おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2023.07.13column

オーストリアのナナさんと6年振り再会💗

今日は、オーストリアのウイーンからお越しのナナ・タイロさんと6年振りの再会。わざわざ訪ねて下さったことが嬉しくて、舞い上がってしまいました。おもちゃ映画ミュージアムのYouTubeで2017年2月8日に公開した「世界に1本だけのアニメ」に登場して下さったこと、よく覚えています。3人とも東京藝術大学大学院生で、真ん中のまゆみさんが、確か三好大輔さんの教え子。そのお友達ということで、フランスから留学中のマラン君とオーストリアから留学中のナナさんと一緒に来館。この時は、ナナさんショートヘアで、丁度節分のお面があったので、それを着けて日本文化のミニ体験も。三人とも良い笑顔です💗

その日、生のフィルムを小分けして袋詰めし、「世界に1本だけのアニメーション・フィルム」と銘打ち、販売してみようと商品を並べたところでした。「じゃ、やってみる?」と呼びかけたところ「やってみる!」三人とも応じてくれました。フェルトペンで連続した画を描き、それを手回し映写機にかけて、「世界に1本だけのアニメーション」を上映して楽しんで貰いました。YouTubeの動画https://www.youtube.com/watch?v=gQr3I7HoAQcは、その様子を撮影したもの。

今日ナナさんに聞いたら、その後このフィルムは3人で分けて、宝物にしているそう。ナナさんには、その時のことがとても強く印象に残っていて、「今度日本に行ったら、必ずおもちゃ映画ミュージアムへ寄ろう」と思っていてくれたそう。「手回し映写機を描いたトレードマークをよく覚えていたので、迷わず来れた」とも言って貰えて、デザインした連れ合いは、それを聞いて嬉しそう。東京藝大大学院時代は写真を勉強していたそうなので、年齢も近そうだし、ウィーンに住んでおられるのも同じだからと、つい先日帰国したばかりのアルマ・シャンツァーさんを紹介しました。きっと二人は気が合うと思います。

今は、アニメーションの作家をしながら、アニメーションフェスティバルTRICKY WOMEN とTRICKY REALITIESのコーディネーターもされています。TRICKY WOMEN は女性監督のアニメーション作品を見せる映画祭なのだそうです。8月の戦争と平和を考える催しで白石慶子監督のアニメーション『ホウセンカおじいちゃん』を上映するので、その連絡の折に白石さんにこの映画祭とナナさんのことを伝えたら、2017年TRICKY WOMEN で上映して貰い、ウィーンへ行かれたのだそうです。流石、白石さん‼

北海道の友達から頂いたお菓子を勧めたことから、北海道立文学館で開催中の小津安二郎展の話になり、「今の日本の大学生の多くは、小津安二郎を知らない」と話したら、「信じられない!!!」とびっくりした表情のナナさん。それに驚いた私は逆に「オーストリアの人はどうして小津監督のことを知っているの?」と聞けば、「だって、有名ですよ。文化に階層があるとすれば、オーストリアで一番上は音楽、映画はそれよりも下にはなるけれど、いろんな映画祭があり、世界中の古い映画も観ることができます。みんなネットで映画を検索して古い映画もよく知っているし、図書館で名作を観ることもできます」とナナさん。

「日本では映画は文化ではなくて、娯楽だと思っている。特に政治家はね」と連れ合いが話すと、ガッカリした表情がかえってきました。「どうして、このミュージアムを立ち上げたのですか?」と尋ねられて、「映画を大切にする文化がジワジワと広がっていけば良いなぁと願ってミュージアムを作ったけれど、実際には運営が大変なので、この先はコンパクトにしてやっていかないといけないと考えている。今新たな場所を探している」と伝えました。そうしたら、ナナさんは背筋を伸ばして「こういう大切なミュージアムを作って下さって、ありがとうございます。」と真っ直ぐに目を見て仰って下さいました。

来週には、ウィーンへ帰国するのだそうです。オーストリアのリンツの近くにピンでホームタウンをマーキング。

丁度お越しいただいたイタリアの女性は、パルマにマーキング。お二人とは、インスタで繋がりました。ネットを介せば世界は小さいですね。ようこそ、おいで下さいました。世界中の人がこうして繋がれば、「どうしているかなぁ」とお互いを思いやって、戦争なんかなくなると思うのに。。。

 

 

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