おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2023.11.29infomation

12月22日、活弁と演奏(収録版)無声映画上映会 Part5

12月22日(金)19:30~21:00(受付は1階で19:00~、現金のみ)、京都市中京区のカンデオホテルズ京都烏丸六角レセプション棟2階で、5回目の無声映画(活弁と演奏収録版)上映会をします。

今回は、お客様のご希望もありましたので、この時期の日本で恒例の演目「忠臣蔵」を上映します。ご覧頂くのは、池田富保監督『実録忠臣蔵』(1926年、日活大将軍)。主演は「目玉の松ちゃん」こと尾上松之助で、彼の最晩年の作品です。2015年当館に寄贈頂いたフィルムの中に含まれていたパテ・ベビー(9.5㎜)版の短縮版ですが、お話が全部揃っているということで大きく報道されました。その時のことは、こちらで書いています。

曽我兄弟の仇討ち、伊賀上野敵討と並んで、赤穂浪士の討入は日本三大仇討ちの一つ。日本人が大好きなお話ですが、今の若者は『忠臣蔵』も読めない人が多いぐらい知っていません。時代劇が少なくなっているから仕方がないのかも知れませんが。そこで、簡単にあらすじを。

時は元禄14年3月14日、勅使饗応役を仰せつかっていた赤穂藩藩主浅野内匠頭長矩は、指導・指示役の高家肝煎吉良上野介義央から度重なる嫌がらせを受けて堪忍袋の緒が切れてしまい、遂に江戸城殿中松之廊下にて刃傷に及びます。当時の決まりでは喧嘩両成敗が基本だったのですが、徳川綱吉将軍は浅野内匠頭に即日切腹を申し渡し、赤穂藩には取り潰しの裁定を下します。一方の吉良上野介はおとがめなし。理不尽な綱吉の裁定に赤穂浅野家中では話し合いの場が持たれ、最終的に赤穂城を明け渡し、浅野家の再興と吉良上野介への処罰を求めることになります。けれどもその願いは叶わず、幕府の裁定は覆りませんでした。

筆頭家老の大石内蔵助(尾上松之助)は、かくなる上は吉良を討ち取り、亡き浅野内匠頭の無念を晴らすことを決断します。実行にあたっては本心から賛同している仲間だけを募り、その日に向けて準備を密かに進めます。そして、元禄15年12月14日「江戸の夜風を震わせて、鳴るは山鹿流の陣太鼓!」、吉良邸に討ち入った大石以下四十七人の義士は見事敵討ちを果たします。赤穂義士は泉岳寺の浅野内匠頭の墓前に吉良の首を供えて、無念を果たしたことを報告します。元禄16年2月4日、寺坂吉右衛門を除く四十六人は切腹し、生前の希望通り泉岳寺の浅野内匠頭の墓の近くに埋葬されました。

この作品が作られた時代は、既に躍動感あふれる演技をする阪東妻三郎らが登場していて、池田富保監督の演出も旧劇からの脱却が図られ、リアリズムを重視しています。尾上松之助の芝居も、それまで庶民が好んだことで演じていた「旧態依然」とした演技から一転し、大石内蔵助1役に徹し、大石の心のありようを繊細に演じ切っています。尾上松之助の活動写真人生集大成となった『実録忠臣蔵』を、2015年12月12日当館デビューとなった人気活動写真弁士坂本頼光さんの熱弁で上映したときの映像でご覧下さい。

オマケに、1926年熊本の劇場で本作を観た当時15歳の芹川文彰少年が、その記憶だけで全編をペン画で描き切った素晴らしい作品の冒頭部分を、坂本頼光さんが即興で紙芝居風に読み聞かせてくださった大変楽しいバージョンを披露します。

急な私の提案に応えてやって下さったのですが、さすがプロ‼唸ってしまう出来です。ご堪能下され🎄🎁

映画が長いので、終了時間はいつもより遅い21:00の見込みです。参加費1500円(学生とカンデオホテルズ宿泊者は1000円)。定員20名(予約優先)。

座布団に座って、お茶を飲みながら、日本最初の映画スター「目玉の松ちゃん」を楽しみましょう‼ ご来場をお待ちしております。

記事検索

最新記事

年別一覧

カテゴリー