2024.07.09infomation
8月23日に第12回無声映画上映会「震災を中心にした映像特集」
毎月第4金曜日夜にカンデオホテルズ京都烏丸六角のレセプション棟(旧伴家住宅)で開催している無声映画上映会ですが、回を重ねて12回目。今回は演奏を付けず、映像だけでご覧頂きます。
お客様から小さい頃の思い出をお聞きした様子では「押し入れの戸を取っ払って、奥に白い模造紙を貼って、お兄ちゃんが手回しの映写機でフィルムを回して映していた。近所の子どもたちがたくさん見に来ていた。お母さんがおやつにお煎餅を一人ずつに渡すと、後で子どもたちのお母さんが『先ほどはありがとうございました』とお礼を言いに来ていた」というのがありました。
滝田ゆうさんの『寺島町奇譚』の漫画のような光景だったのかも、と思います。8月23日の上映会は、和室でご覧頂きますので、この漫画のような感じかしら。もっともフィルムをデジタル化した映像なので、「シャシャシャシャ」の音はしませんが。
9月1日が関東大震災から101年を数える「防災の日」なので、関東大震災や奥丹後震災の映像、震災に関連した映像など最近発掘された震災を中心にした映像をご覧頂きます。
その内の1本、『奥丹後大地震の惨状』の映像については、発生から97年後の今年3月7日付け京都新聞で大きく報道して頂きましたが、うっかりとホームページで紹介するのを失念していました。SNSで書いていた文章から抜き書きしますと、1927年3月7日午後6時27分ごろに奥丹後地震(丹後震災)が発生しました。震源地は現在の京丹後市網野町で、宮津市で震度6、京都市で震度5を観測。特に現在の京丹後市峰山町での被害が大きく、地震での合計死者数は2925名にも及びました。その被害の様子を撮影したニュース映像が昨年5月31日に豊中市在住の方から寄贈頂いた中から見つかりました。パテ・ベビー(9.5㎜)で再編集され家庭用に販売されていたものです。フィルムは寄贈者のお父様で、昭和5年生まれの定男さんのコレクションでした。
関東大震火災の映像は、8月に展示する団扇の所有者永本ツカサ様から寄贈頂いたフィルムの中にありました。劣化度からすれば、本来は廃棄する以外にないような状態のものでしたが、冒頭のタイトルが『関東大震火災の思ひ出、九月一日』でした。静止画でも見られるようにと、当館のスキャニングの機械に掛けてみました。接続されたところが途切れ、バラバラになり、悪戦苦闘しながらのものです。その作業を一部スマホで撮影しましたので、スキャンしている様子なども見て貰おうと思っています。100年も生き残った映像です。静止画でも貴重であることは変わりません。また、鉄道でのレール交換の状況も見ていただきます。人海戦術でレールを取り換える映像は、災害復興で最初に取り組まれる作業と同じ。震災の映像ではないかも知れませんが、震災救済関連映像とも思えます。
定員は12名で予約優先。一般は1500円ですが、学生(学生証持参)や同ホテル宿泊者は1000円です。お申し込みは当館電話075-803-0033、Fax075-803-0034、または電子メールinfo@toyfilm-museum,jpでお願いします。コーヒー、紅茶、お茶のサービスもございます。ご来場をお待ちしております。