2024.08.03column
ハーバード大学のサマースクール
7月22日アメリカのハーバード大学のサマースクールを当館でも開催して頂きました。ライシャワー日本研究所所長の栗山茂久先生、東方語言文明系教授のアレックス・ザールトン教授(スクリーン手前右から2人目)とジェームズ・ロブソン教授(スクリーン手前右端)と学生さん14名、そしてプログラム・コーディネーターのMayako Liuさんには何かとお世話になりました。
当館の活動内容を紹介した英語字幕付き映像をご覧頂き、その後館長が具体的に説明し、ザールトン教授が随時通訳して下さいました。
続いて『おもちゃ映画で見た日中戦争』を見て貰いました。昨年9月にコロンビア大学で松村牧亜さんのピアノ演奏付きで上映したバージョンです。本当ならその続きでハーバード大学でご覧頂きたかったのですが、日程的に実現できず。今回逆に日本に来ていただいてご覧頂くことが出来たので、良かったです。
長い作品でしたが後に栗山先生から頂いたメールには「おもちゃ映画がいかに貴重で示唆に富む歴史資料であるかが、よくわかりました。ザールトン氏はメディア史の観点から前々から注目してきたことを聞いていましたが、これから私の文化史の授業にも積極的に取り入れていきたいと思います」と書いて下さいました。
栗山先生たちには、1960年前後のライシャワー博士ご夫妻が少し映っている映像をお送りしました。山形県酒田市にある海向寺の「即身仏奉安堂」視察を終えて帰られるときに関係者が撮影したものと思われる映像ですが、これに対しても栗山先生は「初代所長の極めて珍しい古映像を見て、研究所の同僚たちは皆感動するに違いありません。この映像の調査にチャレンジしてみる者もきっといると思います」と書いて下さいました。この動画が何らかのお役に立つなら嬉しいことです。
「今後様々な形でコラボレーションを続けていきたい」とも書いて下さったことをとてもありがたく思っています。
その後は館内見学。写真は様々な光学玩具を体験してもらっている様子。
左端が栗山茂久先生。その右隣がアレックス・ザールトン先生。開催中の「毛利清二の世界-映画とテレビドラマを彩る刺青展」も興味深くご覧頂きました。なお、ザールトン教授の助言で前もって1枚のパネルは外しました。いろんな見方や価値観があることに気付かせて貰った出来事でした。
次の時代を牽引していく若者たち。そんな彼らに来館いただいたことを光栄に思います。
ジェームズ・ロブソン教授は日本に留学の経験があり、仏教に関心を持っておられます。日本語がとても流暢で気さくな方でした。
ハーバード大学ライシャワー日本研究所のプレゼントを貰いました。赤いマークを軸に回転させると赤い三角が点滅して見えます。黒いマークを軸に回転させると黒い丸が点滅して見えます。中に小さな巻紙が入っていて、開けると「一期一会」と書いてありました。正しく一期一会の良い出会いの一日となりました。この玩具、展示場に置いていますので、来館の折に試してみて下さい。
一行は日本に8週間滞在するそうで、各地で様々に見聞されるようです。インスタグラムで当館の写真も共有して下さってました。
さて、広く日本映画に関する情報を海外に紹介するNHKの番組「J-FLICKS」で明日4日、アレックス・ザールトン先生のハーバードの教授室とリモートで繋いで撮影した映像が見られます。時差もあって収録は大変だったようですが、拝見するのが楽しみです。番組案内によれば、今回は国際批評家連盟受賞作『ナミビアの砂漠』をはじめカンヌ国際映画祭の見どころを紹介するほか、溝口健二監督の名作『雨月物語』も特集。さらに、「英語活弁コーナー」で番組ナレーターの英国人ガイ・ペリーマンさんが溝口健二監督『滝の白糸』の英語活弁に挑戦されます。回を重ねてどんどん上達されていることでしょう。こちらも楽しみです。
番組は▼4日10:10—10:59▼16:10—16:59▼22:10—22:59▼5日4:10—4:59の4回放送され、世界160の国と地域でご覧になれます。こちらhttps://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/shows/jflicks/へアクセスして、ぜひご覧下さい。