2024.03.21column
京都新聞に当館所蔵100年前のパリ五輪映像について大きく掲載!22日に上映します‼
3月20日付け京都新聞地域総合面に、当館が所蔵する「第8回パリ五輪」の映像について、映っている画像3枚を用いて報道して頂きました‼
そして、最初にお詫びします。
上掲写真に「挨拶するクーベルタン男爵」とありますが、どうやら誤りだったようです。この記事を添えて正会員でもある北海道大学准教授の﨑田嘉寛先生に「今回上映する映像について何か気付きがあれば教えて欲しい」と依頼しましたところ、最初に指摘して下さったのは、クーベルタン男爵ではなく、1924年パリオリンピックの事務総長・実行委員長だったComte Claryかも知れないとのことでした。もう一度見直すと、字幕一番上に確かに彼の名前がありました。けれども翻訳して貰った文章にこの名前が漏れていたので、1925年までIOCの会長だったクーベルタンのことだと思い込んで記者さんにお伝えしてしまいました。誠にお粗末で申し訳ないことでした。
昨日はIOCの依頼でオリンピックの映像を復元しておられる専門家のエイドリアン・ウッドさん(OWL Studio㈱代表、写真中央)に久々にお会いする機会があったので、この記事を見せながら尋ねましたら、ウッドさんも「クーベルタンとは違うような」と仰っていました。ウッドさんは、15年前に1924年パリオリンピックの記録映像を35㎜フィルムで修復済みだそうで、「今は確認できないが、オリンピックの映像を見るチャンネルがあるから後日連絡する」と仰ってくださいました。当然のことではありましょうが、ちゃんとIOCには100年前の記録が残っているのですね。とはいえウッドさんは「パテ・ベビーの映像には、35㎜にはなかったシーンがあるかもしれない」と関心をもってくださいました。
﨑田先生には、以前研究に役立てて下さればと22日に上映する映像を送っていました。それで、今回上映する映像を初めてご覧になる方向けに見所を教えて貰いました。
・ラグビーは、オリンピックで行われた15人制ラグビーの最後のようです。その後、2016年から7年制が開始されます。その間、長い間ラグビーは行われていなかったのですね。
・サッカーは、ウルグアイが優勝していて、ヨーロッパ以外のチームが初優勝しています。映像にはスイスの選手が、マラドーナの神の手を彷彿させるシーンがあります。
・1924年パリ大会に日本選手は19名参加。残念ながら映像には映っていませんが、「日の丸」(或いはそれらしきもの)が2回ほど出てきます。後に第1回冬季オリンピックと承認されたシャモニーの部分にも2回出てきます。
・そのシャモニーの映像には、特徴的な衣装を着た選手(ノルウェーのオスロ出身女性フィギュアスケート選手で、1976年世界フィギュアスケート殿堂入りしたソニア・へニーか?)が出てきます。
・スロー映像もありますので、100年前の選手の躍動する動きを感じて貰えればと思います。また、競技会場や選手の服・靴・用具の今との異同をお楽しみください。
とのことでした。こういったスローの映像は、35㎜で記録された本編のパリオリンピック映像にもあるのかしら?
急な問いかけに快く応じて下さった﨑田先生にお礼を申し上げます。ダメもとで、パリでオリンピックが開催される8月に、何か研究発表をして頂けないかとも打診しましたところ「戦前のオリンピック選手の映像を動作分析した結果などを報告できるかもしれない」と前向きな返事を頂きました。このことにつきましては、具体的に決まり次第、改めてご案内しますね。
再度、明日22日19:30~20:30に旧伴家住宅(カンデオホテルズ京都烏丸六角レセプション棟2階)で上映する「第8回無声映画(演奏収録版)上映会」のチラシを掲載します。最近気温が低いので、温かい服装でお越しください。皆様のご来場をお待ちしております‼