おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2018.03.14infomation

4月1日、宮川一夫生誕110年記念イベント「映画の天使」のご案内

今年4月に、ニューヨークのジャパン・ソサエティー、近代美術館(MoMA)、フィルムフォーラム(ニューヨークで唯一の非営利の映画館)などで、名カメラマンとして世界に誇る宮川一夫先生(1908年2月25日~1999年8月7日)の回顧イベント「Kazuo Miyagawa:Japan's Greatest Cinematographer」が開催されます。

3月11日にジャパン・ソサエティー広報が発表した内容が、シネマトゥディに掲載されました。それによると、4月6~12日にフィルムフォーラムで、4月12~29日にMoMA、4月13~28日にジャパン・ソサエティーで、1943年稲垣浩監督『無法松の一生』から1977年篠田正浩監督『はなれ瞽女おりん』まで34年間にわたる代表作27作品を上映するそうです。

挙げられているのは、小津安二郎監督『浮草』、黒澤明監督『羅生門』、稲垣浩監督『無法松の一生』、森一生監督『ある殺し屋』、池広一夫監督『座頭市千両首』、市川崑監督『東京オリンピック』、三隅研次監督『鬼の棲む館』、増村保造監督『刺青』、溝口健二監督『赤線地帯』など。

ご覧になってお分かりのように、宮川先生は、名だたる監督たちとコンビを組み、多彩で洗練された撮影方法で支え、日本映画の黄金期を形成した名匠の一人です。MoMAが一人の映画カメラマンを特集するのは極めて異例なこと。91歳でお亡くなりになるまでに、公私にわたってお世話になった者として、先生の作品が特集上映されることは大変嬉しく、誇りに思います。

これは、ジャパン・ソサエティーの4月行事カレンダーに掲載された宮川先生の特集ページ。カラー写真5枚、6頁にわたって紹介されています。最新情報はjapansociety.org/filmでご確認ください。

そこで、当館でも宮川先生生誕110年を記念して、ドキュメンタリー映画『映画の天使』(2000年)上映とトークイベントを開催します。ゲストに本作品を監督した高岡茂さんをお招きします。1989年夏、京都にあった朝日シネマで、宮川先生と映画評論家の淀川長治さんが対談された時の様子を記録したものです。映画のタイトルは、この二人を見たドイツの映画監督ヴィム・ヴェンダースさんが、「映画の天使!」と呼んだことに因みます。

腰を据え、重厚で流麗なカメラワークとして知られている宮川先生ですが、この作品に写っているのは、必死とも思えるひたむきさで、俳優たちの周りを動き回り、カメラ・ポジションを探し続ける仕事姿。感動的です。

後年、アメリカに招待され、講演された折のノートに、次の文言が、一字一字大きく丁寧に書かれています。

「最近の映像技術が光学系、電子系、さらにハイビジョンと、次から次と高度に進んできますが、映画のイメージはこうしたメカの操作だけでできるものではありません。機械がどう高度なものに進んでも“映画は人間が創るものです”“人間が心を込めて作り出すものです”特に、撮影現場では“こまやかな手仕事が大切なんです”…」。

映画の原点は、人の心に訴え感動させる映像です。デジタル技術が高度化して、誰でも手軽に撮れる時代ではありますが、今一度本作品を見ながら、宮川カメラについて、皆さんと一緒に熱く語りましょう‼

お席に限りがありますので、できるだけ事前予約をお願いいたします。終了後に交流会(500円)もございますので、こちらも、ぜひどうぞ!皆さまのお越しを、心よりお待ちしております。

 

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