おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2022.06.26column

京都アンティークフェアの掘り出し物

毎回開催を楽しみにしている京都アンティークフェア@パルスプラザ。昨日と今日、連れ合いと二人、交代で会場を覘いてきました。

これは、国史名書刊行会編集で、昭和18年2月20日東京の省文社発行、配給元は日本出版配給㈱の『大東亜決戦画集』。描いたのは、松添健、飯塚羚兒、加藤たかし、木村白山、鈴木御水、山川惣治、伊藤幾久造、梁川剛一、樺島勝一、古嶋松之助による全40作品。

『おもちゃ映画で見た日中戦争』の中で使ったアニメーションの一つに木村白山が乃木希典将軍率いる日本軍がロシア軍を破った日露戦争を描いた『日の丸は輝く 突撃』があります。ご覧になった方の多くに強く印象に残ったプロパガンダ・アニメーションです。アニメーションを見ていても絵がうまいなぁと唸りますが、戦争画家としての絵も上手です。この画集では9作品を手掛けています。

この画集と、木村白山については、2018年9月9日に開催した「木村白山って、何者?」の時に、千葉工業大学の河田明久先生からお話ししていただきました。

河田先生も加藤たかしの画力と対比して白山について語っておられますが、加藤の方が人物描写が上手です。どの加藤の絵も巧みです。加藤の絵は14作品。この絵のタイトルは「香港要塞に肉弾の突撃」。

もう一人、漫画「正チャンの冒険」で知られ、細密なペン画でも知られている樺島勝一は3作品描いています。

昨年2度にわたって展示した「ペン画でよみがえる尾上松之助最晩年『忠臣蔵』展」の時に、きっと15歳の芹川少年が参考にしたであろう樺島勝一のペン画もご覧いただきましたが、こうした絵をみていると本領発揮ですね。上手いです。

せっかくなので、この『大東亜決戦画集』は、8~9月の「『シベリア抑留』って、知っていますか?」の時にご覧いただくことにしましょう。

次の掘り出し物は、画家の人が所蔵しておられたという立体ビューワー。

ちょっと壊れていたのを直して、早速覗いてみました。

電気コードの差込口に「K.K.HIROTA DENKI」とありますので、日本で作られたブリキ製かと。

今覗いていたのは、この写真。おそらく1910年代のもの。写真の裏には「PEEPS INTO MANY LANDS」と印刷され、この写真も含む下記5作品は、その36シリーズのようですが、裏に番号が振ってあって、一番大きな数字が№34ですから、他にもたくさん立体写真が用意されていたのでしょう。

インドやエジプトのアレキサンドリアで撮影した立体写真。ロンドンにあるキャバンダ―社アーミークラブ発行のシガレットカード。レンズが小さいので見にくいですが、辛うじて立体写真が楽しめます。当時としては異国風景や風俗が分かって面白かったでしょう。この立体写真を見ようと元の持ち主が手作りされたのかもしれませんね。シガレットカードは煙草のパッケージにオマケとして封入されていたカード(トレーディングカード)のようです。

そして、私は、古材を用いておじさんが手作りした飾り棚。箪笥の取っ手にひもを通して上から吊るせば、また異なる面白さがあるかと。おまけに子犬の人形を付けて貰いました。触るとこの尻尾はブルンブルンと動いて、更なる可愛らしさ💗しばらく出窓に飾りますので、会いに来てくださいね。あとは、戦場を描いたハガキです。これも、8月の時に飾りましょう。会場のあちこちから中国の人がお店の人と交渉している声が聞こえました。円安が急激に進んで、海外の人にとっては安い日本、今がお買い得なのでしょうか。。。

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