おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2021.06.07column

第14回アジア国際青少年映画祭のオンライン授賞式

昨日6日朝の11時から、日本で初開催された第14回アジア国際青少年映画祭(AIYFF)のアワード表彰式が日中韓3ヵ国をオンラインで繋いで行われました。本来なら昨年秋に初の日本大会として大々的に開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため延期されました。

日中韓の関係者は強く対面での開催を希望されたのですが、再び延期になり、結局は主なセレモニーをオンラインで繋いで開催することに。一昨年韓国で開催されたAIYFFに招かれて渡韓した折には、多くの人びとと交流し、東京での再会を約束していたので、それが叶わなかったことは残念でしたが、こうして開催できたことを嬉しく思います。

初期の頃連れ合いが日本側の窓口になっていたこともあり、AIYFFのサイトには、祝辞・挨拶に連れ合いの名前も書いてありますが、それは辞退し、配信される映像を楽しく拝見させていただきました。

椎名まこさんの司会で、各部門の受賞者が次々に発表されました。そして、最終のグランプリに選ばれたのは、日本代表の「トカトントン」でした。14回に及ぶAIYFFの中で、日本作品がグランプリを受賞したのは初めてのことです。特に、初の日本大会で、日本の作品が最高の栄誉を得たことを大変誇らしく思いました。

この映画祭を提案し、開催へと至った韓国では、AIYFFが立ち上がったころから、高校にも多くの映画科が設けられ、映像教育にとても熱心に取り組んでいます。高校生部門の受賞者は映画関係の大学に進学できるので、熱い視線が注がれています。こうしたことは昨今の韓国映画の世界的な評価にも繋がっていると思います。

中国もこの映画祭をとても重要視しています。北京電影など有力な映画大学の学生たちの作品が選ばれていて、両国の質的なレベルは相当に高いです。一昨年韓国で見たとき、日本の学生さんとの格差に驚きました。日本ではほとんどAIYFFは知られていないのが実情で、そのことをとても残念に思っています。

そんな中、優れた作品を作る若者が日本にもいました。最高賞のグランプリは大阪芸術大学映像学科佐藤早苗監督『トカトントン』でした‼ 

連れ合いが教えた学生さんだったこともあり、「とても良い作品だから、応募するように」と働きかけた作品でした。その作品がグランプリに輝いたのですから、「表彰式に顔を見せて欲しかったなぁ」と心底惜しく思っています。人生は山あり谷ありですが、佐藤監督には、この受賞を励みにして、どんな困難も乗り越えて、良い作品を作り続けてくれることを心から願っています。

どのような作品か気になるでしょう?  この作品も含め審査を通過した全21作品が6月18~20日、池袋のIKE・Bizとしま産業振興プラザで上映されます。詳しくはこちらhttp://www.aiyff.com/jap/main/ をご覧下さい。

そして、次回第15回アジア国際青少年映画祭は中国の海南省で開催されます。テーマは、「喜怒哀楽」。高校生も応募できます。若い皆さん、ぜひ挑戦してみて下さい‼ 

連れ合いの後を引き継いで、この困難な時期の開催を進めておられるAIYFF実行委員長の高橋克三さんを始めとする実行委員会の皆様方、本当にお疲れ様です。

高橋さんは、挨拶で「映画を作る者は、過去の優れた作品を見て勉強しなければならない」と話されました。連れ合いが「韓国でも中国でも1950年代の日本映画とそのシナリオをテキストにして学んでいる。その時代の日本映画は凄いから。しかし日本の若者はほとんど古い時代の映画を見ようとしていない」と、いつも嘆いていますが、高橋さんも同じ思いだったのでしょう。映画においても、後進国にならないよう、若い人には過去の作品もぜひ見て学んで欲しいです。

ともあれ、AIYFF最終日の20日まで、スタッフの皆さん、お疲れでしょうが無事に走り抜けてください。京都から応援しています!!!!!

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