2024.09.16column
9月16日のお客様と
今日は月曜日で休館日ですが、いつものように町家で仕事をしていたら、京都府南部の城陽から「団扇を彩る銀幕のスターたち」展を見にお客様が。団扇そのものに描かれたスターの絵をあかずに眺めておられました。お借りした貴重な団扇ですから破損したりしないようにしつつ、真っ直ぐ、整然と並べられるように特別のうちわかけを作りましたが、この男性はむしろ裏面の広告の方が気になるらしく。で、裏面も見られるように、いくらか並べました。この方の興味に応えられるように、余裕があれば、表面の写真と裏面の情報を載せたリストを作れば良いのですが。。。
縦14㎝ぐらいしかない小さな団扇には、星玲子さんが描かれ、榮楽座で近日上映される『女よ男を裁け』(1937年)を宣伝する団扇。NHK朝ドラ「虎に翼」ヒロイン佐田寅子の法衣を連想します。毎朝楽しみに見ているこのドラマも、もうすぐ終わり。
これも珍しい形の団扇。若尾文子さんとして紹介していますが、合っていますか?今日昼頃お越し下さった方は、「私は誰でしょう?」のコーナーで、掲示している32人のうち7人の女優さんの名前を書いて下さいました。写真じゃなくて絵なので、合ってるか否か微妙ですが、29日までの期間中に、どなたかまだ分かっていないスターのお名前を教えて下さいませんか?
圧倒的に女優さんが描かれた団扇が多いのですが、ほんの少し男優の市川雷蔵さん、石原裕次郎さん、鶴田浩二さん、中村(萬屋)錦之助さんが描かれた団扇も展示しています。「市川雷蔵は恰好よろしいなぁ」と仰りながら、「団扇が良かって、60年ほど前の映画を思い出した」と懐かしみながらご覧下さいました。
「余り海外の人は関心がないのかなぁ」と思っていたのですが、次に親子4人でマレーシアからお越しになったNg(ウン)さんご一家は、興味深そうにご覧下さいました。翻訳アプリを用いながらいろいろ話しているうちに、なんとなく言いたいことが伝わって、結果オーライ、だったかな?
京都の次は大阪へ行き、その後東京へ行く予定だと知ったので、東京都写真美術館でやっているいわいとしおさんの「光と動きの100かいだてのいえ」展に行くよう勧めました。女の子が手にしている絵本『100かいだてのいえ』の本は既にお持ちで、シリーズ本を他にも持っているのだとか。マレーシアでもこの絵本は人気なのですね。何だか嬉しくなったので、「このことを岩井さんに伝える」と約束しました。運よく会場で岩井さんと出会えたら素敵💗
お父さんはインテリアデザインの仕事をされているらしく、その血筋でしょうか、お兄ちゃんは絵が上手。スケッチブックを見せて下さいました。驚いたのは彼が芳名帳に「とても興味深い場所で、良い説明と親しく接してくれて、トイフィルムと映画について学ぶことが出来ました」と英語で書いたのに続き、「ありがとうございます‼すごい‼」と日本語で書いてくれたこと。こちらこそ、「すごい‼」と手をたたいて勉強を称えました。
マレーシアには、すでに何本ものピンでマークされていますが、首都のクアラルンプールから。マレーシアと聞けば昨年開催した展示とイベント、戦後マレーで抑留された日本人兵士のことが直ぐに頭に浮かび、その話もしました。京都大学の山本博之先生らの研究が進めば、多くの抑留中のスケッチ画を残した野田明さんたちが手作りした文集『噴焔』が活字化されて、マレー語と日本語で出版されるかもしれないという話もしました。両国の当時の様子がわかる貴重な資料になると思います。
お兄ちゃんが、通りを歩いていて「何だろう?」と興味を持って訪ねて下さったのだそうです。お昼を食べるのも後回しにして、いろいろ話をして交流を深めることが出来ました。いつか再会できることをお互いに願いながら見送りました。心の交流ができた出会いとなりました。お会いできて本当に嬉しかったです💗