おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2023.04.22column

「京都国際写真祭2023」KG+pick up「carnation×reincarnation」関連イベントから

15日から始まった写真展「carnation×reincarnation」には、朝一番に鎌倉から素敵なドレスをお召のお客様が来館。KG+のサイトをご覧になって「初日なら作家さんと会える可能性が高いと思って」とお越しくださいました。

その読みは当たって、出展作家アルマ・シャンツァーさんとお話しすることが出来ました。彼女自身の作品もホテル アンテルーム京都で1枚展示されているそうです。他にも同所で展示されている方がお見えでしたので、次の休館日に見に行こうと思っています。

これは15日14時からのトークイベントで、「映画前史と写真」をテーマに話しているところ。19世紀、みんなで拡大した絵を見ることが出来る「幻燈機」(マジック・ランタン)、画が動いて見える「光学玩具」、それに記録して残すことが出来る「写真」がそれぞれ発明され、その3つが一緒になって、「映画」が誕生します。写真についてはその最初期の写真技法5種類について年表とそれぞれの技法の説明版も展示しています。

展示ケース以外にも収納している写真を取り出して、参加者の皆さんにご覧頂きました。

ざっくり分類分けしてみると、手前左端からティンタイプ(1860年代、アメリカで発明。手法は湿板写真ですが、ブリキや牛革に感光剤を塗布して作りました。南北戦争時に大流行します。鉄板写真とも)。手前中央はアンブロタイプ(1851年、イギリスのフレデリック・スコット・アーチャーが発明。ガラス板で出来るようになり、大流行しました。湿板写真)、右端手前は柔らかい色合いと繊細さのオパロタイプ(1857年、リバプールのグローバーとボールドによって発明されました)。その上もアンブロタイプ、上段中央は横浜写真(明治時代に写真館で撮影され、プリント後に手彩色を施したものなど。記念写真もあれば海外の人が日本土産に買い求めたものなど)、上段左上はダゲレオタイプ(1839年、フランスのルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが発明。日本では銀板写真ともいいます)。

トークイベント終了後に、所蔵しているガラス乾板のネガを取り出して見ているところ。出展作家のもう一人で古典写真技法をベースにデジタル技術を導入した作品を発表されている若林久未来さん(写真中央)に、この中の浮世絵シリーズ10枚をお渡しして、写真にしてもらおうということに。仕上がりが楽しみです。今年イタリアで作品展をされる予定だと伺いましたので、その折にこの浮世絵も海外の人に見て貰えたら良いですね。

16日のワークショップの準備風景。11時、13時、15時の3回に分けて実施しました。

その成果をYouTubeで公開しましたので、ぜひご覧下さい。

溶液を塗布して手作りした印画紙に切り抜いた絵や草花などを置いて、太陽光と反応して起こる化学反応で写真が出来る面白さを体験しました。その裏面にイラストを描いて、ソーマトロープ の両面が完成したら、左右(または上下)に穴を開け、輪ゴムを通します。輪ゴムを素早く回転させると表面・裏面の画がクルクル回って合体して見えます。1825年イギリスのジョン・エァトン・パリスによって考案されたソーマトロープは、なぜ静止画が動いて見えるのか、アニメーションの仕組みが分かる光学玩具の一つです。

今回ソーマトロープの表面は、カメラなしでも写せる日光写真で作ってみました。小さい頃に「やったなぁ」と懐かしく思い出される人も多いでしょう。この写真技法「サイアノタイプ」は1842年にイギリスのジョン・ハーシェルによって考案されました。というわけで、いずれも 19世紀に考案された手法で取り組んだワークショップです。音楽はオーゲル・シュルマンスさんにお願いして作ってもらった「藍の舞」です。どうぞ、ご覧下さい‼ 指導は若林さんです。

子どもたちが「面白かった」と言ってくれたのが何よりも嬉しく思いました。日光写真だから太陽頼みのワークショップ、それで前夜にテルテル坊主さんに好天になるよう祈りました。願いが叶って無事に作品が完成して安堵しました。

「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」KG+の当館における関連イベント第3弾は、明日23日15時~「イラン・ティータイム」です。イラン出身の女性作家さん3名にお越しいただいて、イランの文化と女性の自由をテーマにお話を伺い、お茶とお菓子を頂きながら話し合います。まだまだ参加者募集していますので、どうぞお誘いあわせてお越しください。お待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

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