おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2023.03.08column

つながり

仕事がノロいものだから「ミュージアムで知り合った皆様に早くメルマガをお送りしなきゃ」と焦りつつカレンダーを見たら、大好きな金子みすゞさんの詩「足ぶみ」が目に飛び込んできました。

今日の京都市内も、みすゞさんが見上げたのと同じような、青い空が広がっています。挿絵には“つくしんぼう”が描かれていますが、京田辺市内の家から引っ越した時に少しだけ持ち帰った“ふきのとう”が町家の裏庭に顔をのぞかせています。ここにも「春が来ましたよ」。

“ふきのとう”は、もとは随分昔に実家がある富山県砺波市から持ち帰って植えたものが幸いにも根付いたもの。春先はそこここに顔を見せて喜ばせてくれていたのですが、後に住む人が庭は不要だということでコンクリート敷きになってしまいました。でもこうして、故郷と繋がるいのちが芽吹いたことを、些細なことではありますがとても嬉しく思います。

このカレンダーは童謡詩人金子みすゞさんの詩を毎月載せていて、山田りえさんの絵が添えられています。昨年末にこのカレンダーが届いた時に、直ぐ送り主さんに「私、金子みすゞさんの詩が大好きなんです。だからとっても嬉しいです‼」と上ずった声でお礼の電話を差し上げました。

その送り主さんは、昨年6月19日にお越しくださった真宗東派本願寺(京都市右京区嵯峨鳥居本)大谷光道法主にお繋ぎくださった方です。当日はご法主様のご協力で、貴重な映像を参加者の皆様に初公開させていただきました。それは山口淑子さんが“李香蘭”名で活躍されていた時代の映像で、現在の真宗本廟(京都市下京区常葉町)境内で『荒城の月』と『何日君再来』(ホウルウテュンツァイライ)を綺麗な声で歌っておられるプライベート映像。知り合いの記者さんから「絶対不可能」といわれていたのですが、それが可能になったのはこの方のお力添えがあればこそ。

その送り主さんと知り合ったのは、2018年10月18日~11月11日の「平和へのメッセージ 映像作家高橋克雄の世界」開催の時でした。髙橋監督ご息女佳里子さんと交流があることから見に来て下さいました。いろいろなお話をしているときに、偶然大谷様が所蔵されている映像の話をしたことが記憶にあったことによります。

その髙橋佳里子さんと知り合ったのは、髙橋監督のところで仕事をされていた大阪芸大映像学科卒の千光士義和さんとの繋がりから。千光士さんは、今や動く段ボールアート作家、アニメーション作家として大活躍されていて、お忙しい中を展覧会期間中の11月11日に登壇していただき高橋監督の思い出などを語って下さいました。その時には、長くアニメーション史を牽引してこられた渡辺泰先生も見に来て下さって、佳里子さんは大感激されていました。

アニメーションに疎い私どもにとって大きな知恵袋となって支えてくださった渡辺泰先生がお亡くなりになってから、もうすぐ3月27日で4回忌。渡辺先生が存命だったなら、3月10~19日大阪アジアン映画祭期間中の15日13時から、美しい大阪中之島美術館で特別上映される高橋監督の3作品、’70年大阪万博のために製作された『ミセス21世紀』や『オーストラリアと日本 東経135度の隣人』、日本を紹介するために製作された『かぐやひめ』をご覧頂きたかったなぁと思います。

このように考えると、お金もない私たちは、本当に多くの人との出会いによって活動を支えられているのだなぁと改めて思い、感謝の思いで一杯になります。

 

 

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