2016.11.25column
寄贈品の御礼とご紹介
11月24日、神戸市須磨区にお住いの室 武さんの遺愛品が届きました。1964年東京オリンピックの時に購入されたナショナル・テープレコーダー「マイソニックRQ-300 」▼「東京オリンピックNHK実況録音集」(普及版2巻)▼オープン3号テープ7本▼クラウン8 レフレックス・ズーム・カメラ(ケース付き)▼プリモ三脚(ケース付き)▼『劇と映画』(昭和3年9月号、10月号、11月号、昭和4年3月号、5月号、6月号を綴じた合本。随分傷んでいるので、他の号も混じっているのかもしれません。左写真は阪東妻三郎が主演した「喧嘩安兵衛」の写真。昭和3年製作、松竹キネマ、湊岩夫・横溝雅弥監督。
これらは、家の中を整理していて出てきたのだそうです。実は室さんの奥さまは、10月15日にも来館いただきました。
10月4日関西テレビ「よ~いドン!」の人気コーナー「となりの人間国宝さん」に、私共がめでたく認定された様子が放送されました。偶然それをご覧になった室さんは、ご主人が遺された缶入り35㎜フィルム①「お坊吉三」(1929年、松竹下加茂、冬島泰三監督、長谷川一夫出演)②「江戸美少年録」(1931年、日活太秦撮影所、清瀬栄治郎監督、沢田清出演)▼レンズ(写真手前)をご持参され、寄贈していただきました。
同じ10月15日に届いた8㎜映写機「フジカスコープ M3」。同じく「となりの人間国宝さん」をご覧になっていた兵庫県宝塚市在住の福井廸子さん(85歳)から寄贈していただきました。ご主人さまがお子さんを撮影した映像を見るために映写機を購入されましたが、程なく亡くなられたのだそうです。番組を見ていて「何十年か前のこと」を思い出し、「活用して貰えるなら」とお送りいただきました。
一度も使われず新品のままでしたが、経年劣化でゴムがボロボロ。他のものと取り換えたら、幸いにも動き出しました。電話で話しながら、何だか悲しいことを思い出させてしまったようで申し訳なかったのですが、映写機を活かす場所に収まったことに安堵されているのが、電話口から伝わってきました。
こちらは10月6日来館時に寄贈いただいたパテ・フィルム(外国の映画「小さな女性騎手」2巻、昭和天皇と皇后さまが名古屋離宮へ行かれたときのニュース映像1巻)と「パテ・キッド」の映写機。同様に「よ~いドン!」をご覧になった京都市下京区で「キコク食堂」をされている山下正広さんから寄贈していただきました。
そして、こちらは海外作品のパテ・ベビー21巻。茨木市にお住いの古川 博さんから、9日にご自身でなさっていたテレシネ作業が終わったのでご寄贈いただきました。正会員になって毎月通いながら、ホームムービーなどをテレシネ。今では、すっかり手慣れた様子です。フィルムに巻き癖があったので、それを直すために大きなリールに巻き直しておきました。タイトルは全て判明していて、ハロルド・ロイドの3作品や「機械博士の目覚し時計」などアニメーション6作品も含まれています。
こちらは2月20日に、現像所で仕事をされていた井上博夫さんから寄贈いただいた35㎜フィルムのスプライサーです。
上掲した映像は、精査して復元できたら、いずれ皆さまにご覧いただく機会を設けたいと思っています。お楽しみになさってください。
思い出が詰まり、大切にこれまで保存されていた貴重な品々をご寄贈くださいました皆々様に、心から御礼を申し上げます。大切に活用させていただきます。ありがとうございました。