おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2020.12.30column

12月26日、無事に「米寿記念福住富雄名作映画ポスター展」を終了しました‼

10月28日~12月26日まで、およそ2ヵ月間にわたって、福住富雄さんが描かれた名作映画ポスターの数々と新聞連載記事の挿絵の数々をご覧頂きました。

福住さんは、もともと大映京都撮影所の美術課で背景などを描く仕事をされていました。大映が倒産後、別の仕事をされていた時期もありましたが、1993年、家からほど近い京都アスニーで開催されていた「金曜・土曜映画懇談会」にご夫妻で参加。丁度懇談会100回目の記念の時でした。映画に関することで、何か社会に役立ちたいと思われて、自身から上映作品の宣伝ポスターを描くのことを提案されました。

今回の展示では、それ以降手掛けた数多くの作品を壁面には実物を、ファイルには縮小印刷した膨大な数の作品を入れて、懐かしい国内外の名作映画を楽しんで頂きました。

そして、期間中も展示していた上掲の額装した作品を寄贈していただきました。誠にありがとうございます‼

28日ご自宅に作品をお返しに行き、そのまま保管しておられるロッカーまで持って行きましたが、堆く積まれた額装ポスターを入れた段ボールを見上げながら、本当に一人でよく頑張られたなぁと思うと同時に、これらの作品を相応しい場所で保存して下さったらいいと願わずにはおれませんでした。

病気で寝たきりに近い奥様のお世話と、自身も目や耳や足が不自由になっておられて、老老介護の実態を目の前で見せてもらっているようでした。お嬢さんは離れて暮らしておられ、しかもお姑さんの介護をされているので、気易く頼むわけにもいかないのだとか。11月21日にご覧頂いた映画『あんたの家』は、老老介護に貧困とストーマが重なった厳しい一面を見せていましたが、私どもも年々の老化を実感する状況なので、決して人ごとではないと思いながら見ていました。

菅首相は所信表明演説で「私が目指す社会像は『自助・共助・公助』そして『絆』です。自分でできることは、まず自分でやってみる。そして、家族、地域で互いに助け合う。その上で、政府がセーフティーネットでお守りする」と述べて、自己責任や家族の役割を強調して、大ブーイングが起きました。為政者には、このコロナ禍で仕事を失い、住む家も失った人が沢山おられ、自殺者が急増している現実があることを直視して欲しいです。ごく一部の富裕層におもねるのでは無く、圧倒的多数の生活弱者に目を向けて民を救う政治をいまこそ前面に打ち出して欲しいです。

絵を描くことが好きな若者が、全盛期だった映画の撮影所でその好きなことを仕事にして活躍し、老後に世の中の役に立とうと映画の宣伝ポスターを描いて貢献してこられた福住さんを見ながら、「自助」ばかりを強要するのはなく、安心して人生の最晩年を過ごせる世の中になって欲しいと願わずにはおれません。国民が汗して働いて収めた税金を、自分たちの都合の良いように湯水のごとく使っておいて、なんら恥じない政治家はいりません。

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