2019.08.27infomation
遅ればせながら、5年目特典DVDのご紹介
開館5年目を記念して、正会員とサポーター会員になって応援してくださる方々への特典に作ったDVDです。映像は、小津安二郎監督の無声映画『突貫小僧』(1929年)です。
当館に寄贈いただいたパテ・ベビー(9.5ミリフィルム)の中から見つかり、2016年9月7日付けで世界発信のニュースになった最長版。演奏をしてくださったのは、アメリカのバージニア州にあるランドルフ・メーコン大学音楽学部のジェームス・M・ドーリング教授。
2017年1月17日、ドーリング教授らと学生さんたち17名が見学に来てくださり、休館日に対応したことへのお礼に何か演奏を、といってくださったので、イベント用に編集していたチャップリン短編集(おもちゃ映画として販売されていたものを集めたもの)を上映したところ、見事な即興演奏。途中でメーコン大学の校歌が入って笑いが起こり、とても楽しい交流の場となりました。今回の特典DVDには、その時録音した6作品(1914~17年)も特典映像として入っています。
そして、今年1月23日に二度目の来館。
この時もお礼に演奏をと言ってくださったので、学生さんたちもご存じだった小津安二郎監督『突貫小僧』の伴奏をお願いしました。この時は私のミスで上手く録れていなかったので、音源はアメリカの大学に戻られてから、再度録音してくださったものです。
そして、6月9日に三度目の来館。完成したこのDVDをお礼にプレゼントして喜んでいただきました。この時は、同大学ローラ・ウェン助教と再会の喜びもありました。台湾出身の彼女は、開館間もない2015年6月にウィスコンシン大学の留学生として2度見学。私の台湾との出合いは彼女が最初でした。
その翌月、台北で開催された台北映画祭に当館が招待され、突発性難聴で左耳を失聴した連れ合いに代わって、今は新潟大学で活躍されている羽鳥隆英先生と活弁士の大森くみこさんが講演と実演を披露してくださることになり、ローラさんは台北にも観に行ってくださいました。その縁もあるので、9日は大森くみこさんにも声をかけて、短いバージョンの活弁上映を披露して貰いました。
ローラさんの誘いに、日本語が専門の同僚シェルビィ・オクセンフォード助教も一緒に来館。三人とも活弁付き無声映画を初めてご覧になり、とても喜んでくださいました。ダメ元で「いつかアメリカの大学で大森さんの活弁パフォーマンスができたら嬉しい」とお願いしました。何だか、言い続けていたら叶うような気がしています💝
あいにく大森さんが写っていませんが、撮影してくださったのが彼女。大森さんファンの皆様、ごめんなさい💦
この後、3人を京都市上京区の大雄寺に急ぎ案内し、お願いしていた「山中貞雄之碑」拓本とりの様子をお見せしようと思っていたのですが、もう作業は終わっていました💦💦この拓本は9月25日~11月10日、山中貞雄生誕110年記念展示で披露しますので、ぜひ間近でご覧ください。
10月25日(金)、ローラさんが、アメリカのジョージ・ワシントン大学で、植民地時代台湾の初期映画についてお話しをされるそうです。昨年9月「木村白山って、何者?」でご覧いただいた木村白山のアニメーションなど、戦前・戦中の日本の映画やアニメーションが台湾から見つかっていますので、とても興味深いです。いつか当館でも発表してもらえたら、と願っています。
今回の特典DVDは、アメリカ、台湾、日本の草の根の友情を表したものです。多くの方にご覧いただければ幸いに存じます。なお、これまでの4作品も含め正会員・サポーター会員様への特典として作りましたので、一般販売はしておりません。ご希望される場合は、おもちゃ映画ミュージアムinfo@toyfilm-museum.jpにお問い合わせくださいませ。お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
【9月7日追記】
昨日ランドルフ・メーコン大学の3人の先生から礼状が届きました。そのことがとっても嬉しかったので、許可を得て掲載します。