おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2023.09.25infomation

京都国際映画祭2023連携企画「小津安二郎と映画を楽しむin京都 ~『突貫小僧』の上映も!」

世界的に評価されている映画監督の小津安二郎は、1903年12月12日に生まれ、偶然ですが、1963年12月12日還暦を迎えたその日に病気で一生を終えています。今年は生誕120年、没後60年を迎える節目にあたることから、各地で小津監督をテーマにした展示や上映会などが行われています。

当館でも小津映画研究者の宮本明子・同志社女子大学准教授の企画Part1として、7月16日に「日本映画に現れたハワイ」をテーマにした研究報告会で、最初に宮本明子先生が「歌謡以前:『淑女は何を忘れたか』におけるハワイの音楽」という演題でお話しくださいました。映画『淑女は何を忘れたか』(1937年)は小津監督の37作目で、彼のトーキー第2作。この日の報告はその音楽を担当した伊藤宣二についてが主でした。

続いて志村三代子・日本大学教授が「日本映画におけるハワイ表象:『ハワイの夜』を中心に」の演題でお話し頂き、その折の様子は、ブログで振り返りました。

発表の中で志村先生に教えて貰った『山河あり』(企画:木下惠介、監督:松山善三)をその後見たこともブログに書いていますが、それから間もない8月8日ハワイのマウイ島で起こった大火災に大変驚きました。壊滅的な被害をもたらした山火事から一か月半以上が過ぎました。改めて被害に遭われた皆様にお悔やみを申し上げますとともに、一日も早い復興を祈ります。下掲は竹内良男さんが日々送って下さっている通信の一枚です。

 

『山河あり』(1962年)は日本からハワイに移民して苦労しながら基礎を築いた一世たち、そしてハワイで生まれた二世たちの、真珠湾攻撃から始まる戦争に対する考え方の違いからくる様々な葛藤や複雑な思いを伝えています。機会がございましたら、ぜひこの映画もご覧下さい。

さて、宮本明子先生の企画Part2は予定通り10月15日に、内容を一部変更し、上掲チラシの通り京都国際映画祭2023連携企画として開催します。

宮本先生による小津監督についての最新成果をお聞きした後、ご来場者の皆様とのやり取りも織り交ぜながら、クイズやトークで小津監督の人と作品に迫ります。映画祭連携企画として、小津監督と京都との関わりにも触れていただきます。

当日ご覧頂く『突貫小僧』(1929年)は当館への寄贈品から発見されたパテ・ベビー版(9.5㎜)です。映画館での上映後に、家庭用として小型映画フィルムに再編集して販売されていたうちの1本です。それ以前に見つかっていたパテ・ベビー版で欠落していたタイトルや冒頭部分、エンドマークまで見られるとあって、2016年9月に公表した途端に世界発信の大きなニュースになりました。

今年5月13日さらに長尺の、しかもマーベルグラフ16㎜版が発見されたと報道があり、大きな話題となりました。この新発見バージョンは、国立映画アーカイブによって35㎜にブローアップされ、10月24日「TIFF/NFAJクラシックス:小津安二郎監督週間」初日の18:30~、同アーカイブ長瀬記念ホールOZUで、フィルム発見者の築山秀夫・全国小津安二郎ネットワーク副会長のトークイベント付きで上映されます。35㎜のオリジナルフィルムが失われている今、この発見は大変嬉しいニュースです。当館フィルムにはない部分が、どのようなものか大いに楽しみです。

人さらいの親分と子分が、さらってきた子どもの腕白ぶりに振り回される様子は、何度見ても面白いです。オー・ヘンリーの短編小説『赤い酋長の身代金』(The Ransom of Red Chief)を基に、「野津忠二」が原案を書いたとクレジットされていますが、野田高梧・小津安二郎・池田忠雄・大久保忠素の4人の名前を合成したペンネームだとご本人が『キネマ旬報』(1952年6月上旬号)で語っておられます。チラシ左下に載せた主役の子どもを演じた青木富夫さんは以降、「突貫小僧」を芸名にして活躍します。

ご覧頂く映像には、交流があるアメリカのランドルフ・メーコン大学のジム・ドーリング教授の演奏が付いています。私どもにとっては「オリジナルがこうだったのではないか」と思ってしまうぐらい映像にピッタリで大のお気に入り音楽です。宮本先生の解説付きで、皆さんと一緒に小津監督12作品目となる無声喜劇映画を楽しみましょう‼

日時:10月15日(日)11:00~12:30(開場は10:30~)

会場:おもちゃ映画ミュージアム

料金:無料

定員:当日先着15名

皆様のお越しを、心よりお待ちしております‼

【追記】

アメリカのロサンゼルスに2021年9月30日に開館したばかりのアメリカ最大級のアカデミー映画博物館で、小津作品特集上映会“Yasujiro Ozu in Color:The Final Six Films”最終日の9月14日19:30~、『小早川家の秋』(1961年)と『秋刀魚の味』(1962年、遺作)の上映会があり、宮本先生は共同研究者の松浦莞二さんと一緒に登壇され、上映前に小津監督と作品についてお話をされました。写真は、その折のものです。「木曜日の夜にもかかわらずチケットは完売で、熱気が感じられた」と宮本先生。その様子も報告して下さいとお願いしました。

さらに、読売新聞9月19日付けでも宮本先生のご活躍ぶりが報道されました。先にも触れた「野田高梧」(1893~1968年)さんですが、『東京物語』『晩春』などの名作を小津監督と共に生み出した脚本家です。このほど彼が記した日記帳が見つかり、お孫さんの「野田高梧記念蓼科シナリオ研究所」代表理事の山内美智子さんの依頼で、宮本先生が、記載内容の解読と研究をされてきたのだそうです。日記には12月12日病室を訪れた野田さんが小津監督の死にも立ち会った様子が記されていて「小津の最期を記した克明な記録。日本映画史的においても貴重な資料」だと宮本先生。10月15日は時間があれば、今回報道された野田高梧さんについても触れて下さるそうです。ご期待下さい!!!!!

 

 

 

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