2026.04.23information
2026年の特典DVDは「ちゃんばら時代 剣戟王 阪東妻三郎プロ100年」
毎年、正会員となってくださった方に差し上げている今年の特典DVDが出来上がりました(一般販売はしておりません。正会員になってくださる方は、こちらをクリックしてお読みください)。

今年は剣戟王と呼ばれた阪東妻三郎が、自分の撮影所を構えて100年。その跡地が今の東映京都(太秦)撮影所です。そして昨年は阪妻が自分のプロダクションを設立して100年。スタープロの草分けです。まだ20代半ばという若さでのことですから凄いですね。それに、昭和100年、撮影所傍を走る嵐電北野線が開通100年と節目が揃う年回りの記念に、所蔵するおもちゃ映画の中から、歌舞伎役者を志し、やがて新しい活動写真(映画)の世界へと活動を広げた「阪妻」に的を絞って、人物紹介版として編集しました。その映像のほとんどは、今は亡き古林義雄さんがコツコツと集められたものでした。大阪芸術大学在職中に連れ合いが立ち上げた「玩具映画プロジェクト」では、貴重な無声映画時代の断片の「おもちゃ映画」をお貸し下さり、アーカイブすることができました。
昨年8月23日、珍しく夕刻からの活弁上映会をしました。ご登壇いただいたのは、お馴染みの活動写真弁士坂本頼光さんと、サイレント映画ピアニスト天宮遥さん。少しでも昼間の暑さが凌げればと思ったのですが、猛暑続きで夕刻になっても収まらず。その上、手違いで冷房を1箇所点け忘れていたことに途中で気付き、活動写真弁士の衣装を身に付けた坂本さんは汗びっしょりになって熱演。本当に申し訳ないことをしました。お客様方も団扇で仰ぎながらご覧いただくという、思い返しても玉のような汗が噴き出る不始末をしでかしました。今更ですが、会場に居合わせた皆様に深くお詫び申し上げます。当日のご案内については、こちらで書いています。
この日は、音響の専門家クリエイティブコモンズのスタッフ2名に記録映像撮影を、今は大阪芸大映像学科でも教えておられる荒木祥貴さんに録音をお願いしました。その日の記録をもとに制作したのが、今回の特典です。

この日に間に合うよう小冊子11『阪妻プロ結成100年 剣戟王 阪東妻三郎』を発行しました。それを手に坂本さんが宣伝に一役かって下さいました。ありがたや😂その効果もあって、早速お買い求めいただいた方が相次ぎました。当館ではもちろんですが、ご連絡いただければお送りすることもできますし、東映太秦映画村の販売所でも入手できますので、お買い求めいただければ嬉しいです。

クリエイティブコモンズの松本さんが手持ちの照明器具を使ってセッティングしてくださったおかげで、いい塩梅に坂本さんも演奏の天宮 遥さんも演奏しやすいようにスポットライトを浴びています。会場は満員のお客様。お馴染みさんも多くおられ、中には若い坂本さんファンの男性の姿も。彼の話術に凄く魅了されているようです。

これは当館所蔵の『江戸怪賊伝 影法師(任侠篇)』(1925年、パテ・ベビーからのデジタル作品)です。
阪妻と言えば、傑作『雄呂血』(1925年)がありますが、当館では所蔵していないので、『雄呂血』の原型とも言える『逆流』(1924年)と、この『江戸怪賊伝 影法師』の活躍篇・任侠篇・情緒篇を上映。前座として『喧嘩安兵衛』、そしてこの人物紹介版としておもちゃ映画 26作品で編集した『ちゃんばら時代 剣戟王 坂東妻三郎プロ100年』というプログラムでした。
剣戟映画全盛時に「剣戟王」とまで称えられた阪東妻三郎。その生い立ちから歌舞伎役者としての苦労時代、そしてスタープロを作り、撮影所を開所。関東にも撮影所を作り、日活の大看板として、他の俳優たちの憧れでもあった阪東妻三郎。坂本さんの「『忠臣蔵 天の巻 地の巻』では他の俳優たちを従え、大石内蔵助を演じ、 “阪妻の前に阪妻なし 阪妻のあとに阪妻なし”」と力強く熱のこもった活弁で締めくくりました。お客様も大満足の活弁上映会でした。

当日の集合写真。掲載が今頃になってすみません。この頃には冷房も効いて大丈夫だったかな。でも、心の中は坂本さんと天宮さんの熱演でホッカホカ。皆さんの笑顔が語っています。
特典のDVDはこの日の様子を、長さの関係から古林さんから寄贈して頂いたスチール写真も用いながら、おもちゃ映画で見る阪東妻三郎の見事な立ち回りシーンを集めて編集しました。坂本さんにとっては、解説だけの活弁をするのは大変だっただろうと思います。この度も無茶な依頼をしてごめんなさい。『(鯉名の銀平) 雪の渡り鳥』(1931年)は残っていますが、他の映画はこのおもちゃ映画でしか残っておらず、古林さんのお陰で、当時の剣戟映画がどのようだったかを垣間見ることができます。天国の古林さん、ありがとうございました‼


