010グランプリ、水戸短編映像祭2009 準グランプリ、第23回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」 ロッテルダム国際映画祭 2010フォーラム部門。

【あらすじ】木造モルタルアパートで暮らす老夫婦が、老老介護生活に突入。介護と貧困に疲弊する妻キミコの、大阪のおばちゃんならではの派手好みな服と生活臭のミスマッチが不思議な魅力を押しだし、逆境のど根性を光らせる。

【メッセージ】「介護」について先入観や上から目線が自分の中にあり、これをとことん疑ってみる中で「身の丈に合う」という作品のテーマが着想され、作品内外を一貫する意図として進められたように思います。

15時=『シェアリング』(2005年、清水艶監督、57分)と『おねえちゃんのすきなひと』(2006年、岡本未樹子監督、30分)。

上掲は『シェアリング』。第7回JCF学生映画祭 グランプリ、第1回夕張国際学生映画祭 コンペティション部門 日本代表出品、第8回ハンブルグ日本映画祭招待上映。

【あらすじ】ど田舎出身のエリとヨウコは、大学デビューを夢見て、意気揚々と町に出てくる。しかし、きらめく大都会を通り過ぎ、2人がたどり着いたのは期待はずれの田舎町。その町でルームシェアを始めた2人は、それぞれの妄想する『夢の大学デビュー』に邁進するがー。

【メッセージ】学生時代に映画づくりに対して得たものは、映画づくりがいかに大変かというトラウマ…。その後、外の世界に出て分かったことは、なるほどそりゃあしんどかったわ、何しろ限界を知らない学生たちが、常に限界突破で(体力とか…予算とか…走行距離とか…)走り続けてたんやもん…ということ。

上掲は『おねえちゃんのすきなひと』。2006年度大阪芸術大学映像学科卒業制作展学長賞、第4回アジア国際青少年映画祭Best Director賞、第11回JPPA AWARDS2007学生部門ゴールド賞。

【あらすじ】小学生の陸はある日、姉の七夏が同級生の男子に告白されるのを偶然目撃。近頃家族と距離を置くようになっていた姉の知らない一面になんだか不安になる陸。一方の七夏も、思っている事をうまく言葉にできない自分の変化に戸惑っていた。“すきなひと”に“すき”と言うことはどうしてこんなに難しいんだろう…。

【メッセージ】とても頼りになる、心から信頼している仲間たちと作りました。至らない点が多いですが、1シーン、1カット、1コマ全てにおいて当時の自分達ができる事全てをやりきるんだと、全員が強い思いを持って作った作品です。

17時=『ひよっこ青春歌合戦』(2004年、高木優監督、18分)と『アップル・スピリット』(2002年、林健二郎監督、72分)。

上掲は『ひよっこ青春歌合戦』。第1回韓国国際青少年映画祭(2004)技術賞、 第6回JCF学生映画祭(2005)卒業制作部門入賞、 小津安二郎記念蓼科高原映画祭 第5短編映画コンクール(2006)入選、 第8回ハンブルグ日本映画祭(2007)招待上映。

【あらすじ】大阪新世界を舞台に、女子高校生と守護天使が繰り広げる恋愛ミュージカル・ファンタジー。

【メッセージ】マキノ正博監督作品『鴛鴦歌合戦』の楽曲を使用し、和製ミュージカルへのオマージュとして製作しました。古き良き時代のミュージカル映画の雰囲気を出すため、当時大学に建設されて間もないスタジオに、大阪新世界を再現したセットを立て、すべてスタジオで撮影しています。

上掲は『アップル・スピリット』。2005年、第14回あきた十文字映画祭 新人監督コンペティション・北の十文字賞 2005年、The Washington DC Independent Film Festival招待上映。

【あらすじ】 敬太の書いた作品が由緒ある文学賞で大賞に選ばれた。その喜びも束の間、敬太は恋人を後輩に寝取られ失意のどん底に。そんな中、高校時代の友人から「ツカサの病気」を告げられ、見舞いに故郷へ帰ろうと提案を受ける。道中、高校時代の仲間たちと再会を果たし、文学賞を獲った物語を彼らに聞かせるうちに、敬太の沈んだ気持ちも落ち着いてゆく。

【メッセージ】『水歌浜町マーメイド』に続く青春活劇第二弾。大好きだった大林宣彦監督の『尾道三部作』の影響を受け、いつか大林監督にも観て頂きたいなぁと不遜なことさえ想像していましたが、映画づくりから道半ばで遠ざかり、第三弾がかたちになることはありませんでした。長い人生のなかで、(おそらく)最も熱くたぎっていたであろう時代の作品です。

10月14日(金)

13時=『どんてん生活』(1999年、山下敦弘監督、94分)

上掲は『どんてん生活』。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門グランプリ。

【あらすじ】長大なリーゼントと赤ジャンという時代錯誤な風貌の元暴走族メンバーと、ヌーボーとしたプータローが、曇天の日にパチンコ屋で出会い、意気投合し、エロビデオのコピーの仕事を共同で始める。リーゼント男には別れた妻と子供がいて…。

