2016.04.08infomation
「無声映画の昼べ」上映アニメーションについて
日本アニメーション史の第一人者・渡辺泰先生からお便りが届きました。いろいろ書いてあった中に、4月16日に開催する「無声映画の昼べ」で上映するアニメーションについて情報が書いてありましたので紹介します。
『床屋のココさん』
原題“KO-KO The Barber”
アメリカ公開1925年2月25日
日本公開1932年(月日は不明)
邦題は同じ
制作:ブレイ・プロダクション
プロデューサー:ジョン・R・ブレイ
監督:ディヴ・フライシャー(フライシャー兄弟の弟)
作画・ストーリー:マックス・フライシャー(同兄弟の兄)
配給:パラマウント・フェーマス・ラスキー(パラマウント映画の前身)
『ランプの魔人』
原題“Aladin and the Wonderful Lamp”
アメリカ公開1934年8月10日(7月30日説あり)
日本公開1935年3月14日、東京・本郷座封切
邦題「不思議のランプ」(アラビアンナイトに登場する魔法のランプの精がテーマ)
シネカラー(2色カラー)8分。
制作:アブ・アイワークス
監督:ジミー・カルハーン、アル・ユーグスター
作画:グリムナトウィック、バーニー・ウルフ
音楽:アート・ターキッシャー
このシリーズは、コミカラー・カトゥーン(comicolor cartoon)と呼ばれていました。
渡辺先生によれば、資料的には『床屋のココさん』の方が価値は高いそうです。昭和初頭の五・一五事件があった年に公開された実写とアニメーションが混在した愉快な物語。実写の床屋が描いた「床屋のココさん」が勝手に動きだし、散髪を始めます。様々なお客さんに対応しながら、だんだんエスカレートしていき…。 16㎜フィルムで、物語の筋が通っていますから完全なものかもしれません。この作品は、昨年12月に正会員になってくださった京都市内在住の方から復元を委託され、提供していただいたものです。
他の上映作品『黒手組助六』『かえるの発生』につきましては、こちらをご覧ください。来週には『黒手組助六』上映に関連して、林長二郎の資料展示の準備に入ります。こちらも、どうぞお楽しみに。たくさんの皆様のお越しをお待ちしております。