おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2023.04.16column

海外からのお客様

最近出会った海外からのお客様について、忘れないうちに書きます。

最初に14日に来館いただいたCIEE KYOTOのスタディーツアーと文化的体験に参加しているお二人の留学生さん。古い織屋建て京町家で、もとの住人が和室の居間にしていたであろう部屋を改修して、常設展示室にしています。天井が低いので、毎度のことですが、米国コネチカット州ダリアンとノースカロライナ州シャーロットからCIEE KYOTOに留学しているウィルさんとダニエルさんが鴨居で頭を打たないかとハラハラ。海外の人は日本の古い家屋を身をかがめながらくぐるのが面白いみたいですけど、申し訳なくて。案内して下さったのがCIEE KYOTOで教えておられる中村彰憲・立命館大学映像学部教授。

立命館大学と聞いて、直ぐにピンと来たので、スクラップしていた2月26日付け京都新聞記事「研究人」をお見せしたら、すごくビックリされてました。それは中村先生のことを紹介した記事で、いつかお会いできるかもしれないと思って切り抜いていたのですが、その機会が早々に巡ってきたのです。中村先生はこの場所を面白がってくださり「別の留学生も案内します」と仰って嬉しがらせて下さいました。「日本デジタルゲーム学会」設立に関わり、昨年3月まで会長を務められていて、日本のゲーム研究を先導してこられた方です。

コネチカット州出身のウィルさんがホームタウンにピンを刺しているところ。彼は映画に興味があるので、活弁と伴奏付きの時代劇映画集をとても楽しんで下さいました。日本語はわからなかったでしょうが、中村先生の通訳で助けて貰いました。他にもニュース映像などこれまで復元して保存している映像をご覧になって大変興味を持ってくださいました。彼は「有名な映画監督になる」と言い切っていました。

ノースカロライナ出身で控えめなダニエルさんは、日本語を勉強中で、生来は日本の大学の先生になりたいのだそうです。

将来に希望が持てないでいる日本の若者たちに比べて、はっきり希望を述べる彼らが頼もしく感じられました。「その夢が実現するのを見たいから、私ども長生きしなくちゃね」と伝えました。いつかまた、会えますように。

その前日にもニューヨークからお二人、夕方にフランスとスウェーデンからもお越しくださいました。14日の写真展準備にはイラン人女性二人、そして今日は大阪日独協会のご紹介でドイツのハンブルクからドキュメンタリー映画を作っておられるトーマス・シュロットマンさんが通訳の大村さんと一緒に来館。

昨日15日から始まった写真展「carnation×reincarnation」の出展作家、オーストリア出身のアルマ・シャンツァーさんは、早速トーマスさんとドイツ語で話が弾んでいました。この日は「みんなで手作り青写真ソーマトロープ製作ワークショップ」をしていたので、その余韻を残したままの室内です。奥のエプロン姿が、このワークショップの指導をしてくださったもう一人の出展作家、若林久未来さん。このワークショップの様子は後日改めて書きます。

トーマスさんは、こういう状態も含めて館内を見ながら、ここで作品の上映をしたいという希望を抱いて下さいました。この秋にでも実現できれば良いなぁと思っています。

中央は、通訳を引き受けて下さった大村圭子さま。とここまで書いていて、トーマスさんに世界地図にホームタウンをピンでマークしてもらうのを失念していたことに気付きました。あ~ぁ。

そして、明日も台湾の映画監督チェンティ・クオさんが来館されます。ご自身の作品に当館の古い映像を使いたいのだそうです。その出会いも楽しみです。

拠点を構えて地道に活動を続けていることで、海外の人々ともこうして繋がりが持てることを本当に嬉しく思っています。少しでもお役に立てたら、努力も報われるというものです。

【4月17日追記】

台湾の映画監督郭 珍弟(グオ・チェンディ)さんが来館。

2021年1月15日に公開された日本と台湾の合作『越年 Lovers』(116分)を監督されてます。岡本かの子の小説をもとにした作品で、脚本も自ら手掛けておられます。日本、台湾、マレーシアを舞台に、不器用な男女たちが織り成す恋の物語。行定勲監督が三浦春馬主演で上海やモーリシャスで撮影された『真夜中の五分前』(2014年)で一緒に仕事をされたこともあるそうです。

来館の目的は、次回作で用いたい映像の相談でした。当館のことは、今年3月19日~20日にかけて、再放送も含め4回放送されたNHKワールドテレビ「J-FLICKS」をご覧になって知ったのだそうです。この番組は世界160か国と地域で放送されていると聞いていますが、それをご覧頂けたのは本当に嬉しいことです。

番組では特別プログラム「小津の見かたPart2」として、当館で発見された小津安二郎監督『突貫小僧』についてと、パテ・ベビー誕生100年を記念して集めた9.5ミリフィルムの映像4作品を「人類の記録」として紹介して頂きました。グオ・チェンディ監督は、後者のパテに記録されていた映像にはどのようなものがあるか関心を持ってくださったようです。映像が何らかの形で貢献できることは、活動を継続していく上で大きな励みになります。

気さくで優しいグオ・チェンディ監督とLINEで繋がり、早速写真を送って貰いました。気が早いようですが、映画の完成が今から楽しみです。

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