おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2022.09.04column

京都芸術デザイン専門学校生二人のインターンシップが終了

8月24日から始まった京都芸術デザイン専門学校1年生二人による10日間のインターンシップが、今日終了しました。グッズ作りをしたいと希望されたので、できればピープショーを作って欲しいと依頼しました。

「ピープショーって、なに?」と思われた方もおられるでしょう。

プロの作家吉田稔美さんの本『ピープショー  のぞきからくり』から抜き出せば、「遠近法を利用して描かれた近景、中景、遠景にいたる複数枚の絵をくりぬいたものをある間隔をあけて配置し、小さなのぞき穴から片目で見透かす視覚装置」。ちなみに、彼女の作品は当館でも販売しています。

こちらは、一番最初のインターンシップ生に作って貰ったピープショーです。おもちゃ映画ミュージアムの特徴をうまくとらえて作って貰いました。二匹目のドジョウを狙って、また新たなピープショー作りに挑戦してほしいと希望しました。

今回のインターンシップ生二人です。向かって左がピープショー「新選組の夜」を作った相原莉里さん、右がペーパーシアター「武士の戦い」とピープショー「夜桜」を作ってくれた中澤早希さん。

「新選組の夜」の表紙絵。そこから蛇腹を伸ばして覗くと、

一番奥には満月が輝いています。ケバケバした色が苦手なのでしょうね。シンプルで静謐な印象の作品です。

「新選組は謎の多い人物が多いですし、私にとって危うい不思議なイメージがあるので、それを表したく夜と月、新選組の色の水色を目立つようにシンプルなデザインで描きました。こだわった点は、立体感をメインにしようと意識していたので、月と背景を別々の紙に描きました。草木なども2枚の紙に描くことによって立体感を出せるようにしています」と作者の相原さん。

当初は「チラシも作りたい」と希望されていましたが、時間が足りなくて結局見送りになってしまい、それが残念でした。

中澤さんのピープショー『夜桜』。「武士の少年と少女の出会いと思い出の物語」だそうです。

四角い穴から覗くと、二人が出会ったシーンの奥には街道筋が描かれて続いています。

“ペーパーシアター”という言葉は中澤さんに教えて貰いましたが、ネットで検索すると丁寧にカットした紙を重ねて、印象的なシーンを描くクラフトのようです。ミュージアムの近くには、壬生寺や新選組壬生屯所跡(八木家や旧前川邸)、多くの新選組隊士が埋葬された光縁寺などがありますから、その印象をミュージアムグッズに考えて下さったのでしょう。

これらの作品は館内ミュージアムグッズのコーナーに飾りましたので、来館の折にぜひ覗いてみて下さい。

前回冬のインターンシップ生3名の時は、10日間の日程のほとんどが自宅での作業という具合になってしまいましたが、その時に、同じコロナ禍といえども、可能な範囲で対面で交流しながら作業して貰いたいという気持ちを抱きました。幸い二人とも自宅から当館までそう遠くないこともあり、1日だけは在宅での作業となりましたが、残りはミュージアムで取り組んでいただきました。

前回の学生さんたちも静かでしたが、今回の二人はとりわけ静かでした。おとなしいのは最近の若者の傾向なのでしょうか?そのこともあって、最終日に二人に要望したのは、声を出すのを惜しまず、恐れず、積極的に人とコミュニケーションをとり、前に向かって人生を切り拓いていって欲しいということでした。いつか好きな道で花を咲かせて報告に来てくれることを期待しています‼初めての場所で10日間の作業経験はずいぶん緊張を要したことでしょう。よく頑張って下さったと思います。お疲れさまでした。そして、ありがとうございました‼

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