おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2025.08.26column

8月27日NHKで、紙フィルムプロジェクト特集が再放送‼

昨日、NHKのディレクターさんから、7月22日夜10時、NHKBS国際報道で特集された“The Japanese Paper Film Project”の番組に対する反響が大きく、明日8月27日午後3時10分~4時、NHK総合テレビ「午後LIVEニュースーン」の中で再放送されると連絡がありました。
 
7月の番組をご覧になっていない方もおられるかもしれないと、連絡を受けてすぐにSNSで「ご覧ください」とご案内したところ、X(旧ツイッター)は、これを書いている今現在、9.1万回もご覧いただいていますし、追加で書いたXも1万回ご覧いただいています。リツィートしてくださった大勢の方の存在が大きく、大変に嬉しく思います。ありがとうございました‼
 
 
これが当館で展示している紙フィルムと映写機です。上段が1932年に特許を取得した東京のレフシー、下段が後発の大阪にあったカテイトーキーです。レフシーはコマとコマの間にパーフォレーションが1個ですが、カテイトーキーは2個。フィルムと違って透過しないので、ライトボックスは前に付いていて、反転させた絵に光を当てて投影します。当時はモノクロ映画の時代でしたが、カラー印刷ができましたので、動くカラーのマンガが家庭で楽しめました。しかも「カテイトーキー」の名の通り、絵の動きに合わせたセリフを含む音声もレコード盤が用意されていましたので、音と絵を同期して楽しむことができました。
 
紙フィルムが登場したのは、日本が最初ではありません。アメリカで権利を主張するためにフィルムを紙にプリントして議会図書館で保存していたのが早いですが、最初から見る目的でつくられたのは日本独自。けれども戦争の激化で1938年に製造禁止令ができて以降新たな紙フィルムは製造されず、短命に終わったメディアなのです。
 
日ごろ見学に来てくださる方に紙フィルムについて説明をしていますが、海外の人の方が「クール!」と言って目を輝かせてくださいますが、どちらかと言えば日本の方の反応は「さほど」。今や世界中で評価されている日本のアニメーションですから、1932-38年という初期の動くマンガにさほど魅力を感じて下さらないのだと思っていました。それが、今回多くの方が紙フィルムに関心を抱いてくださっているのだと数字が示してくれるのを見て、正直、びっくりぽん!たまるか―!!
 
番組では、6月23日アメリカのバックネル大学Eric Faden教授らが来館され、安全に美しくデジタル化して保存してくださった紙フィルム作品を一緒に見ながら話し合っている様子も映ります。紙フィルムに出会ってすっかり魅せられたエリック先生に2023年来日の折に講演して頂いた内容を書き出していますので、お時間がございます時にクリックしてお読みいただければ嬉しいです。
 
そして視聴が可能でしたら、ぜひ明日の総合テレビ「午後LIVEニュースーン」をご覧ください‼ディレクターさんによれば「具体的に何時何分というのは、当日ギリギリまでわからないですが、16時までの間のどこかで放送する予定です」とのこと。明日は休館日なので、楽しみにテレビの前で陣取ります。
 
【8月27日追記】
NHK「午後LIVEニュースーン」では、比較的早い時間帯で紙フィルムについての特集が再放送されました。初回では見ることができなかったかねひさ和哉さんが描いた紙フィルムの映像をまるっぽ見ることができたのが大きな違いで、良かったです。ディレクターさんにこの感想と共に、見逃した人から「再々放送して欲しい」という要望が届いていることを伝えましたら、「今回は前回の放送より放送時間を長く確保することができたので、いろいろお見せすることができました。再放送は予定していませんが、来週の火曜日までNHKプラスで見ることができますので、ぜひご利用くださいとお伝えください」との返事でした。
 
かねひささんには何コマくらい用意したのか尋ねましたら、200コマだそうです。デジタルも良いですが、紙フィルムというモノで残るのは良いですね。エリック先生たちの尽力のおかげで約85年前の紙フィルムを安全で美しく見ることができるようになったわけですが、若いアニメーション作家にとっても大きな刺激となったようです。
【8月28日追記】
スタジオで眞下アナウンサーが「当時も3回ぐらい見ると切れちゃって」と発言されていたのが、どうにもひっかかり、ディレクターさんに「それはどなたさまからの情報だったのでしょうか?番組をご覧になってコメントをくださった方も『数回で切れるとは』と涙の絵文字が添えられていました。扱い方にもよるのでしょうけど、気になりましたので、お教えいただければ助かります」と尋ねてみました。
 
ディレクターさんの返事は「この表現は、複数の方への取材をもとに、当時の状況や使用環境を踏まえてスタジオでの解説に反映したものです。特に子供たちが遊びながら使っていたことや、力加減によっては早く切れてしまうケースもあったという証言を参考にしています」。
 
スタジオで紹介されていたターンテーブルと一体型の紙フィルム映写機は、相当高価なものでよほどのお金持ちの家で楽しまれていたものでしょう。一般的なのは持ち手がついた簡易なBOX型で、今年エリック先生にお土産に1台差し上げました。お金持ちの坊ちゃん、嬢ちゃんがふざけて破いてしまうことはあったでしょう。でも大方は、親が大金をはたいて買ってくれた“大切なおもちゃ映写機と紙フィルム”です。それはそれは大切に取り扱ったのではないでしょうか?パーフォレーションが不揃いだと破れやすいでしょうから、ハンドル操作は親がやって、暗くなるのを待って、近所の子どもたちも一緒にじっと目を凝らして、ボーッと映し出される綺麗な色のついた動くマンガを見つめている情景が私には浮かぶのです。
 
実際、当館に家庭トーキーの紙フィルムとレコードを寄贈してくださった方は随分とご高齢でしたが、子どもの頃京都駅前の丸物百貨店に行ってお父様が買ってくださったことをよく覚えておられました。奥様にお聞きした話では、この方のお嬢さんも見た記憶があるということでした。家族で大切に保存されていた紙フィルムでした。
 
戦時中は紙質も粗末なものだったでしょうが、1938年までつくられていた紙フィルムは紙質も厚くて丈夫です。だからこそ、「贅沢だ!」ということにもなったのでしょうけど。9日に来館いただいた足柄製作所研究員の藤田聖矢さんと「紙フィルムは本当に脆いのか?」という話をしたばかりでしたので、なお一層気になった文言でした。
 
【9月2日追記】
夕方、NHKのディレクターさんから連絡があり、9月4日(木)15時、NHK WORLD-JAPANで、紙フィルム特集が再々放送されるそうです。英語での発信番組で、海外の人にも日本独自の「紙フィルム」のことを知って貰えるチャンス。凄く嬉しいです💕放送後しばらく見逃し配信されるようですので、ぜひこちらにアクセスしてみてください。Paper film: The curious origins of color Anime | NHK WORLD-JAPAN News

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