おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2022.04.08column

当館を紹介いただいたサイト「コミュニティスペース空」と寄贈本2冊のご紹介

3月22日に龍谷大学3年生の森本紗衣さんと同志社大学3年生の三宅哲平さんが取材に来て下さいました。そのインタビュー内容を森本さんが書き起こした記事が、「コミュニティスペース空」で先ほどアップされたと連絡がありました。

note記事URL:https://note.com/sora_himeji/n/n1386a11e80a9 良ければクリックしてご覧ください。

以前お仲間の学生さんが大学の授業で来館され、その時の話をお聞きになった森本さんが関心を持ってくださって、ぜひ私どもの取り組みを取材して、学生さんたちに紹介したいと申し出てくださいました。「コミュニティスペース空」は学生生活をアップデートするための役立つ情報などを、京都の学生さんが取材して発信するプロジェクトなんだそうです。

森本さんの記事の中に出てくる「ポリオラマ・パノプティーク」を体験中の三宅さん。19世紀フランスで誕生したと思われる道具で、透かし絵を楽しむ覗き眼鏡。連れ合い手作りです。昨日来館の若い女性が「映像にとって、ここは大切な拠点です」と言ってくださったのが嬉しいです。子どもたちも含め、若い人たちの学びの場になり、何らかのヒントをつかんで前に進むお役に立てるなら何よりです。

これは3月27日に研究報告「『アニメ』誕生のメディア史から」をしてくださった北波英幸さんから寄贈いただいた本です。

公募特集の中に北波さんの「『テレビまんが』-『アニメ』前史のメディア論的考察」が載っています(172-193頁)。昨年10月10日に開催したギリヤーク尼ケ崎さん監督・主演『魂の踊り』上映会の折に尽力してくださった鵜飼正樹先生の論考も含まれてます。以前、鵜飼先生の“日本少女歌劇座”の展示と講演に参加したことがあるので、読むことができて嬉しいです。他にも様々な切り口での社会学の論考が掲載です。

そして、今日届いたばかりの久保豊さんの『夕焼雲の彼方に 木下惠介とクィアな感性』(2022年3月25日、ナカニシヤ出版)。久保さんとは、2016年12月18日雑賀広海さんに研究発表『玩具映画としてのチャンバラ映画の受容~坂東妻三郎を中心に~』をしていただいた時に知り合いました。当時は、お二人とも京都大学大学院人間・環境学研究科で学ぶ院生さんでした。久保さんは早稲田大学演劇博物館助教を経て、今は金沢大学人間社会学域国際学類准教授としてご活躍です。

聞きなれない「クィア/Queer」という単語、ネットで調べて分かりやすいと思ったのがVOGUEの以下の文章。

…クィアとは、元来「風変わりな・奇妙な」という意味を持ち、男女二元論をベースに構築された社会や文化の制度の中で、二つの性以外への理解がなかった時代にゲイを侮辱する言葉として使われてきた。しかし20世紀の後半に、それまでバッシングの対象だった急進派ゲイのグループであった“クィア・ネーション”や“ピンク・パンサーズ”ら共闘グループが、戦略的にあえて自分たちを“クィア”と呼んで権利を主張するなどの運動を起こしたことをきっかけに、肯定的な意味を持つ言葉へと変化した。 これを発端に「クィア・スタディーズ」という学問が生まれるなど、現在に至るまでさまざまな研究の対象となっている。また、「クィア」という言葉と概念は広義を持ち、当時運動を起こしていたゲイのみならず、レズビアンやトランスジェンダー、そしてクロスドレッサー等も包括することから、セクシュアルマイノリティ全体の結束と連帯を促進する役目も担っている。一方でセクシュアルマイノリティの当事者にとっては、自分が誰をどう愛するかという点で、男女二元論のジェンダーシステムには従わない、という意味でクィアを使うことが多い。…

さて、久保さんが「はじめに」で書かれた文章を引用すると、この本は「映画作品に対するクィア批評を試みる。クィア批評とは、異性愛中心的な物語や表象およびそれらの歴史に対して肌理に逆らって読むことで、(視覚的・聴覚的かつ)物語的な快楽への欲望を積極的な『誤読』を通じて見出す実践である」。ちょっと難しいですね。表紙が美しいですが、これは久保さんが木下惠介監督の映画を研究しようと思う契機になったのが『夕やけ雲』(1956年)で、監督の一文「一番好きだった夕焼雲のきれいな西の空」によるもののようです。追々読ませていただきましょう。

以上の本もご覧になりたい方は、お声がけいただければ館内で自由にお手に取ってお読みいただけます。遠慮なく、どうぞ‼

 

 

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