おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2023.08.29infomation

活弁と演奏(収録版)無声映画上映会Part2~シュールな面白さ!戦前おもちゃ映画を体験!

7月7日に初めてカンデオホテルズ京都烏丸六角レセプション棟で開催した「活弁と演奏(収録版)無声映画上映会。その様子は、こちらで書きました。

 

畳の上に座って観た戦前の無声映画上映会は、かつて家庭で“おもちゃ映画”を観ていた団欒を追体験する場となりました。

以前、来館いただいた市内在住の女性から、子ども時代の思い出を聞かせて貰ったことがあります。

「押し入れの襖を取り外し、押し入れの奥に白い模造紙を貼って、お兄ちゃんが手回し映写機を回し始めると、近所中の子どもたちが観に来て一緒に楽しんだ。帰りに母が、子どもたち一人一人にお煎餅を渡すと、それぞれのお母さんがその子を伴って『先ほどは、ありがとうございました』とお礼を言いに来られた」と昭和の風景を懐かしそうに話して下さいました。

お客様に教えて貰って読んだ滝田ゆうさんの『寺島町奇譚(全)』(ちくま文庫)488頁記載の1コマを連想しました。今年亡くなった映画評論家山根貞男先生の遺作『映画を追え フィルムコレクター歴訪の旅』(草思社)にも、個性的な各地のフィルムコレクターたちが語ったこうした子どもの頃の体験談が綴られています。

7月7日にご覧頂いたのは、関西弁での話芸が楽しい大森くみこさんの活弁と、サイレント映画ピアニスト天宮遥さんの軽やかな演奏を収録したバージョンで『おもちゃ映画de玉手箱-そっくりさん篇-』、『ブッシュ家のポンコツ自動車』、『大河内傅次郎剣戟集』、ラリー・シモンの『気弱なドライバー』の4作品でした。

今度のPart2は、9月29日(金)19:30~20時半に、前回と同じ素敵な京町家、旧伴家住宅(京都市中京区六角通烏丸西入骨屋町149番地。市営地下鉄烏丸御池駅[5]徒歩3分)で行います。

会場の旧伴家は、京都市登録有形文化財。滋賀県の近江八幡出身の伴家が烏丸六角西の現在地で商いと住まいをされていた家で、1900(明治33)年の「備忘録」によれば、1896年にこの地を購入し、敷地には13棟の建物があったそうです。広大な土地だったのですね。2021年6月にカンデオホテルズ所有となり、往時の良さを残したまま美しく改装され、背後に地上10階建てのホテルが聳えています。オーナー様のご厚意で市民にも開かれた場所にしようと下掲の伴市プロジェクトがイベント運営をされています。

私どもは、その呼びかけに手を挙げた一団体で、他にも9月9日19時~、京都宝船図研究会の「百年前の宝探し~大正時代の宝船図流行を追って~」や、民映研の映画をみんなで上映する会による「伴市はなきんシネマ」が9月15日を初回に、原則毎月第3金曜日20時~、開催されます。

私どもも、イベントを覚えて貰いやすいよう原則毎月最終金曜日19:30~開催し、毎回趣向を凝らしてお楽しみいただけるよう頑張ります。9月29日は、19時から受け付けを開始。玄関入ってすぐの1階受付で参加費1500円(学生さんと同ホテル宿泊者の方は1000円)を現金にてお支払いください。その後階段を上って2階和室へお進みください。会場にはコーヒー、紅茶、緑茶のサーバーがあり、ホテルのご配慮でイベント中は自由に飲むことが出来ます。

上映するのは、最初に私が大好きな『茶目子の一日』。1931年に西倉喜代治によって作られたシュールなアニメーションです。この作品については、こちらで詳しく書いていますが、元々は1919(大正8)年に、佐々紅花の新譜で御伽歌劇『茶目子の一日』が「ニッポノホン」から初めてのオーケストラ伴奏付きで、木村時子、天野喜久代、加藤清によって吹き込まれた作品。3回目のテイクとなった1928(昭和3)年盤では電気方式の録音が開始され、日本ビクター会社創立と共に、専属歌手第1号となった童謡歌手平井英子(ひでこ)がデビューして、高井ルビー、二村定一と歌っています。歌詞も時代に応じてスマートに改定されています。

彼女の可愛らしい歌声は大人気になり、彼女が歌った『茶目子の一日』は大ヒット。そして2年後に、西倉喜代治によってアニメーションが作られました。平井さんは、『雨降りお月』『兎のダンス』『てるてる坊主』など日本の童謡歌手の先駆けとして広く知られています。2021年2月21日に104歳で亡くなっていたことが翌年5月14日付け新聞に小さく載っていました。その訃報記事にも、童謡劇『茶目子の一日』が載っています。

今回上映するのは、悩んだ結果、開館4年目会員特典用に作ったDVD『活弁と生演奏で彩る~おもちゃ映画の玉手箱』の中から、大森くみこさんと坂本頼光さんの掛け合い活弁と天宮遥さんのピアノ演奏で上映した折の収録版。映像は当館所蔵フィルムと神戸映画資料館所蔵フィルムを合わせてその中から綺麗な映像を選びながら再編集した最長版です。いずれ別の機会に、平井英子さんらの歌とこの映像を同期させたバージョンもご覧頂こうと思っています。

続いて、当館が所蔵する映像の数々を用いて作ったDVD『ちゃんばら時代』を上映します。片岡一郎さんの活弁と彼が所蔵するレコードの音源を用いて、開館記念として2015年に作ったものです。いずれも映画館で上映された後、動きがあって面白い場面を切って家庭用に販売されていた無声映画の断片「おもちゃ映画」ですが、オリジナルが残っていないので、貴重な映像です。時代劇映画をたくさん作り続けてきた京都ならではの作品には、尾上松之助、阪東妻三郎、市川右太衛門、林長二郎(長谷川一夫)、片岡千恵蔵、大河内傅次郎、嵐寛寿郎ら往年の大スターが次々登場して、見事な殺陣で魅せられます。

そして、最後に保存と活用を訴えてきた『京都ニュース』をご覧頂きます。映画が全盛期だった1956(昭和31)年~映画衰退期の1994(平成6)年まで、京都市広報局が市内の様子を記録して、映画館で上映していました。全244作品の中から、今回は「京都映画祭」をキーワードに選んでご覧頂きます。京都ニュースについてご存じのことや思い出がある方にぜひご覧頂いて、お声を聞かせていただければ、より一層嬉しいです。

時間があれば、今回も手回し映写機や、絵が動いて見える仕組みが分かる光学玩具も持ち込みますので、この機会にぜひ体験してみてください‼

皆様からのお申し込みを、心よりお待ちしております。

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