おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2025.05.06column

ベルギーとイタリアからのお客様と愉快なひととき

昨日は大阪芸大の卒業生ご夫妻が「引っ越し前の所にも行きたかったけど、ようやく訪ねて来ることができました」と来館。V8の藤井誠さん。

奥様のにこやかな表情が良いですね。連れ合いとどんな懐かしい話を交わしたのかはわかりませんが、私は正会員の方が次々お越しくださってその方たちとのお話に夢中。引っ越しやクラウドファンディングでの返礼品発送、入力や書類作成などでバタバタしましたが、ようやく11日総会開催にこぎつけました。国内にお住まいでも遠方の方や、海外の方が4名おられますので、今年もzoomでの開催になります。

そうこうしているうちに、背が高いベルギーのブリュッセルからとイタリアのサンデーニャ島からの二人連れが来館。先の方は、ベルギー王立映画アーカイブのサイレントフィルムキュレーターで、今は上映プログラムを担当されているクリストフ・ピエットさん。後の方は、ドキュメンタリー映画とフィクション映画をつくっておられるロベルト・プリアモ・セキ監督。

ブリュッセルにマークするクリストフさん。

イタリアのサルデーニャ島に最初にピンでマーキングをするロベルトさん。ネットで検索したら、とっても美しい場所。行ってみたい‼

イタリアからはこれまでも多くの人が訪ねて来て下さいましたが、クリストフさんの所属を聞いたこともあり、上映されたことが判明している映画『祇園祭』に関する資料が残っていないか調べてほしいと依頼しました。ロベルトさんはお見せした『祇園祭』のチラシを見て、三船敏郎だとわかると目を輝かせていました。亡くなって何年経とうが「世界のMIFUNE」は健在です。

今年も秋のイタリアのポルデノーネ無声映画祭に二人とも行くそうですが、以前上映した『何が彼女をそうさせたか』を同映画祭でご覧になったのかもしれません。お気に入りの場所ということで、記念写真。クリストフさんが手にしている布バッグには、ブリュッセル生まれの映画監督シャンタル・アケルマンさんの写真がプリントされています。2022 年にイギリス映画協会(BFI)が10 年ごとに選出する「史上最高の映画100」で彼女の代表作『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』 が見事1 位に輝いています‼

おもちゃ映画のアニメーションをご覧になって、大声を出しながら拍手喝さいで喜んで下さり、紙フィルムや幻灯機などにも大いに興味を持ってくださいました。そして1階の和室に飾っていた「富士巻狩図」の一場面を描いた天鵞絨友禅「仁田四郎猪退治の図」にも目を止めてくださったのが、私的にはとっても嬉しくて💗場所が暗いためもありますが、今まで興味を持って見てくださった人の記憶がほとんどなくて…。日本画家今尾景年のお孫さん、景之さんから「天鵞絨織絵自体が希少なものであることは間違いないと思います」と言ってもらえただけに、覗き込んで見てくださったお二人の様子が何よりの喜び。

同時に、この難波春秋(しゅんじゅう)さん「中暮のあと」と題した日本画にも興味を示して下さって、再び喜ばせてくださいました。大正10(1921)年第三回帝国美術院大展覧会に出品された作品であることは、入手した当時の図録にも掲載されているので確認しました。「舞妓」の言葉はご存じじゃなかったですが、「芸者」の言葉を知っておられました。この言葉も国際語なのですね。

当館には、どうして来館されたのか質問しましたら、「先週、国立映画アーカイブを訪問したときに、京都が映画にとって重要な都市であることを知っていたので、この映画の痕跡があるかどうか知りたくて、どこを訪ねれば良いか岡田秀則さんに尋ねたら、おもちゃ映画ミュージアムを紹介された。それで、調べて来た」とのこと。またもや私、全身で嬉しさを表現しました。写真はお話しされたことを一生懸命メモしているところ。岡田さんにも紹介のお礼のメールを送りましたが、こうして実際に訪ねて来てくださったことが本当に嬉しい。

クリストフさんは、私どもが発行している小冊子1~9まで全9冊、ほかにも置いている本を購入し、王立CINEMATEKに置いてくださるのだそうです。こんな名誉なことはありません。これも欲しいと指差された冊子のうち、重複している京都映画祭、大阪アジアン映画祭のカタログ数冊を差し上げました。古川タクさんデザインの白Tシャツをクリストフさんが、大河内伝次郎主演「寄らば斬るぞ!」をデザインした黒のTシャツをロベルトさんが購入。小物もいくつか💗

ロベルトさんの提案で、玄関先で4人一緒の写真を記念に撮りました。

クリストフさんは知り合いの大学の先生宅へ、ロベルトさんはこの近くのゲストハウスを目指して、自転車に乗って颯爽と帰って行かれました。フランス語、イタリア語、片言の英語でお互い身振り手振り、スマホの翻訳機能を使いながらの会話でしたが、実に愉快な時間でした。

お茶目なところもあるクリストフさんは、「秋にはポルデノーネで乾杯しよう!」と身振りで表現。その時に今日買ってくださったTシャツ姿だとすぐに見つけられて良いなぁ。どうぞ、彼の地で再会できますように💗💛💚

 

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