おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2025.12.02column

この秋の印象的な出会いから(2)

11月6日にスイスのローザンヌから訪ねてきてくださったGary Carrelさん。10月初めイタリアで開催されたポルデノーネ無声映画祭会場で、ベルギー王立シネマテークで活躍しておられるChristophe Piette さんと5月以来の再会を喜んだ折に、彼に紹介していただきました。

10月5日紙フィルム上映を終えた夜に、Christopheさん、Garyさん、オランダのBin Liさんと一緒に夕食を楽しみました。その折にGaryさんは「来年日本に行くから」と仰っていたのに、わずか1か月後に再会できるとは、全くびっくりポン!です。

毎年ポルデノーネ無声映画祭はもちろん、ウディネで開催されるファー・イースト・映画祭(FEFF)、スイスのロカルノ映画祭などにも出かけているそうです。日本映画が大好きで、スイスで弟さんと一緒に日本語の勉強をされたそう。今回の来日中には早稲田大学の小松弘先生とも一緒に旅をされました。

スイスはドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つが公用語、これにロシア語と中国語、そして日本語もですから彼の語学力は凄いですね。本業は弁護士さんだそうです。アニメーションが好きな弟さんに来館を勧めると仰って下さいました。この日は18時半から同志社大学寒梅館で「非常時の少年たち」~映画『僕らの弟』を巡って~」を実施しましたので、それにも参加して頂きました。漠然とですが、来年イタリアでこの写真の皆さんと彼の地で再会できるような気がしています。楽しみを持っている方が、日々前向きに生きていけますからね。

来年は弟さんが同じ場所にピンを挿す様子が見られるかも。それも楽しみ💗

11月9日は12月20日に開催する伊藤有壱東京藝術大学大学院教授のトークイベントの参考にと出かけた「IAD/国際アニメーションデー2025 in 京都」で、京都芸術大学院生エガネ・ノーバルさんと2年ぶりの嬉しい再会。

2023年4月の京都国際写真祭の折に当館で開催したイラン・ティー・パーティーで、彼女の切り紙アニメーション『陰陽』を披露してくれました。それ以降も手直ししながら作品は今年完成し、この日はトーク付きで上映。ずっと根気強く取り組まれていたのですね。「CGやAIを使わずにアーティストの限界を知ることが成長につながると思う」と話し、「イランと日本の鬼を描きたい」と語った彼女の今後に期待したいです。

ASIFA-JAPAN会長の大西宏志京都芸術大学教授のお話で10月28日が国際アニメーションデーになった背景を知りました。フランスのシャルル・エミール・レイノーは1888年に “テアトル・オプティーク(視覚劇場)”を発表し、1892年10月28日パリのグレヴァン蝋人形館でこの装置を用いて、世界最初の動く絵の興行をしました。YouTubeで公開されてる動画を参考に貼ります。フランスのリュミエール兄弟が、発明した“シネマトグラフ”を用いて「世界最初の映画興行」をした1895年12月28日より3年前のことでした。

早速当館所蔵のエミール・レイノーが1879年に発表した“プラクシノスコープ・シアター”のところにキャプションで添え書きをしました。

同じ11月9日、イギリスのJames Leeさんから嬉しいメールが届きました。10月24日機械に疎い私が一人留守番の折に英国ブラックプールから来館。当館で前夜VHSで上映したままの状態だったことが分かっておらず、何時もご覧いただいている戦前のアニメーションをお見せ出来なかったのが本当に申し訳なくて、おたおたしている様子も含めて彼のサイトで11月8日付けで紹介したとの連絡でした。

彼のプロフィールは博物館と美術館への情熱を持つ物理学者、科学コミュニケーターとあります。「博物館をぶらぶら」と題した文章によれば、東京、京都、大阪での2週間滞在中に、92か所の施設を訪問され、それぞれの博物館の質の差は驚くほど小さかったことを最初に挙げたうえで、彼が感じた「最高」と「最低」をあげ、どのような視点でそう評価したかを書いておられます。そして、記事の「最高」に挙げられた項目には、

「The “Best ”-Toy Film Museum/Gas Science Museum」

と、何と、ガスの科学館と並んで当館の名前が挙げてありました。いやはや、びっくりぽん!ぽん!!ぽん!!! ジェームズさんが「気の毒な女性を驚かせてしまいましたが」というのは、上述の私の「おたおた」の様子。でも代わりに一生懸命私どもが保存してきた様々なおもちゃ映画や紙フィルムなどの映像をご覧に入れ、できる限り展示の説明を拙い英語と身振り手振りでしました。そのことを好意的に受け止めてくださり、「コレクションのオーナーの明確な愛情と情熱、一つ一つのものについて語れる物語、そして彼らが熱意をもって見せてくれるものからもたらされる」と見学の醍醐味を綴って下さったことをとても嬉しく思います。ありがとうございました。

11月10日は愛知県知多市から横井克宣さんが、名古屋の宇杉公一さんと来館。2023月18日に小林貞弘さん経由で横井さんのお父様、湖南様旧蔵『パテー・シネ』などの雑誌49冊を寄贈いただいたご縁があります。1年も前に来館のご希望を聞いておりましたが、お二人の体調のご心配から延び延びになり、この日ようやくお目にかかることができました。後で伺った話では、横井さんは、この日が数年ぶりのお出かけだったとか。お元気でお会いできて何よりでした。お好きな世界でお過ごしいただけて気晴らしにもなったことでしょう。宇杉さんにも御礼を申し上げます。

『パテー・シネ』の本を手に、パテの映写機のところで撮影しました。隣の棚の上に展示しているのと同じ映写機があったと懐かしそうに仰っていました。

向かって右の横井さんは、お父様の影響で戦後フリーキャメラマンとして活躍されました。左の宇杉さんは中京テレビ報道局でご活躍。中京テレビのYouTube番組「昭和100年 映像館」では、横井様のご協力で、お父様の湖南さんが9.5㎜で撮影された10作品が公開されているそうです。クリックしてご覧ください。

12月1日、NHK福井放送局の若いディレクターさんがパテ・ベビーについて取材にお越しになりました。いろいろ連れ合いが話したあとで、私が「そういえば、愛知県の人から寄贈してもらった『パテー・シネ』など往時発行されていた雑誌があります」とお見せしたところ、目を輝かせて撮影をされていました。番組でその部分も使われると良いですね。先ずは福井県限定の番組だそうですが、リクエストが多ければ広域にも放送されるかも。そうなればすぐに横井さんにお知らせしようと思います。

 

 

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