2025.06.18information
7月6日研究発表「消えた映画館の発掘・近畿地方に残る映画館建築」
チラシはできていたにも関わらず、仕事が遅くてご案内が今頃になってしまいました💦久しぶりに7月6日(日)13時半から、若手研究者の発表会をします。発表者は澤田佳佑さん。愛知県からお越しいただいて、「消えた映画館の発掘・近畿地方に残る映画館建築」のテーマでお話をしていただきます。流れとしては、発表に続いて対談。聞き手を伊達深雪さんにお願いしました。
実はこの企画、昨年12月22日に澤田さんが初来館されたその場でオファーしました。その日のfacebookに書いた文章を書き写しますと、
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引っ越しをして、まだそんなに経っていないのに、なんだか懐かしい思いでいっぱいになる旧おもちゃ映画ミュージアムでの写真。仕事が休みの日を活用して、全国各地にかつてあった映画館の場所を訪ね、資料を調査し、サイトで公開されています。なかなかできることではありませんね。それで彼の熱意に惹かれて研究発表をお願いした次第です。
facebookの文章にある「京都府北部から『映画館の建物を見て歩くのが好き』という女性」が、伊達深雪さんです。澤田さんが当館を訪問してくださった理由を今、ご本人にお尋ねしたところ、「ウェブ検索をしていて、たまたま見つけて」くださったことによるそうです。 “たまたま”の出会いが、こうして発展してトークイベント開催に💗 澤田さんは、今年3月に『映画館のカケラ【東海編】』(東海映画館文化研究会)を刊行されました。
【東海編】とあるのに恐縮ですが、コラムで当館のことにも触れて紹介してくださっています。応援、ありがとうございます‼
今回の発表は近畿地方をテーマにした内容ですので、前掲写真で澤田さんが手にしてくださった小冊子6『京都の映画館文化』の中から、1枚を選んでチラシに載せました。チラシ案をご本人に見せたところ、「載せる写真は現在のものでも良いのではありませんか」とのご意見でした。実施日まで時間がない中、頭に思い浮かんだのは京都市上京区上長者町通千本西入五番町にある「千本日活」だけでした。1961年7月に「五番街東宝」として開館し、その2年後に「千本日活」に改称して現在に至りますが、成人映画専門なのでチラシに載せるのも如何なものかと見送りました。
ちなみに、昨日自転車でひとっ走りして撮ってきた「千本日活」の写真です。かつては西陣京極と言って、この辺りには多くの映画館がありました。2013年10月に西陣ぶらり歩きした折の日記がこちら。http://blog.livedoor.jp/rekishi_tanbou/archives/1758904.html良ければクリックして読んでみてください。
澤田さんから当日発表の内容について概要が届いていますので以下に。
…………戦後の日本には約10,000館の映画館が存在しました。映画を主題とする書籍・雑誌などは豊富にあり、また学術的にも様々な切り口から研究がなされていますが、上映施設である映画館についての研究は蓄積が乏しく、大都市以外の映画館は基本的な情報すら失われた状態です。映画館文化を見直して後世に伝えていくために、「映画館名簿」から基本的な情報を抽出した上で、郷土資料から収集した情報を組み合わせて紹介するデータベースサイト「消えた映画館の記憶」を作成しています。サイトを作成する過程で、閉館したものの現地に現存する映画館建築に興味を持ち、全国に残る映画館建築を訪ね歩いています。2025年3月には東海地方に現存する映画館建築に焦点を当てた『映画館のカケラ【東海編】』を刊行しましたが、今後【近畿編】なども作成を予定しています。データベースサイトの作成手法を紹介するほか、近畿地方における映画館建築の現存例などについて紹介します。…………
対談相手を勤めてくださる伊達さんも『ウィキペディアでまちおこし』(紀伊国屋書店)の本を2023年に刊行されています。出版がなかなか難しい現在にあって、若者二人が思いを活字にして伝えようとなさっていることが素晴らしいです。当日はお二人の書籍『映画館のカケラ【東海編】』と『ウィキペディアでまちおこし』を販売する時間も設けますので、ぜひこの機会にお買い求めください。
会場の狭さから定員を24名と設定していますが、広報が遅れているためまだまだお席に余裕がございます。参加費は無料ですが、入館料が必要です。高校生~大人1000円です。13時開場で13時半開始ですが、イベント前後に館内展示もゆっくりとご覧ください。
皆様のお知り合いにもご紹介頂けたら幸いです。ご来場を心からお待ちしております‼