おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2022.12.10column

<ヒロシマへ ヒロシマから>通信№1857でご紹介いただきました💗

毎日、熱心な手作りの通信<ヒロシマへ ヒロシマから>がメールで届きます。昨朝受け取った№1857は、当館の取り組みを載せて下さっていました。それを見て、驚いたのなんのって‼

作業がのろくて遅れに遅れていたメールマガジン「ご縁をいただいた皆様へ」をようやく7日に送信。<ヒロシマ通信>発行者の竹内さんは、一斉送信した文章をそのまま掲載して下さいました。この通信の読者は全国各地にたくさんおられるので、その方たちの目に留まって、当館の活動を知って貰える機会になりましょう。これまでも何度か載せていただいたことがありましたが、1枚丸ごとは初めてのことで、本当にありがたいです💗💛

12月18日に講演をしていただく同志社大学の富樫耕介准教授のお名前を知ったのも、実はこの<ヒロシマ通信>でした。連続講座の講師の中に富樫先生のお名前が載っていたのです。大切な情報を教えて下さるので重宝している<ヒロシマ通信>なのですが、毎日毎日もの凄いエネルギーを投入して書いておられるであろう姿を勝手に想像して、深々と頭を下げています。

その18日に司会を引き受けて下さる同志社大学の小黒純先生から「9日構内3か所に立て看板を設置した」と連絡を受け取りましたので、会場となる良心館YR107号教室と食堂の下調べを兼ねて、自転車に乗って昨日行ってきました。

そのうちの一つが、烏丸上立売通下がった所の門にありました。寒梅館の通りを挟んだ向かい側辺り。なんだか「いよいよ」という気になりました。

9日、公開初日を迎えた映画『ラーゲリから愛を込めて』19:15からの回を東宝シネマズ二条で観ました。上映前に東京の映画館と全国100館とを結んで舞台挨拶がありました。主人公山本幡男役の二宮和也さん、その妻モジミ役の北川景子さん、戦友役松坂桃李さん、中島健人さん、桐谷健太さん、安田顕さん、そして監督の瀬々敬久さんの7名と名演技の犬のクロが登壇。人気俳優が沢山出演されるとあって女性客が圧倒的に多かったです。若い女性が多くて、もはや「シベリア抑留」という問題があったことをご存じじゃない世代なので、彼女らが映画を通して、こうしたことがあったと知るきっかけになれば良いなぁと思いました。ハンカチを持って、ぜひ映画館でご覧いただきたいです。ただ私的には、愛の物語で終わってしまっていては、「ソ連(ロシア)という国は悪い、ロシア人は酷いことをする」と一方的に見てしまいやしないかと心配になりました。どうしてこのような事態になってしまったのか、日本政府の棄民政策、棄兵方針にも触れて描いて欲しかったなぁと思います。主人公が入院した病院で働く日本人看護婦もチラッと映りましたが、関東軍の従軍看護婦や急ごしらえで集められた見習い看護婦になった開拓団の女性や満洲にあった企業のタイピストなども男性捕虜と一緒にシベリアに送られたのです。

こうした話も含めて富樫先生に「『記憶』としてのシベリア抑留ー女性の抑留体験者のオーラル・ヒストリーが持つ意味ー」と題してご講演頂き、併せて関連映像もご覧いただきます。会場の良心館RY107 はとっても大きな教室で、コロナ感染防止にはもってこいですが、できることなら貴重なご講演をひとりでも多くの方に聞いて席を埋めて貰いたいです。二宮和也さんのおじいさまがシベリア抑留経験者だったそうで、無事に帰国されたからこそ、今の彼の存在があるのですね。今朝の京都新聞1面トップは、防衛省がAIを活用して世論工作研究に着手したニュースでした。何だか戦前のような気配が漂ってきそうで。。。再び誤った戦争を繰り返さないために、何が事実としてあったのかを知ることが今は大切だと思います。

<ヒロシマ通信>に添えられていた文章によれば、映画『ラーゲリから愛を込めて』で取材協力に名前が挙がっていた「シベリア抑留者支援・記録センター」の有光さんは「シベリア抑留を正面から取り上げた劇映画は『異国の丘』(新東宝・渡辺プロ、1949年)、『ダモイ』(新東宝、1949年)、『私はシベリヤの捕虜だった』(シュウ・タグチプロ、1952年。筆者注:9月10日上映した作品)以来70年ぶりと思われます」と仰っていたそう。こうして映画化されて記憶が継承されるのは意味あることです。

さて、明日は<ヒロシマ通信>№1857の最初に載せて頂いた小津安二郎バースディ記念講演と上映会です。京都新聞12月3日付け京都新聞「まちかど」で催しの案内を載せて貰ったのですが、担当の方に「見出しに“映画監督”の4文字を載せて欲しい。今の人は小津安二郎と聞いても知らない人が多いから」と申しましたら、「小津さんの名前はいくらなんでも知っているでしょう」と却下されかかりました。案の定来館した二十歳ぐらいの方に尋ねてもご存じじゃなかったです。関心を持って当館に足を運んで下さっていても、です。新作上映も良いのですが、名作と呼ばれる巨匠たちの作品も繰り返し上映する機会が必要だなぁと改めて思います。

明日は立命館大学映像学部の学生さん4名が来て催しの記録撮影、それを編集して1~2週間以内に動画配信に取り組んでくださる段取りです。遠方で来られなくても、あるいは用事と重なって参加できない人も、配信日が決まり次第ご案内しますので、ぜひオンラインでご覧ください‼

今日届いた「全国小津安二郎ネットワーク」のメルマガでも明日の催し案内を再度載せて下さいました💖小津ネットの皆様の応援にも心から御礼を申し上げます。先ごろ10年に一度の企画である英国の「サイトアンドサウンド」誌が選ぶ「史上最高の映画100選」が発表され、小津監督『東京物語』が4位、同『晩春』が21位にランクインしていました。世界に誇る小津作品ですが、全54作品のうち、30本までが無声映画なのだそうです。そのうちの1作品で当館で発見された『突貫小僧』を手がかりに、新進気鋭の伊藤弘了さんがどのように話されるのか、興味津々です。当日受け付けもできますので、ご参加を心よりお待ちしております‼

 

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