2023.06.03column
友達の輪💗
今朝の京都新聞市民版に大きく、今開催中の紙フィルム展と、貴重なメディアである紙フィルムをデジタル化して保存するための専用機械とソフトを開発してくださったバックネル大学エリック・フェーデン教授のことが載りました。
早速記事をお読み下さった方から、明日の講演会の申し込みが相次ぎました。執筆して下さった記者さんだけでなく、紙フィルムに興味を持って下さった方々にも、本当に感謝の思いで一杯です。
他にも紙フィルムをお持ちの施設や個人コレクターさんにもお声がけしていますので、まとまれば、大げさに聞こえるかもしれませんが「人類の文化」の一つの財産として、塊で次世代に継承できるその一歩になったのではないかと思います。願わくば、これを読まれて本意を知って頂き、「うちにもあるよ」という方がおられましたら、ぜひお声がけいただければ大変に嬉しいです。
これは、2017年1月27日にエリック・フェ―デン先生とAssociated Kyoto Program(AKP)のメンバー、14人が来館されたときの記念写真です。この時が初対面です。写っていませんが、この時に通訳をされたのが、明日の講演会でも通訳をしてくださるエリザベス・アームストロング教授。この機械「きょうりんりん」開発プロジェクトのメンバーでもあります。それからの日々友情を育み、こうして紙フィルムのデジタル保存に協力して下さっています。バックネル大学の皆さんとの輪もコロナに負けることなくより大きく、強くなっています。
明日の発表をどうぞお楽しみになさって下さい‼
さて、今日も午前中の記憶に残った出会いを綴ります。
今井雄介さん。拙い説明を一生懸命聞いて下さいました。手にしておられるのは伊藤弘了さんの大好評を博した本『仕事と人生に効く教養としての映画』と次に紹介する小川孝雄さんの名刺。今井さんが「伊藤さんのこの本は、読んで大変面白かった。この2年で360本の映画を観た」と仰ったので、「それじゃ、写真を撮って、その感想を伊藤さんに送ろう」と提案したところ、さっと本と小川さんの名刺を手にしてレンズの前に。
傍に居合わせた岡山からお越しの「岡山映画祭」副代表で、「新しい『地域創生の物語』発見の会」のメンバーである小川さんが、今井さんの話を聞いて、「じゃ、僕もこの本を買って読もう」と仰ったので「えっ、本当ですか!丁度うちに1冊あるんです」ということで買って貰いました。「岡山への帰りに、早速読もう」と仰って💗
小川孝雄さん。ほぼ1年前の5月29日に来館いただいた岡山県金光町にある金光図書館職員兒山陽子さんが来館され、その折「内田吐夢監督のことを調べている団体がある」と教えて貰いましたが、この「新しい『地域創生の物語』発見の会」でした。本当は昨年8月8日に中島貞夫監督をお招きして、米寿の祝いを兼ねて親交があった内田吐夢監督について講演してもらう予定でいました。そのことは中島監督にも了解いただいていたので、兒山さんにもお話ししていたのですが、他にも米寿のお祝いの会が催されて叶わないままに。いつか実現できると良いのですが。。。
さて、小川さんとのおしゃべりの流れで岡山の友人仁科文秀さんの名前を出したら、「えっ!」と驚かれて。笠岡市議の仁科さんとは古くからの友人なのだそうです。仁科さんと私は福武書店(現・ベネッセコーポレーション)で一緒に働いていたことがあり、今もずっと交流しています。彼は福祉政策に大変熱心に取り組んでいて、変わらぬ優しいまなざしの活動を地域でやっておられます。「新しい『地域創生の物語』発見の会」は、福武教育文化振興財団の助成も受けています。
小川さんは3月26日京都府立文化芸術会館で実施した「下鴨映画祭」にも、主催者の尾上松之助遺品保存会松野吉孝さんの呼びかけで来場されていたのだそうです。岡山県で尾上松之助に関するイベントをされた時に、松野さん経由で当館の映像をお貸ししたことがありましたが、その受け手が小川さんだったことが分かりました。「岡山映画祭」を今ネットで検索したら、昨年13回目だったのですね。継続して映画祭を実施されていることも素晴らしいです。
で、小川さんが手にしておられるのが『近代日本のクリスチャン経営者たち』という本。話を聞いて感動したのが、石井十次という人物。孤児を1200人以上引き取って日本で最初に孤児院を作った人なのだそうです。その子たちがみせる楽しそうな表情を撮影した映像が残っているそうで、「日本で最初のドキュメンタリー映画ではないか」ともいわれているとか。その彼を支援したのは大原美術館創始者で倉敷紡績社長の大原孫三郎。もちろん、小川さんが手にしている本の中にも大原孫三郎が載っています。
面白いのは、「児童福祉の父」と言われている石井十次のところから500m離れた場所が、日本最初の映画スター尾上松之助が生まれた場所、そこからさらに500m離れたところが内田吐夢監督の生まれたところなのだそうです。いつか、こうした地を巡るウオーキングがあれば、ぜひとも参加したいとリクエストしました。
小川さんとのおしゃべりは尽きぬ面白さでしたが、それだけにとどまらず、「活動を少しでも応援したいから」と正会員にもなってくださいました。御心が嬉しいです。本当に良き出会いとなりました。
そして、今日のエリック先生は14本の紙フィルムをデジタル化して、今ホテルへ引き上げられました。私も明日の催しの準備をすることにしましょう!