2023.03.04column
3月4日、良い出会いが続きました💗
昨日のブログで大正時代、京都市北部で写真に夢中だった女性のことを書いたばかりですが、同じ写真繋がりの面白い出会いがありました。
「以前訪ねてきたときは閉まっていて見られなかったけど、今日は近くに来る用事があったので」とお越しいただいた男性が見せて下さった手作りカメラ。おしゃべりしている中で写真の話になり、取り出して下さいました。
手作りされたのは、京都市内のTAKAO MATSUOKAさん。カメラを手作りされたことに、まずはびっくりポン!凄いです‼他にも何台か作られたそうです。このカメラは小型ですが、ブローニーのロールフィルム(大判)を使用されているため、四角いフレームにとらわれることなく、レンズの持つ円形の世界に魅せられたのだそうです。
手作りカメラで撮影された作品の1枚。丁度今、展示している幻灯機のガラス種板のよう(下掲は『花咲爺』の1枚)。
ある日、MATSUOKAさんが手作りカメラで撮っていると、ブリュッセルから来日された人の目に留まり、「どんな写真を撮っているのか?」と声をかけられたのだそうです。手持ちの写真をご覧にいれたところ、「写真展で発表したのか?まだなら写真展で見せるべきだ!!!」と直ぐに言われたのだそうです。「発表したことがない」と伝えると、その男性は京都の事情に詳しいわけでもないのに、自ら写真展会場を探しに回られて。驚いたMATSUOKAさんはこれ以上男性に迷惑をかけるわけにはゆかないと考え、「会場を自分で探して、写真作品展を必ずするから」と約束。その時、件の男性は「写真展をしたら、次はブリュッセルで写真展をしよう」と提案されたのだそうです。松岡さんの写真のユニークさ、価値をいち早く見抜いて評価されたのですね。
そして2020年11月3~8日、河原町の「ギャラリーマロニエ」で最初の写真展。それをご覧になった方の提案で2021年3月12~17日、中京区のAMS写真館ギャラリーで2回目の展覧会、その後東京でも開催されたようです。今後ブリュッセルとニューヨークでも予定されています。カメラ作りは全て独学で、持っていたカメラを分解しながら仕組みを理解して試行錯誤しながら完成されました。普通は、フレームを通して被写体との距離を測りながら撮りますが、円形のまま撮っておられるのが面白いです。ファインダーがないのですが、レンズの画角とかを計算して距離を測り、経験値もあって「だいたいどんな仕上がりになるのかわかる」そうです。
私たちも一人ずつ撮って貰いました。自然なポーズで撮れるよう、声掛けも慣れたもの。ミュージアムに居合わせた女性も早速被写体になって、良い感じ💖 今夜「現像などで時間がかかりますから、気長にお待ちください」とメールが届きました。直ぐその場で確認できるデジタル写真と異なって、仕上がりを待つワクワク感が何ともいえないアナログの魅力ですね。
MATSUOKAさんには、写真の話だけでなく、自らの経験による運営についての助言も頂き、大いに参考になりました。MATSUOKAさんにとってブリュッセルからの男性との出会いと同じように、私たちにとっても今日の出会いはありがたいことでした。
そうこうしているうちに賑やかな4人グループが町家に。イスラエルからだと聞いて、早速世界地図にマーキングして貰いました。同国からの訪問者は初めて。
続けて来館いただいたのは、アメリカのサンタモニカからのカトリーン・スタブロさんとご主人のジョンさん。コロナ禍で海外の人と話す機会がめったになくなったこともあり、単語が出てき辛くシドロモドロでしたが、思いは通じたようで、ホッ。皆様、ようこそおいで下さいました。
そして夕方になってシネマ・プランナーズの寺井隆俊さんと岡本拓郎さんが来て下さって、いろいろと相談にのって貰いました。話をしているうちに、いろんなアイデアを提案して頂いたので、近頃しぼみかけるばかりだった気持ちが少し前向きに。連れ合いの教え子たち(V95 )に、今度は教わる側に回って、救われて。こうした縁にも感謝で一杯です。
今日は一日、良い縁に恵まれました。誠にありがたいことです。