おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2024.06.30column

7月28日毛利清二展クロージングイベント参加者募集

幸いにして多くの方にお越し頂いている「毛利清二展~映画とテレビドラマを彩る刺青展」は、最後の1か月を迎えます。お客様とお話をしていて感じるのは、映画への関心からというより、刺青への関心を持つ人がほとんどということ。映画やテレビドラマの撮影用に俳優さんたちに刺青の絵を描き続けてきた毛利清二さん(94歳)。台本を読んで、描く俳優さんの関心や好みなどを考えて下絵を描き、それを監督や俳優さんにプレゼンし、「それで、いこう」となれば、「下絵を見なくても頭にあるから描ける」。お客様は、毛利さんへのインタビュー映像を見て、「毎日何時間もかかって描き、撮影が終わったら落とし、翌日また同じ色で同じ絵を描く」仕事ぶりに感心しておられますが、今日そんな話をしたら毛利さんは「映画職人だから」と話しておられました。気概を感じます。

「代表作の『一匹竜』の頃、寺町三条の古本屋へ見に行って調べた。木版摺の古本は何千円もして高かった。日給が300円から400円の頃の話。刺青の色が本物に似ていて褒められた。色ドーランは今は50色あるが、当時は10色ぐらい。それを練り合わせて作った。それが大変だった」と懐かしそうに話して下さいました。展示している下絵やスチール写真、ポスターなどを見ていると本当に美しいです。凄く研究されて独自の“刺青絵師”としての地位を築かれました。

今日の話では、下絵はベニヤ板2枚に挟んで立てかけていたそうです。「これが平積みにしていたら、湿気でだめになっただろう」とのこと。「家が狭かったから立てざるを得なかったのだが、それが結果的に良かった」と仰っていました。そうして40年間にもわたって描き続けてこられた毛利さんの貴重で美しい刺青の下絵が、今に残っているのは本当に貴重で素晴らしいことです。

今後これらの下絵がどうなるのかは部外者の私にはわかりませんが、大切に保存して次世代に継承して貰いたいと願います。多くの刺青愛好者は1960年代からの映画やテレビで観た刺青の絵を見て憧れたり、自分らしさを装飾するために参考にしたのでしょう。来館される皆さんの目がそれを語っています。2か月間にわたって開催している間に、映画に出演する俳優さんに刺青の絵を描いている人、二人に出会いました。毛利さんが自分なりに工夫して開いてきたこの道をこの二人も真剣に切り開いていると話を聞きながら思いました。とはいえ、仁侠映画全盛期の頃と違って映画は苦境が続いています。これだけで生活できるとは思われないのが今の日本。二人とも展示をご覧になって「大変勉強になりました」と仰っていました。多少なりとも縁を得た者として、今後の活躍を応援しています‼

もう一つ、今日毛利さんと話していて興味深く思ったのは、マキノ雅弘監督が付けて下さったという“刺青絵師”ということばについて。映画で刺青の絵を描いている先の2人のうちの一人は“肌絵師”を名乗っておられます。彼らの活躍を毛利さんにお話した折に教えて貰ったのですが、実は毛利さん自身は「肌絵師」が良いなぁと思っておられたのだそうです。けれども、マキノ監督には絶対服従だったので、以降“刺青絵師 毛利清二”と名乗ることになったのだそうです。ともあれ、毛利さんの後継者的な若者が活躍していることを今日ご紹介出来たのも良かったです。

さて、最終日の7月28日に毛利清二さんに来ていただき、クロージングイベントをします。開始は14時からですが、その参加申し込みを7月1日から受け付けます。恐縮ですが会場が狭いのと、時節柄熱中症が怖いので、先着順で10名、と少人数です。申し訳ございません。代金1000円は当日現金でお支払いください。

ご希望の方は、こちらのフォームからどうぞ‼
 
毛利清二(刺青絵師)
山本芳美(都留文科大教授)
原田麻衣(東映太秦映画村・映画図書室 学芸員)が
「毛利清二と作品」の将来の展開を語りあいます。
お問い合わせ先:mouriseiji.kyoto2024@gmail.com まで。
 
どうぞ、宜しくお願いいたします。
 
 

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