おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2025.08.11column

「日本SF漫画の元祖」阪本牙城が描いたタンクタンクロー展、そして特撮専門誌「宇宙船」編集・ライター聖咲奇さんの訃報

毎日欠かさず平和に関する通信を送ってくださる東京の竹内様から、今朝届いた通信の1枚が上掲の「タンクタンクロー展」の紹介でした。東京都立川市にあるたましん美術館で、9月28日まで開催中だそうです。さっそくネットで検索してみました。こちらのサイトで展覧会について載っています。

当館には製作年、作画監督不詳の戦前のアニメーション『タンクタンクロ突進隊』があります。

家庭用のおもちゃ映写機を作っていたライオンから発売された「おもちゃ映画」(35㎜)で、2分の長さがあります。日本が中国へ侵攻していた時代につくられたプロパガンダ・アニメーションのひとつです。キャラクターの「タンクタンクロー」の名前こそ知っていましたが、この生みの親「阪本牙城」については不勉強で、今回の竹内さんの通信で知りました。

今NHK朝ドラ「あんぱん」に手塚治虫をモデルにした人物が登場していますが、手塚の『鉄腕アトム』(1952年)よりも早い1934年に「タンクタンクロー」は誕生しているのですね。「日本SF漫画の元祖」と言われているそうです。当館の上掲アニメーションでは、北支に侵攻したタンクタンクローは翼が生えてプロペラ飛行機になり、丸い穴から傘を取り出し、矢を放ち、刀を取り出し、最後には縄を取りだして相手を縛ってやっつける大活躍ぶり。当時の小国民の皆さんは家庭でこの映像を観ながら拍手喝さいをして、日本の勝利を信じていたのでしょう。絵が上手だったことから、満蒙開拓では旧満州開拓局の広報担当も務めた阪本でしたが、人生観が一変した戦後は、本名の「阪本雅城」に戻し、禅に熱中したそうです。今回の展覧会では、「タンクタンクロー」の原画や、深い精神性をたたえた水墨画などが多数展示されるとのこと。近ければ見に行くところなのですが…。

阪本牙城(雅城)が「日本SF漫画の祖」と言われている繋がりで、今年8月1日にお亡くなりになった聖 咲奇さんのことを。

2017年4月13日に来館いただいたときの写真です。右が、国内外のSF・特撮作品のムーブメントを作り出した聖 咲奇さんです。一緒にご来館いただいたのは、SF怪奇映画資料蒐集家の畑中ヨシオヲさん。この時の様子は、こちらで書いています。時折、弟さんの竹田章作先生からお話を伺うこともあり、いつかまたお会いする機会があるだろうと楽しみにしていただけに、訃報をXで知って、大変驚きました。

章作先生によれば、「ここ数年がんの手術などで入退院を繰り返していましたが、今年の春から調子が急に悪くなり、7月に入院して緩和ケアを受けておりました。最後は仲間に見送られながら宇宙船に乗って旅立っていきました」とのこと。「宇宙船に乗って旅立って」が聖さんらしいですね。再会は叶わなくなって、とても残念ですが、お会いできたことを光栄に思っています。

心より、ご冥福をお祈り申し上げます。合掌

 

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