2026.10.27column
10月2~9日オランダとイタリア訪問(3)
3日夜にイタリアのポルデノーネに入り、4日上映、5日鑑賞、そして6日朝に出発してボローニャに向かいました。その間に旧交歓談。

ポルデノーネに入って最初に声をかけて下さったのが、映画祭専属のカメラマン、Valero Grecoさん。2日渡欧できなかった私は、関空から戻って直ぐにfacebookで「お友達の皆様へ」と英語の投稿をしてお会いできない事情を書きました。そして「語学ができず耳も遠い連れ合いが困っているのを見かけたら『こんにちは』と声をかけ、サポートして下さったら嬉しいです」とお願いしました。グレコさんから返事が来て「米男を見かけたらすぐに『こんにちは』と声を掛けます。そして、一緒に来られなかった文代のために出来るだけたくさんの写真を撮ります」と書いて励まして下さいました。帰国した連れ合いは「真っ先にグレコさんが『こんにちは』って、声をかけて下さった」と報告し、約束通り、グレコさんは沢山の写真を撮って送ってくださいました。海を越えた彼の思いやり、やさしさに胸がいっぱいです。
グレコさんはボローニャの出身で「この仕事がなければ、一緒に行ってボローニャの町を案内するのに」とまで言ってくださいました。フィルムアーカイブ関係の友人も多く「次は文代と一緒にボローニャで会いましょう」と声をかけて下さいました。
27日「ユネスコの世界視聴覚遺産の日」、彼から吉報が届きました。彼が撮ったボローニャ復元映画祭2026での写真が、今年の公式イメージとして選ばれたのだそうです‼良かったですね㊗㊗㊗

『おもちゃ映画で見た日中戦争』上映に際し、東奔西走して助けて下さったジョアン・ベルナルディ先生。この夏ロチェスター大学教授を退職されました。長い間お疲れ様でした。最後の最後に手間のかかる仕事をお願いして申し訳なかったですが、彼女の協力なしには成し得なかったことで、深く深く感謝しています。

そして、いつも私のfacebookの投稿なども気にかけて下さっている優しいPedro Lãさん。この映画祭の前にはパリで開催中の日本時代劇特集にも出かけて下さったりと、世界中のいろんな映画祭、映画アーカイブの現場にマメにお出かけなので、いろんな知識が溢れんばかり。幅広いネットワークをお持ちです。いつもにこやかでお顔を見ているだけで心がほっこりします。
27日世界視聴覚遺産の日の彼の投稿で、ポルトガルのリスボンには国立アニメーション博物館があることを知りました。記念上映会で1931年に制作され、シルエット技法を用いたポルトガル初のアニメーション映画とされる『ミラガイアの伝説』(A LENDA DE MIRAGAIA)が上映されたそうです。数十年間行方不明とされていたこの作品は、近年再発見され、ANIM(ポルトガル国立アニメーション博物館)のアーカイブに収蔵されたということです。

昨年5月に来館いただいて以来交流があるベルギー王立シネマテークで活躍されているChristphe Pietteさん。驚いたことに20日ミュージアムを訪ねて下さり、23日夕方に再訪して下さいました。24日には出町座の「シャンタル・アケルマン小特集10/23~29」のスペシャルトークに登壇されました。彼との再会がとても嬉しかったので、別に書くことにします。

そして、スイスのGary Carrelさん。ゲイリーさんも昨年のポルデノーネ無声映画祭が終わってまもない11月6日と1月9日に再会できて、本当に驚きました。

昨年ベネチア飛行場迄一緒に帰ったイギリスのハープ奏者、Elizabeth-Jane Baldryさん。ギュンター・ブーフヴァルトさんのお友達。一幅の絵のようで素敵ですねぇ。直接再会の喜びをお伝えしたかったです。この美しいハープはヴェルディ劇場備え付けらしいです。

ギュンター・A・ブーフヴァルトさんとは1997年『何が彼女をそうさせたか』以来のお付き合いです。ピアノとヴァイオリンを弾く二刀流の演奏者。ポルデノーネ無声映画祭ではマスタークラスの指導もされていました。

