おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2016.09.22column

「8㎜フィルム撮影→現像ワークショップ」2日目近づく

去る10日に、予定通り「8ミリフィルム撮影→現像ワークショップ」の第1日目を終えました。

8㎜カメラで撮影から現像までを実際に体験する参加者10組と、聴講・見学を希望された人も一緒に、賑やかに午後1時開始。

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実際のフィルムを透かして見たり、触りながら、小さな子どもたちも講義に参加。マイクを握っている女性が、講師の一人、郷田真理子さん。今は大阪のIMAGICAウェストで活躍されています。その隣がもう一人の講師、映像作家の石川亮さん。東京国立近代美術館フィルムセンター技術スタッフとして、主に小型映画の検査を担当しておられます。

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先ずは、郷田さんによるアマチュアフィルムに関する講義から。一口に小型映画といっても、いろんな種類があります。

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そして、この映像を見た時に、所蔵するキネマカラーのことを思い出し、先日新着情報で「キネマカラー方式の上映」というタイトルで書きました。関心がある方は、郷田さんが以前フィルムセンター紀要に発表された「フィルムセンター所蔵の小型映画コレクション 9.5㎜フィルム調査の覚書」もぜひどうぞ。

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これは、1928年から1930年代後半まで流通したコダカラー。キネマカラー方式同様、まだカラーフィルムがなかった時代、ベース表面が特殊加工された白黒リバーサルフィルムを赤・青・緑の三色フィルターを通して撮影、映写して天然色カラーで見られるよう工夫したものです。先年神戸映画資料館で発掘され、郷田さんが三色フィルムを再現してIMAGICAウエストがテレシネしました。その貴重な映像を8月28日に開催された「第11回映画の復元と保存に関するワークショップ」3日目のプログラムで、サイレントピアニスト柳下美恵さんの演奏付きで見ることができました。内容は『春の色』(1937年)、『海水浴 甲子園』(1932年)、『堺 大浜』(1932年)、『お正月』(1932年)から抜粋された16分。先人たちの飽くなきカラー映像への工夫に感動しました。なお、24日にこの映像の上映はございません、念のため。
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彼女の講義が続いたのち、石川さんが8㎜の始め方、撮り方を説明し、『!8傑作選』(ムラカミヒロキ、新井潤峰ほか)を参考上映。たくさんの方に参加いただき感謝しています。

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石川さんが用意した8㎜カメラの数々。それぞれの特徴、使い方などの説明を聞いて、各自相性のいいカメラを見つけようと真剣なまなざし。手前の男性3人は聴講組。カビた8㎜フィルムをどうしたら良いかと相談に。専用の道具がなかったので応急処置として、柔らかい布で拭いて映写機に掛けると、まだマシ。「あっ、母親が映っている!」ホームムービーを残しておいて良かったですね。お連れの方が「木津川で洗えばいい」と冗談とも本気ともつかぬ風な助言。真に受けて、聞いてはいけませんよ。

この後いつもの交流会をして、皆さんお気に入りのカメラを手に意気揚々と帰っていかれました。さて、25日の現像、どのような映像が映っているのか楽しみです。1本に付き、仕上げまで5時間もかかるそうですから、長丁場です。

8㎜現像と上映に興味がある方は、ぜひ見学にお越しください(千円)。お申し込みはspicespicefilms@gmail.comまでお願いいたします。

 

 

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