おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2021.05.31column

本日最終日「ペン画で甦る尾上松之助最晩年『忠臣蔵』展」

4月1日から始めた「ペン画で甦る尾上松之助最晩年『忠臣蔵』も、今日で最終日。見学ができる午後から「今日までだから」と足を運んで下さる方が続きました。その中で印象に残ったお客様幾人かをご紹介。写真の男性は5月22日(土)10時半から放送されたKBS京都テレビ「キモイリ!」で、当館と一緒に生中継していただいた「プロレス美術館」館長の湯沢利彦さん。先のブログで「きっとプロレス美術館さんも『おもちゃ映画ミュージアム、へぇ~、そんな博物館があったんだ!』と思っておられることでしょう」と書きましたが、ピンポ~ン♪でした。それで、初めてのご来館。

その目的が何ともステキでした💖 臆せずにメモ書きしたそのままを書き写しますと「番組を見て、生ロケにもかかわらず、(当館部分が)最初から最後まで完全なものを視聴者に提供したと思う。見事だった!自分はこれまでカメラワークの仕事をしていて、数多くの番組にかかわってきたが、その中でも凄くて、作品大賞だと思った。オープニングで2分、戻って6分。そして後半の企画展紹介部分と続き、前半と後半で割ったことが凄く活きていた。この制作会社は制作費をかけずに全部アドリブでやるので、奇跡に近い出来だった‼ あの流れに感動したことを伝えたくてやってきた。」と大絶賛していただきました。お褒め頂き、木に登らんばかりです。

「京都市内の面白いミュージアムを紹介する企画」ということで、当館の後に生中継隊が向かったのが上掲の「プロレス美術館」。番組を見ていて、確かにユニークな施設でした。湯沢さんと話していて最も驚いたのが、奥様が美術館内のありとあらゆる装飾関係を全て手作りされていること。大抵コレクターさんの奥様は、「男の夢」というものに反対されることが多い(私も含め)のですが、湯沢さんの奥様はデザイン学校出身だそうで、逆に特技を活かす場になっているのですね。夫唱婦随というパターン。

それから、撮影所の下請けをしていたという男性はお孫さんを連れて来館。以前にもお越し頂いたことがありますが、お孫さんが常設展も含め、とても興味深く見て下さったことが印象深かったです。

今回、マンガ研究者の方に見て貰える機会があれば良かったのですが、コロナ感染拡大から緊急事態宣言が発令されていることもあり、残念ながら叶いませんでした。でも12月に後半部分を主にした展覧会を催すことが可能になりましたので、ペン画の原画集はそのままお預かりします。この間に前もってお声がけいただければ、ご覧頂けるようにしますので、初期マンガ研究に活かして頂ければありがたいです。

もうお一人からは、写真の本『赤穂義士物語』を寄贈して頂きました。赤穂浅野家初代奥方の菩提寺「高光寺」ご住職で、映画『四十七人の刺客』、オペラ『忠臣蔵』、NHK大河ドラマ『元禄繚乱』などの時代考証に協力されている三好一行さんが文章を書かれ、写真のマサミ マエカワさんが絵を描かれました。赤穂市から「最終日だと知って駆けつけました」と仰って。6月に展示するアニメーション作家河野亜季さんのご紹介だそうです。世の中、どんどん繋がって面白いです💝

全ページ、英語とフランス語訳付きです。絵がなかなか面白いので、楽しみながら語学勉強にも活かせる作り。もう少し早く知り合っていたら、この本も「ナリキリ!」で紹介できたかもしれず、惜しい。お声がけいただいたら、ご覧頂けるようにしますので、遠慮なく、どうぞ‼ 猫好きさんには堪らない可愛い絵です。

期間中、来館頂いた方の中で最も印象深かったのは、これらの印刷物を自主発行されている方。これまでも幾度かお越し頂いていましたが、今回の展示を静かに丁寧にご覧頂き、そして仰ったのが「死にかけていたけど、(展示を見ていて)ここから自分も何かを残したいという活力をもらった!」のひと言。

認知症のご両親を介護しながら、ご自身も心の病を抱えておられて、聞いているだけでも大変です。時に「死んだほうが」と思い浮かぶときもあるそうですが、世に知られることもなく亡くなった芹川さんが残した優れたペン画の数々を見て、そう仰ったことがとても嬉しいです。このひと言を聞けただけで、この展覧会を開催して良かったと心底思いました。

期間中、お運び頂いた皆様、そして快く協力してくださいました芹川様、お繋ぎ頂いた熊本日日新聞元記者の松尾様に、心より御礼申し上げます。今回ご覧頂けなかった方は、ぜひ12月の展示の折りに、間近でご覧頂ければ幸いです。それまでに、コロナ禍が今より状況が好転していることを願うばかりです。

 

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