2019.03.22column
チャンバラ遊び
春分の日の21日、往年の時代劇スターのファン3人が集まって和やかなひとコマ。左が市川右太衛門ファンの八木明夫さん。昨年2月24日~3月25日に八木明夫コレクション展「生誕111年市川右太衛門」をして、講演もして貰いました。中央が林長二郎(後の長谷川一夫)ファンの岩本浩明さん。2016年4月16日活弁士の坂本頼光さんをお招きして「無声映画の昼べ」をした時、林長二郎が出演する『黒手組助六』を上映することになり、岩本さんのご協力で長谷川一夫展をしました(下掲写真)。
そして、1枚目の写真の一番右に写っているのが嵐寛寿郎ファンの眞尾不二男さん。本当なら昨年12月8日に嵐寛寿郎生誕115年を記念して眞尾さんのコレクション展をしようと思っていたのですが、体調を崩されて見送りました。久しぶりにお会いしたらお元気な様子なので、安堵すると同時に、いつか改めて実現できたら良いなぁと思います。
時々こうやって、当館をコレクター同志の情報交換の場に利用して下さっているのは、とても嬉しいですし、良い眺めです。好きなことで気が合う仲間とおしゃべりできるのは、気晴らしになります。時代劇ファンが年々少なくなっている今日では、貴重な場なのかもしれません。もし、時代劇がお好きだけれど、話し相手がいないとお嘆きのお知り合いがおられましたら、お繋ぎしますからご連絡ください。
日本文化を学ぶために全米から集まった留学生たちAKPとKCJPの指導をされているバックネル大学准教授のエリック・ファデンさんは、今日も紙フィルムのデジタル化に取り組んでくださいました。前回の成果は『猿飛佐助漫遊記 江戸の巻』(上巻)。
映画フィルムはモノクロの時代ですが、紙フィルムは印刷なのでカラーでも楽しめました。いつかエリック先生のデジタル化した成果を披露する場を設けられたらと思っています。錦影絵に写し絵に、とエリック先生の好奇心は全開です。
そこに、玩具の刀を手にした4人の小学生が「見学したい」とやって来ました。今では外遊びをする子どもたちも少なくなり、ピコピコと端末を手にして遊んでいるのだろうと思い込んでいましたら、昔懐かしい刀で、チャンバラごっこ遊びをする元気な子どもたちがいたんだ!!と嬉しくなりました。
ミュージアムに近い朱雀第一小学校の4月から6年生になる「たつき君」「かづき君」「ひろと君」「けいご君」。でも彼らは「チャンバラ」という言葉を知りませんでした。
それで、今度はおもちゃ映画を見てもらいました。
興味津々に手回し映写機でフィルムを回して見入っています。左から二人目の子が持っているのは銃の玩具。やはり男の子ですね。はしゃぐ子どもらの声に誘われて、エリック先生も作業を中断して楽しそう。
で、彼らが手回しの映写機で見ているのは、刀を手にした忍者のアニメーション。2017年にアニメーション作家の古川タク先生に、直接フィルムにマジックで描いてもらった『なまくら力 忍者編』です。「30日14時半から、フィルムに絵を描いてアニメーションを作るワークショップをするけど、やってみたい?」と尋ねたら4人とも「やってみたい!」とすぐ返ってきましたが、材料費500円(小学生は入館料無料)が必要なので「家に帰って相談してみる」と彼ら。
朝日放送「ビーバップハイヒール!」をご覧になって、昨日お越いただいた朱雀中学の先生も、この映写体験を大変に面白がってくださったので、「漫画が上手い、アニメ―ションが好きという生徒さんがおられたら、ぜひワークショップをご紹介ください」とお願いしました。実際に体験すれば、面白く思うはずなのですが、そこに至るまでの道がまだまだで…。これをお読みになって「勧めてみよう」と思われた方は、ぜひご協力をお願いいたします。ちなみに中学生なら入館料300円と材料費500円が必要です。動画を撮影できるカメラ持参もお忘れなく。
昔のアニメーションを観たあとで、光学玩具なども体験。今日お見えになった大学で映像史なども教えておられる先生は「実際に触って見られるので良かった」とおっしゃってくださいました。デジタル全盛の今日、アナログだからこそ分かるアニメーションの原理。子どもたちの学びの場にもっともっと活かせてもらえたらと願っています。