2024.07.07infomation
8月19日初代ラジオ体操をテーマにトークセッション&ワークショップ
夏休みが近付いてきました。ウン十年前の夏休みを振り返れば、毎朝、村の神社の境内に集まってラジオ体操をしたことが真っ先に思い出されます。眠い目をこすりながら、首からラジオ体操カードをぶら下げて、兄の後姿を追って神社の境内へ向かいます。6年生のお兄さん、お姉さんから参加のハンコをカードに押してもらいます。やがて聞こえてくる「ラジオ体操、第一」の音楽に合わせ、まだ半分眠ったままの頼りない体を動かします。最終日には恒例の宝探しがあり、それが何よりも楽しみでした。上級生は前日それらの宝を見つからないように隠すのも大事な仕事で、そうした経験を重ねながら責任感を学んでいました。
つい先日家の本を整理していて、水澄美恵子さんの創作人形展『昭和の元気なこどもたち』の図録が出てきました。2013年4月4~23日美術館「えき」KYOTOで開催された時に購入したものです。
一目見て、「あら、懐かしい」と思いました。本当にこんな情景でした。条件反射のように、ラジオ体操第一のピアノのメロディーも浮かんできますが、今回これを書くために調べて知ったのですが、あのメロディーは当初からのものではなく、1951年からなのだそうです。その作曲は日本のクラシック音楽の大衆化に努めた服部 正さんによります。
さて、肝心の催しのご案内です。タイトルは「ラジオ体操 百年・三代の記憶-初代ラジオ体操を現在に-」です。企画して、当日の講師も引き受けて下さったのは北海道大学大学院教育学研究院准教授崎田嘉寛先生です。前任地の広島国際大学時代からパテ・ベビーフィルムなどで記録されていた映像の研究で当館の正会員として関わって下さっています。今も昨年寄贈頂いた小型映画の映像について調査研究をされています。私どもとしては、こうして保存した映像が研究に役立てられることをとても嬉しく思っています。プロフィールにもありますように、歴史的映像資料を活用して、日本の体育・スポーツ、それに関連する運動文化の歴史像を再構築しようと尽力されています。
今回の催しはその研究成果発表の一つで、(公財)サントリー文化財団2023年度研究助成「学問の未来を拓く」を得ての開催です。今年3月22日に開催した第8回無声映画上映会(演奏収録版)で、ちょうど100年前の第8回パリ五輪の映像をご覧頂きました。この時の映像についても崎田先生に助言していただきました。そうした経緯もあり、「8月にはパリ五輪が開催されますので、それに因んだ話でも」とお声がけしましたら、「8月なのでラジオ体操の話題でいきましょう」と決まりました。
チラシにも載っていますが、慣れ親しんだラジオ体操は実は三代目なのだそうです。初代ラジオ体操が放送されたのは1928(昭和3)年のことで、昭和天皇の即位御大典を記念して始められました。音楽は福井直秋という作曲家が手がけました。ネットでNHKアーカイブスを検索すると初代ラジオ体操の映像とピアノ伴奏の一部を聴くことが出来ました。1分11秒なので、その全体はどうぞ講演にご参加くださってお聴きください。終戦後、GHQが軍国主義的号令付の体操に難色を示し、1946年4月から第二代のラジオ体操が放送されますが、社会全体に余裕がなく1年4か月で終了。そして、1951年5月から今の三代目に。当日は、歴史映像から正確に再現された8つの動きを皆さんと一緒に体験してみましょう‼ 運動の指導は、㈱RiToLu代表取締役の当山倫子さんです。どうぞ、動きやすい服装でご参加下さい。コーディネーターは北海道大学大学院の苫米地里香さんです。
入場料は高校生から大人までが1000円、中学生は500円、小学生以下無料です。夏休み中の子どもたちはもちろん、大人の方には仕事帰りでも参加できるように19時開始です。お申し込みは当館まで電話075-803-0033または電子メールinfo@toyfilm-museum.jpでお願いいたします。皆様からのお申し込みをお待ちしております。