2024.09.15column
海外の方との交流
一昨日、アメリカのポートランドのアンナさんから素敵なメールが届きました。8月7日にショーンさん(メールを読んで知りましたが、アンナさんのご主人)と、幼馴染のシラーさんと一緒に来館頂きました。その時の出会いを、ブログ/blog/column/25180.htmlで書いていて、それも読んで下さっていました。
来館時のことをアンナさん(手回しで映写機を動かしている女性)は、「その空間で映画の歴史について学ぶことができたのは本当に嬉しく、日本訪問のハイライトの一つでした。帰国してから、紙のフィルムについてたくさんの人に話しました」と、活弁と演奏付きでご覧頂いたおもちゃ映画や錦影絵だけでなく、紙フィルムの実物やそれをデジタル化した作品をご覧になって、とても興味を持って下さった様子が書いてありました。
お会いした時にも、ドキュメンタリー映画を作っておられることは聞いておりましたが、今回のメールは、芸術と美術史に興味があるアンナさんが、私どもが映画史を保存するために取り組んでいる活動を非常に魅力的だと思ってくださり、短編ドキュメンタリー映画の題材として最適だと提案して下さいました。このようなプロジェクトに参加することに興味があるかと、尋ねて下さったのです。
もちろんこうしてご提案下さったことを心から嬉しく思いますし、光栄にも思います。8月来館の時にお伝えしましたが、私どもは12月末で今の場所での活動を終え、来年春から、京都市内の別の場所で再スタートする方向で進んでいます。どんな風な再スタートになるかやってみないと分からないことが多々ありますが、それでも良ければ喜んで参加したいと伝えました。引っ越し作業風景も魅力的ですが、そのために来日される費用も掛かりますし、どういう方法が良いのか、工夫が必要ですね。とはいえ、海外の人が私どもの活動に注目して下さり、「撮影することによって今後の活動の応援になるように」と思って下さったことが大変嬉しいです。
先に書いた8月11日のブログ「海外からのお客様」で紹介した人々とは、その後もアンナさんのように交流が続いています。最初に載せたアメリカのサンディエゴからの写真家ネイズさんとはインスタで繋がり、彼女の展覧会の様子などを拝見しています。
次に紹介したフィンランドのミモサさんとはFacebookで繋がり、ヘルシンキで新たに開館した映画館で活躍されています。ヘルシンキ国際映画祭のメンバーでもあることから、当館でご覧になった活弁に興味を持って下さいました。来年の映画祭で上映できないかと思っておられたので、「当館にある小津安二郎監督初期の無声映画『突貫小僧』のデータを提供するので、それにフィンランド語での活弁と、ご当地の楽器を用いた演奏付きで上映したら如何ですか?」と提案しました。直ぐに「活弁にピッタリの人がいる」と返信メールが届いたので、この企画が成功することを今から楽しみにしています。
以前にも書きましたが、世界各地で戦争が継続していますが、お互いの文化を知ることで相手を理解し、そのことでいさかいを防ぐことに繋がれば良いなぁと真面目に思っています。『突貫小僧』は日本の喜劇映画ですが、元々はオー・ヘンリーの短編小説『赤い酋長の身代金』をもとに小津監督が野田高梧、池田忠雄、大久保忠素と一緒に「野津忠二」のペンネームで書いた作品です。無声映画でも、世界中の人がご覧になっても面白さは伝わるはず。いろんな国の言葉で活弁を付け乍ら、ご覧頂けたら楽しいだろうな、と思っています。
最後に紹介したスペインのアニータさんとは、スペインで映画を作っておられるトーレスさんを紹介頂き、Facebookで繋がっています。いろんな国の方と“民際”ができていることは、私の大きな喜びです。
そして、カレンダーを眺めていて思い出したのですが、去年の今頃はニューヨークにいました。その振り返りも書けないまま1年が経っちゃいました💦 大事だと思うことほど、間違えないようによく調べて書かなきゃと思うから、つい後回しになって、こういう事態に💦💦💦
ロチェスター大学のジョアン・ベルナルディ教授に連れて行ってもらったトップ・オブ・ザ・ロックの70階にある屋外展望台からの眺望を写した絵はがき。この時お土産に買ったマウスパッドはいつも使っていて、そこに描かれている絵を見ながら、360度の絶景を思い出しています。
TOP OF THE ROCKに行こうと乗った地下鉄で、遭遇したR&Bのシャワーにびっくりして、その思い出は早々に公開したのですけれど…。こうして思い出しながら、やはり頑張ってコロンビア大学で体験させていただいた貴重な思い出を記録に残さねばと思っています。
コロンビア大学東アジア言語・文化学部大学院生が作ってくださったチラシ。『おもちゃ映画で見た日中戦争』は、9.5㎜も用いてはいますが、ほとんどは35㎜のおもちゃ映画で構成しています。その点を踏まえて、下掲の別バージョンも作って頂きました。
COLUMBIA UNIVERSITY SCHOOL OF THE ARTSのジェイン・ゲインズ教授、角田拓也准教授、院生の皆様、ドナルド・キーン財団の皆様には、本当にお世話になりました。歓迎会に、活動紹介時間、フィルム検討の時間、そして、DONALD KEENE CENTER の素晴らしいホールで、大勢のお客様を前に、ニューヨークで活躍されている松村牧亜さんの見事なピアノ演奏で『おもちゃ映画で見た日中戦争』を上映出来たことは、生涯忘れることはないでしょう。通訳も含め全面的にサポートして下さったジョアン・ベルナルディ教授にはどんなにお礼を申しても足りないぐらいです。
皆さま、本当にありがとうございました‼