おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2023.08.09column

面白柄の着物

昨日の京都新聞の記事で目に留まった一つが、これ。京都の西陣織の会社が人気アニメ「機動戦士ガンダム」の場面をデザインした着物を販売するというものです。最近のマイブームは草原真知子先生に教えて貰った「面白柄」なので、これは現代の「面白柄」の一つとして興味深く思いました。商品の値段が張りますけれど、人気キャラクターを使用するので仕方ないのでしょうね。草原先生が当館の小冊子8『着物柄に観る幻燈・映画・映写機』(下掲)で紹介してくださったチャップリンや、ミッキーマウス、冒険ダン吉などのキャラクター、映画『嘆きの天使』など映画のポスターやブロマイド写真を着物柄に使った場合は許諾を得ていたのかしら?

着物柄に描かれた最近流行のもの、話題を集めている事柄を身に纏う喜び、「どう?私はこういうものを知っているのよ」という優越感はちょっと鼻高々だったことでしょう。

今は丁度、夏の高校野球大会の真っ最中。これは3月に骨董市で見つけた端切れ。兵庫の明石中学校VS中京商業学校の熱戦をデザインしたもの。さて、今年の高校野球は、どこが優勝旗を手にするのでしょう。

これは6月の骨董市で見つけた子ども用に仕立てた着物。戦時下の子どもたちが映画で「防空演習」の学習をしている様子も描かれていて、カタカナで「ソラヲ マモレ」と書いています。ある方に以前教わったのですが、戦時下では女文字とされる軟弱な“ひらがな”を使わずに、男らしい“カタカナ”で書いたそうです。さらに、ネットで調べたところ「戦時中は、国家総動員により教育状況が低下したため、漢字使用数を減らした」という意見もあります。子どもだけでなく、飼っている犬も、大人もみんな根こそぎ国家総動員して戦争に臨んだ結果の一つが、78年前の悲劇です。今日は“長崎原爆の日”。

再び、戦争柄が「身に纏うもの」などにデザインされないことを、心から願います。

 

 

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