おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2022.01.22column

ロシアからの素敵なお客様💖

強い冬型の気圧配置になった昨日は、京都市内でも雪が積もり、夕刊によれば午前10時現在で14㎝の積雪を記録して、観測史上10位。積雪が10㎝を越えるのは5年ぶりなのだそうです。Facebookで知り合いらが載せている京都市内の写真は、どれもみな水墨画のように美しいものばかり。

こんな寒い日に来館される人はおられないだろうと思っていましたら、才色兼備の女性がロシアから訪ねて来てくださいました。ご両親はロシア出身で京都市内の大学でロシア語を教えておられるので、お正月を共に過そうと来日。日本で育ったそうで話される日本語がまた、美しい。

フィオードロワ・アナスタシアさん。大変聡明な方でした。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程、全ロシア国立映画大学博士課程、日本学術振興会特別研究員PD、イエール大学客員研究員を経て、モスクワにある国立研究大学高等経済学院東洋学・西洋古典学研究所准教授。専門は映画史、日露文化交流史研究だそうです。いただいたメールによれば、現在の職につかれる前は、京都大学を拠点に亀井文夫監督や、日本とロシアの映画交流を中心に研究を進められ、その成果を纏めた本をミュージアムに送ってくださるそうです。届きましたら、改めてご紹介しますね。

日本語がお上手なのを良いことに、ペラペラおしゃべりし、挙げ句に力を貸して欲しいとあれこれ依頼までしてしまいました。その一つが映画やバレエになった『祇園祭』について。モスクワなど旧ソ連での上映に関して、喜んで調べてくださるとのこと。とてもありがたいです。

来館されたのは留学経験があるアメリカのイエール大学アーロン・ジェロー教授の勧めだそうです。ジェロー先生には本当にいつもお世話になりっぱなしで、今回のご紹介も大変に嬉しいです💝アナスタシアさん自身も、学生さんたちに当館のことを紹介してくださっているのですが、ご自身ではまだ見学されていないこともあって、「ロシアに帰国する前に」とご多忙の中、時間を割いて足を運んで下さいました。

手回し映写機の体験もして頂きました。奥に掲示しているポスター『何が彼女をそうさせたか』(1930年、帝キネ、鈴木重吉監督)は、モスクワの国立ゴス・フィルムフォンドに残されていたフィルムをもとに、連れ合い等が復元した作品ですが、そうした事情もよくご存じでした。前述の映画『祇園祭』にも以前から興味を持っておられて、京都文化博物館でご覧になったこともあるそうです。

ロシアからのお客様に出身地をピンでマークしていただくのは、昨年5月14日に来館されたサンクト・ペテルブルグからお越しのポリーナさんに次いでお二人目。アナスタシアさんにそのことをお伝えしたら、「モスクワの学会で一度お会いしたような気がする」とのことで、びっくり。

実際はもう一人、日本人と結婚された女性がご家族と一緒に来館されたことがありましたが、その時は世界地図をまだ用意していなかったようで。。。でもその方には、“カスチョール”(ロシア語で“たき火”の意)の会を運営されている田中泰子さんとお嬢さんの友子さんに貰ったロシアの絵本の塗り絵を差し上げました。「よく知っているお話だ」と言って、懐かしそうにご覧になっていたのを覚えています。

アナスタシアさんにも、“カスチョール”の会の印刷物をご覧に入れましたら、「良く知っています。母はレニングラード大学時代に、田中泰子さんの授業で学びました」と仰ったので、「まぁ、なんと世の中は狭い」と驚きました。が、それだけではなく、あの人も、この人も、という具合に共通の知り合いが何と多いこと‼まさに、びっくりポン!の連続でした。

この次日本に戻ってこられるときに、ぜひロシアの映画事情について講演して欲しいとも要望しました。おそらく今年の年末に。その時は田中泰子さん、友子さんにもぜひお越し頂いて、和やかで充実した催しにしたいです。

その時は、田中泰子さんに教えて貰って以降ずっと夢見ている映画『森は生きている』を上映したいです。できれば木村荘十二監督の作品で。どこかに保存されていませんでしょうか?

ともあれ、正月早々、素敵な楽しみがまた一つ増えました‼

【1月26日追記】

今日の京都新聞ホーム面に、田中友子さんの記事が載っていました。アナスタシアさんはもうロシアに戻られたのかしら?彼の地でも読んで貰えるよう記事をupしました。最後あたりに友子さんの「ロシアの人々は、家族や友人、通りすがりの人も含めて人との交流を大切にしていましたが、それは人生の栄養であり、醍醐味なんですね」の言葉に頷きました。私も佳い出会いを味わうことが出来ました💖

 

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