【メッセージ】時代に取り残された人々に切なさを感じていた10代の自分の集大成として作りました。 自分の信頼出来るスタッフ、自分の好きなキャストたちと、ただただ映画を作りたかっただけの作品です。かなり粗削りな作品ですが、今の自分にはなくなってしまった感覚でうめつくされた純度の高い映画です。

15時=『温泉しかばね芸者』(2017年、鳴瀬聖人監督、47分)と『GO GO まりこ』(2007年、前野朋哉監督、20分)さらに『痛いの痛いの飛んでゆけ』(2005年、細川龍作監督、21分)。

上掲は『温泉しかばね芸者』。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018、オフシアターコンペティション部門審査員特別賞受賞、第22回富川国際ファンタスティック映画祭正式招待作品、Kisssh-Kissssssh映画祭2018正式招待作品、第11回オホーツク網走フィルムフェスティバル正式招待作品。

【あらすじ】冴えない脚本家・実紗は台本を提出しては監督やプロデューサーにダメ出しされるばかり。 しかし、“呪われた芸者伝説”がある村でロケハン中、偶然書いたシナリオがどんどん現実に!世界が自分の思い通りになると気づいた実紗は、日頃の恨みをシナリオの中で晴らし始めるのだった!

【メッセージ】「死霊のはらわたⅡ」と「HOUSE」と東映が大好きすぎて勝手にオマージュを捧げました!悲しい物語ですが楽しい映画になるように心掛けたので、8割楽しんで2割くらいテーマについて考えてください!楽しんで!!!!!

上掲は『GO GO まりこ』。京都国際学生映画祭準グランプリ、 ハンブルグ日本映画祭招待。

【あらすじ】夏休みの始まるその日、高校二年生のまりこは地元の田舎ぶりにうんざりしていた。そんな中まりこに想いを寄せる山田がスイカを持ってやって来るが、モヤモヤしているまりこの感情を逆撫でしてしまう。

【メッセージ】どうしても16ミリでも撮りたくて、少し強引に作りました。 制作にあたり、当時山下敦弘監督の『天然コケッコー』にとても影響を受けていたと思います。映画もたくさん観たし、刺激の強い先輩方と過ごした日々も忘れられません。

上掲は『痛いの痛いの飛んでゆけ』。大阪芸術大学映像学科卒業制作2004・学長賞(グランプリ)/大阪芸術大学映像学科卒業制作2004・コダック賞/第23回そつせい祭・グランプリ/第6回JCF学生映画祭・審査員特別賞・中日新聞社賞/京都国際学生映画祭2005・準グランプリ/第4回横濱学生映画祭・入選/The 4th International Student Film & Video Festival of Beijing Film Academy・入選/Korea International Youth Film Festival・Strong Breeze Award/The 2005 Kodak Filmschool Competition・日本代表選定。

【あらすじ】学校をずる休みした少年は、ある目的を胸に小さな旅へ出かける…。

【メッセージ】監督の生まれ故郷である京都の片田舎を舞台に、実際にそこで暮らす人々を登場人物とし、幼年時代のほのかな恋心と哀愁を叙情的に描いた作品。話の大筋以外は、頭の中にあるイメージをシナリオにして映像化するのではなく、田舎の風景や素人の実際の生活など現実にある事柄を膨らましてフィクションとして映画に組み込みました。

17時=『Chain』(2008年、加治屋彰人監督、55分)と『お歳暮のハムのひも』(2014年、青木伸和監督、38分)。

上掲は『Chain』。そっせい祭グランプリ、TAMA NEW WAVEグランプリ、PFF審査員特別賞、ゆうばり国際ファンタジック映画祭招待上映、ハンブルグ日本映画祭招待上映。

【あらすじ】家に居場所がない理衣、母が帰ってこない麗奈、同棲中の加恵、職場が苦手な圭吾。小さな町に住む人々を描いた群像劇。

【メッセージ】制作当時から現在に至るまで、日本国内だけでも自分よりも弱い人間を狙った無差別殺人事件は起き続けている。恐らく将来的にも起きていくのだと思う。それは他人への想像力が欠如してしまっている結果だと思う。加害者になってしまうまでに追い詰めた人たちや組織・社会の、その個人への想像力の欠如。それが問題なのだと見た人に伝えたくて制作した。

上掲は『お歳暮のハムのひも』。2014年、福岡インディペンデント映画祭コメディ賞、知多半島映画祭入選、TAMA NEW WAVEコンペティション入選、アジア国際青少年映画祭観客賞、アジア大学生映画祭入選、沖縄国際映画祭U-25エンターテイメント賞、観客賞、準グランプリ。

【あらすじ】原付の飲酒運転で捕まった山口光弘は罰金50万を言い渡されます。そんな折、ポストに母からの手紙が。「お母さん、再婚します」。罰金のことを言い出せないまま実家に帰る光弘を出迎えたのは、祖母を連行する警察でした。訳のわからないまま迎えた両家顔合わせ。俺の罰金のこと、いつ言い出したらいいの?! ドタバタの3日間が始まります。

【メッセージ】モラトリアム、母性、実家の面倒さ、色々ありますが、笑えたらいいと思い、製作しました。

【10月12日追記】

卒業生の方々、友人、知人、ご家族の方が作品を観に来て下さいました。旧交歓談の場に。嬉しいです💗💛💖

 

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