その一環の写真かもしれません。グレコさんが送って下さった中に、こんな楽しそうに演奏するギュンターさんの写真もありました。昨年は一緒に食事もして楽しい時間を共有できましたが、その楽しさは来年1月までお預けということで♪

そして、切符の手配やホテルの予約などで助言を下さり、大いに助けてもらったオランダのフィルムアーキビストBin Liさん。本当に親切で優しい人。映画祭の大きなポスターの前で記念の一枚。


ジョアンさんは、早速プレゼントした新作Tシャツを着て下さって嬉しい💗この日の連れ合いは、コンセントをショートさせたりしてオロオロしたらしく連絡がありませんでしたが、Bin Liさんが私を安心させようと、舞台に立って挨拶をしている連れ合いの写真を送って下さいました。
無事に上映できたとわかり安堵しました。

ポルデノーネ無声映画祭は45回目の誕生日を迎えました。ディレクターのJay Weissbergさんは、昨年私たちの渡航費用を援助して貰えないかイタリア大使館に依頼の手紙を書いて下さるなど思いやりと行動力に満ちた格好良い紳士です。上映後に連れ合いはジョアンさんと一緒に昼食を誘ってもらったようで、今年私どもの作品を上映していただく夢を叶えて下さって感謝でいっぱいです。彼は「ポルデノーネ無声映画祭が、古い映画の発掘や復元という作品の上映だけでなく、古い映画であっても、それらが今にも生きている」と、評価して下さいました。
「日中戦争というアジアの局地的な出来事ではなく、欧州の列強には悲惨だった第一世界大戦の反省から覇権主義や帝国主義をやめ、各国間の安全保障や軍縮を考える世界最初の国際機関であった国際連盟を創設しました。それにもかかわらず、ドイツ・イタリア・日本は覇権主義をやめず、第二次世界大戦に繋がっていきました。日英同盟を締結して第一次世界大戦でドイツと戦った日本が、どうして友好国であった米英と戦うようになったのかがわからずにいました。『おもちゃ映画で見た日中戦争』は、日本の大正から昭和にかけての歴史の移り変わりを、決してアジアだけの流れにとどめず、世界的な視点で描いていました。それだけでなく、『戦争や武力による政治解決が、多くの犠牲と悲惨な結末しか残さないことは歴史が証明している』と訴え、『歴史を変えることはできないけれども、歴史から学び、二度と同じ間違いを繰り返さないようにしよう』という願いが伝わりました。戦争や紛争が絶えない今の時代だからこそ、この映画に込めた意図の重要性が伝わりました」と言って下さいました。
映画祭のカタログ編集時になって、急遽「この映画で使った映像リストも全てカタログに残そう」とジェイさんが提案してくださったことは、『おもちゃ映画で見た日中戦争』に込めた意図を最大限に理解して評価してくださったものと受け止めました。嬉しかったです。

ヴェルディ劇場への入場を待つ長蛇の人々。昨年はあの壁面に、紙フィルムが上映されたのを見て凄く嬉しかったのを思い出しました。

無声映画を愛する人々が、世界中から集まって年に一度の再会を喜び合う様子は良いものですね。グレコさんの素敵な写真とともに、この素晴らしい眺めがこれから先もずっと続きますように。
今、映画祭スケジュールを見返すと、2日は20時45分~▼3日は14時15分から、最終プログラム開始は21時▼4日は9時から、最終プログラムは22時半から▼5日は9時から、最終プログラムは21時から▼6日は9時から、最終プログラムは23時から▼7日は8時45分から、最終プログラムは23時から。この日21時から日本の活弁チーム登壇▼8日は9時から、最終プログラムは23時から。この日10時半から活弁チーム登場▼9日は9時から、最終プログラムは21時から。この日も16時15分から活弁チーム登場▼10日は9時半から、最終プログラムは21時から▼11日は16時半からスペシャルイベント。と鑑賞するにも体力と集中力が必要ですし、演奏者たちもさぞかし大変だったろうと思います。オンライン鑑賞もできたようですので、関心がある方はwww.giornatedelcinemamuto.it をクリックしてみてください。日本の活弁チームには連日大きな拍手が送られました👏👏👏 皆様お疲れ様でした。


