おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2021.05.23column

KBS京都テレビ「キモイリ!」視聴者の方が早速来館!

5月22日ミュージアムから生放送していただいたKBS京都テレビ「キモイリ!」をご覧になった視聴者の方が、翌日早速ご家族で来館してくださいました。

テレビをご覧になれなかった方にその様子を少しばかりご紹介しますね。

録画していた番組を今朝見たので、画面下の時間は気になさらないでください。10時半から始まった番組の今回のコンセプトは「京都市内のユニークな博物館を松竹芸能二人組のボルトボルズさん(向かって左が河合哲さん、右が弓川信男さん)が訪ねて、視聴者の方にお出かけ情報として紹介する」というもの。左上がMCのお笑いコンビTKOの木本武宏さん。

河合さんがクルクル回して覗いてご覧になっているアニメーションを楽しむ玩具は戦後のプラスチック製ですが、館長が手にしているのは100年も前のドイツ製ブリキのおもちゃ映写機です。「おもちゃ映写機とは何か」を話している場面のひとコマ。

指さしている方向にあるのが、映画やアニメの原理が分かるゾーイトロープ(ゾートロープとも)やプラキシノスコープなどの光学玩具。ここで弓川さんがくるくる回して体験された様子が最も「不思議ー⁉︎」の声と共に盛り上がりました。国内外を問わずほとんどの施設ではガラスケースに入っていて外から見るだけですが、ここでは子ども達にも触れて体験して貰えます。左上が番組アシスタントの去来川奈央さん。

そのおもちゃ映写機の中からアメリカ製の1台を使って、弓川さんが手回しで映写の体験。

劇場で上映が終わった後のフィルムが家庭用に切り売りされていました。残存率が極めて低い日本の無声映画ですが、おもちゃ映画として売られていたことで、短い断片ではあっても貴重な資料だということで発掘して保存、さらにその映像を活かす活動をしています。今映っているのは時代劇ですが、動きがないと面白くないので、時代劇の場合は大抵がチャンバラシーンです。他にアニメーションや記録映像も販売されて、ご家庭で楽しまれていました。

これまで保存しているおもちゃ映画で、デジタル化したものをパソコンで自由にご覧になれます。約900本ほどあり、この日は1936年に佐藤線映画製作所がつくった『マー坊の東京オリンピック大会』シリーズのひとつ「マー坊の水泳選手」をモニターで見て貰いました。本番前に「何本ほどありますか?」と河口さんから尋ねられて、保存画面をお示しし、「例えば」とご覧に入れたら、突然弓川さんが擬音を使ってプールの水の音や、マー坊や観客の気持ちになった台詞を即興で付けられたので、ビックリしました。流石、プロだと感心しきり。無声映画はそのままだとさみしいので「活弁と演奏付きで」とこれまで思っていましたが、ボケとツッコミの息の合ったコンビで、生演奏の代わりに「擬音と声色解説」というスタイルも面白いのではないかと思いました。

ネットで調べると、ボルトボルズさんは、学校などに出向き、サイエンスショーにお笑いを融合させた科学実験ショーの公演もされています。それにもう一つ、無声映画のアニメーションのこうしたパフォーマンスを採り入れられても面白いんじゃないかしら?

続いて、今開催中の「ペン画で甦る尾上松之助最晩年『忠臣蔵』展」も紹介しました。熊本県山鹿市の故芹川文彰さんが95年前の15~17歳の時に、映画『忠臣蔵』(1926年)を観た記憶だけをもとに約500コマのペン画で、話の最初から最後まで描ききったことが素晴らしいし、その画力が並外れて凄いことをぜひ大勢の人に見て貰いたいと企画しました。

芹川さんは最初から人に見せようと思って描いておられないので、実に様々な表現を試みておられ、今の漫画に通じるペン画の数々も見どころです。

なぜ、このペン画展を開催できたかと言いますと、2015年当館が開館したことを報じた日経新聞を読まれた同じ熊本県にお住まいの方から、家庭用に再編集された9.5ミリフィルムを寄贈していただきました。その中に芹川少年が映画館でご覧になった『忠臣蔵』もあったのです。このフィルム発見のことは国内外で大きく報じられました。昨年熊本日日新聞の記者さんが、このペン画帖の存在をご遺族からお聞きになって、フィルムを保存している当館に問い合わせをしてくださったことから、トントン拍子に展覧会案が進みました。

河合さんの向かって左にその映画のスチール写真を並べ、右に芹川少年のペン画が並んでいます。95年の歳月を隔てて、映画とペン画の『忠臣蔵』が、映画が作られた京都で初めて出会った展示なのです。

最後の最後に、弓川さんが「この時を待っていた!」とばかりに飛び出して、生中継は10時50分ごろ無事に終了しました。カメラさんが、たっぷりペン画を撮ってくださったのが嬉しかったです。会場が狭いので、壁面展示は『忠臣蔵』の前編でしたが(後半部分はファイル展示)、きっと暮れの12月には、今よりコロナの状況がマシになっていると期待して、後半を主に展示をして、延期した坂本頼光さんの活弁と天宮遙さんのピアノ演奏付きで、芹川少年の絵心を刺激した映画『忠臣蔵』(池田富保監督)を上映する計画です。再延期にならず、無事に本懐が遂げられるよう今から願うばかりです。

ともあれ、熱い思いで企画した「ペン画で甦る尾上松之助最晩年『忠臣蔵』展」を紹介してくださったKBS京都テレビさん、中継レポーターのボルトボルズさん、ディレクターの㈱元気な事務所ディレクターの上田雅史さんとスタッフの皆様に心から御礼を申し上げます‼ そしてご覧頂いた皆様にも感謝申し上げます。残りあと5日間ですが、ぜひ間近でご覧頂ければ幸いに存じます。

 

 

 

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