おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2015.06.16column

第1回「無声映画の夕べ」盛会裏に終える

 

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6月14日(日)午後7時から始まった「第1回無声映画の夕べ」を無事終了しました。おかげさまで京都新聞、読売新聞、毎日新聞のほか、以前来館いただいたラム・マイケルさんのサイトhttp://wp.me/p4ob9G-33Y「deep kyoto  good places-good people」、キネプレ6月10日付け映画・映像ニュースhttp://www.cinepre.biz/archives/18102、日活映画配信さんのツイッター、出演していただいた活動写真弁士・片岡一郎さん(上掲写真着物姿の男性)のフェイスブックなどでも紹介していただき、たくさんの方にお越しいただくことができました。応援いただいた全ての方に、心から御礼申し上げます。

どれほどの人が来て下さるのか、とても心配していました。今日来館いただいた千葉県在住の方も「東京では活弁付無声映画の上映会は、古くて新しい映画の楽しみ方として定着している」とおっしゃっていましたが(それは大阪も同じ状況と言えますが)、なぜか映画発祥の地・京都ではまだまだなじみが薄いと感じていたからです。東京から催しに参加いただいた男性からは「上映会、大変すばらしかったです。しかし、あの座組みで、早々に満員札止めにならないあたり、かなり危機感も」と感想を寄せて下さいました。

この日午後2時から、京都大学で、人文科学研究所主催のレクチャー上映会「記憶の場:昭和の大礼と映画都市京都」があり、それに参加してから駆けつけて下さった方が多くおられました。京大の方は無料で予約不要ということで立ち見が出るほどの盛況でした。こうした取り組みによって、無声映画を楽しむ文化を知ってもらい、興味を持つ人が増えていけば素敵だなぁと思います。私どもも、定例企画として上映会を続け、裾野拡大に尽力したいと思っています。

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『僕らの弟』を上映する前に、おもちゃ映写機を使って、実際に保存しているフィルムを手回しで掛けました。演奏の柳下美恵さん(下の写真の女性)が、すぐに伴奏してくださいました。もちろん打ち合わせなど一切ありません。音があるだけで随分印象が異なり、楽しいです。欧米では無声映画祭も盛んですが、無声映画は伴奏付きで楽しむのが常。彼女はそのスタイルを取り入れて、日本で最初に伴奏付きで上映した無声映画音楽の第一人者です。

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映写機の実演によって、昭和初期に各家庭で楽しんだ「おもちゃ映画」の世界を追体験できました。ただ展示しているだけでなく、実際に今も手回しで使えるのが面白くて、良いところです。

そして、いよいよ『僕らの弟』(昭和8〈1933〉年、日活京都)上映です。予定を変更して16㍉映写機による上映にしました。カタカタとなる映写機の懐かしい音をぜひ味わってほしいと思ったからです。

今では失われてしまったいろいろなことを思い出させてくれました。素敵な映像に出会えて暖かい気持ちで家路につきました。

『僕らの弟』に、私は泣き出しそうになって、大変でした。大感激しました。 有難うございました。
 

 などの感想が届き、開催して本当に良かったと思います。この映画は、大阪の四貫島小学校であった実話を元にして作られましたが、会場には、その四貫島小学校の現校長先生もお見えでした。

片岡さんの熱のこもった活弁の素晴らしかったこと、見事でした。公演終了後に呟かれた彼のフェイスブックに「1日でネタおろし3本なんてやるもんじゃない。久しぶりにお腹痛くなった」とあり、その前日にも「この数日の無茶な台本書きのせいで腰と背中がボロボロです。この執筆量は割と流行作家並の量でありまして」とあります。柳下さんも前日に公演を終えたばかり。二人とも京大での『崇禅寺馬場』『三朝小唄』の後に『僕らの弟』をこなされたのですから、随分無茶な要求をしたものだと、今頃いうのも申し訳ないのですが、深く反省しました。ごめんなさい。

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 終演後、京大での講師を務められた京都大学人文科学研究所の高木博志教授、立命館大学の冨田美香教授、司会を務められた同人文研の小川佐和子助教も交えて、ささやかな懇親会の場を設けました。

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 最後に記念写真を撮って、楽しい「無声映画の夕べ」を終えました。ご出演、ご参加いただきました皆様、ほんとうにお疲れ様でした。そしてありがとうございました。今回の催しは、京大人文研のご協力なしではできなかったです。心から御礼申し上げます。

 

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