おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2022.05.16column

昨日は“一日240時間“、良い出会いが次から次へ

昨日も良き出会いがありました‼ 小冊子7『川喜多長政と中国ー映画の国際交流を求めてー』を手にしておられるのは、宮本順三記念館「豆玩舎ZUNZO」(東大阪市下小坂)の樋口須賀子館長さん。お父様の故・宮本順三さんはグリコのおもちゃのデザイナーをされていて、洋画家でもありました。2019年11月1日大阪セルロイド会館でセルロイド学会員対象のセミナー「さわやか交流会」で連れ合いがお話をさせて頂いた折に樋口館長さんにお目にかかり、続いて、2020年11月29日「帝国キネマ100周年記念イベント」の折にも「豆玩舎ZUNZO」さんは尽力されました。「帝キネ100周年イベント」のことはブログで振り返りを書いています。午前中に撮影所ゆかりの場所をめぐるウオーキングについて書いた中に載せた絵は宮本順三さんが描かれたもの。そうしたご縁もあって、お孫さんも一緒に三世代で訪ねてきてくださいました。

樋口館長さん一家は、戦中天津のドイツ租界に住んでおられ、当時は『会議は踊る』などヨーロッパの名作を映画館で上映していたそうです。後年訪中した折、その映画館が残っていたのを見て、とても懐かしく思い出されたとか。日本に引き揚げてこられたのは3歳の時のことだそうです。「あの当時のことが気になっていたので」と小冊子をお買い求めいただきました。

口々に「漸く訪ねてくることができた」と仰って。戦前のアニメーションや手回し映写機の体験など、子どもたちも楽しんでくれました。「豆玩舎ZUNZO」は休館日が日曜と月曜だそうですので、近いうちの火曜日に出かけてみようと思います。

続いて来てくれたのは、洛南高校陸上部の若林良樹君(右)と大﨑達也君。洛南と聞けば駅伝を思い浮かべるので聞いてみたら、若林君の兄・宏樹君が今年1月2日の箱根駅伝で山登りの5区を走り、往路のゴールテープを切ったそうです。雄姿がこちらでご覧になれます。テレビで箱根駅伝を見るのが、私の正月恒例行事になっているので、兄に続いて、弟君も、そして大﨑君も箱根を走り活躍してくれるのを楽しみにしています。

たくさんの映写機や、教科書で習ったことがあるゾーイトロープ、プラキシノスコープに目を輝かせていたのが強く印象に残りました。素直な好青年二人に出会い、祖母になったような気分で、彼らの今後の活躍を応援します‼ 怪我をしないように気を付けながら、世界の陸上界で頑張って欲しい。楽しみが増えました!!!!!

そして、午後ミュージアムで知り合った方からお知らせを受けて、左京区の法然院庫裏玄関で行われた「沖縄茶会~ヤマトからウチナーを想ふ 沖縄の骨に耳を澄ます~」(10~16時)へ行ってきました。自転車で行ったので、哲学の道から法然院への道は息が切れそうでしたが、上りついた先は木々の緑が美しく、静寂な空間が広がっていました。

うっかり山門の写真を撮るのも忘れて庫裏へ向かいました。偶然茶会のことをお知らせくださった方と居合わせたのには、ビックリしました。その方の案内で、茶会後に墓地に眠っておられる河上肇、内藤湖南、玉城嘉十郎、九鬼周造のお墓参りをしました。

昨日は、沖縄が1972年の日本復帰から50年の節目でした。今朝の新聞によると「陛下は先の大戦で悲惨な地上戦の舞台となり『多くの尊い命が失われた』と述べた上で『人々は“ぬちどぅたから”』(命こそ宝)の思いを深められた」と沖縄の言葉を用いて県民の感情に寄り添われたとあります。玉城デニー知事は式辞で「復帰にあたって政府と共有した『沖縄を平和の島とする』との目標が、なお達成されていない」と訴えました。2月から始まったロシアのウクライナ軍事侵攻の報道に心を痛める日々ですが、辺野古米軍新基地建設問題や敵基地攻撃論などの言葉まで登場して、歴史を戻すような事態になりはしないかと懸念しています。今こそ冷静になって落ち着いて考えねばなりません。

法然院から戻ったら、きれいな女性が来館中。與邦国島出身で京都造形大学(現・京都芸術大学)出身の俳優・監督・映像クリエイターの東盛あいかさん。『ばちらぬん』が、「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)2021 」でグランプリを受賞して、関西ではUPLINK 京都と大阪の第七芸術劇場で上映中です。『ヨナグニ~旅立ちの島~』と一緒に観ればお安くなるチケットも発売中です。

舞台挨拶で関西へ来られた足を延ばして、わざわざ来てくださった理由に感動しました。実はまだ京都造形大の学生だった時に一度来館して下さったことがあるとのこと。昨日は直ぐに「いつのことか」が思い出せなかったのですが、夜になって急に思い出したのです。それは2019年11月17日のことで、その出会いをこちらで書いています。このブログの最後の方に「あなたたちがビッグになってしまったら頼めないだろうけど、ちょっと有名になった頃に、そして、このミュージアムがまだ存続していたなら、映画美術の話や俳優の仕事について、ここで話して欲しい」」とお願いしたことを綴っています。

東盛さんは、その時の私の願いを覚えていてくださり、自ら監督して主演も務める作品が劇場公開されることを伝えにやってきてくださったのですね。夢を叶え、約束を守って訪ねてきてくださったことに胸が熱くなりました。気が付いたのが真夜中でしたが、その嬉しさを伝えたくて、直ぐにメールを差し上げました。劇場には喜んで見に行きます。とても楽しみです。劇場での公開が一巡したころに、再会してトークイベントができたら良いなぁと勝手に夢を見ています。

PFFグランプリ受賞、本当におめでとうございます‼  今後も良い作品を作り、演じてください。精一杯応援しています。そして、皆様もお近くの劇場で公開の折には、ぜひお出かけくださいね。

右は那覇市にある㈱ムーリンプロダクション企画制作・広報の菅谷 聡さん。前掲写真で東盛さんが手にしておられるのは、与那国島のクバ笠。おじいさまが作っておられて、その作り方を教わりながら自分で手作りされたのだそうです。映画の中でも登場するそうなので、映画を見たら「あの時の!」と嬉しく思うことでしょう。私の祖母と母が菅笠を編んでいたのを覚えていますので、感触や形状など子どもの頃を思い出して懐かしさを覚えました。

ということで、5月16日は朝から素敵な出会いが続きました。前日に勅使河原宏監督『1日240時間』を見たばかりで、動きが10倍早くなる“アクセルチン”を飲んだわけではありませんが、「なんと内容たっぷり、充実した一日を過ごせたことか」と感動すら覚えます。皆さん、ようこそおいで下さいました!!!!!

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