おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2023.04.15column

久々に子どもたち対象に、アニメーションのワークショップをしました💗16日にも古典写真技法を用いたワークショップを開催します‼

4月9日(日)午後、久しぶりに子どもたち対象のワークショップを開催しました。京都国際子ども映画祭を運営しているnpo法人キンダーフィルムフェストきょうとのメンバーと相談した実施内容は、昔の映画を観て感想を共有し、館内を見学し、その後、光学玩具を手作りして映像制作も体験するというもの。

好天に恵まれたこの日は、新小学2年生から高校生までの9名が参加し、運営している元子どもスタッフ3名が引率。館長が手にしているのはフェナキスティコープ。これを用いて、静止画がどうして動いて見えるのかを説明している場面です。アニメーションの原理が分かります。みんな真剣に聞いてくれています。運営している若者たち自身が子どもの頃に体験した映像に関する面白さを、次の世代に伝えようとしている姿が何とも頼もしく思われました。

その後、おもちゃ映画を手回しの家庭用映写機で投影する体験。かつて、劇場での上映が終わった後で、動きがあって面白い部分を切って家庭用に販売されていた時代がありました。フィルムも映写機も高価なので、どこの家にもあったわけではありません。こうした断片フィルムは小さな空き缶に入れて、デパートの玩具売り場で販売されていました。ごく短いものですが、それでも評判の映画の一部を見ることが出来るので、子どもたちは楽しみに見ていたでしょうし、アニメーションや時代劇ファンは、こうしたフィルムを「おもちゃ映画」と呼んで集めていました。他にニュース映像もありました。「おもちゃ」と付いてはいますが、本物の35ミリフィルムです。日本では無声映画の保存率は極めて低く、オリジナルが残っていないので、断片と言えども貴重な映像です。

実際のフィルムをこれまで見たことがない子どもたちですが、1コマずつフィルムの画が、映写機のハンドルを回すと動き出す様子を興味深く見ていました。

一番小さい新小学2年生の男の子が、フェナキスティコープ(日本では「驚き盤」と呼ぶことも)を鏡に映して、円盤に描かれた連続した絵がどのように見えるのか体験中。興味津々に、鏡に映し出されるその絵を覗いている姿が何とも愛らしい。

その後は、常設展示室に移動し、館長の説明を聞きながら自分たちでも触れて体験。ホールに戻って、無声映画のアニメーションを繋いで活弁とピアノ演奏を付けた『おもちゃ映画de玉手箱 昔話編』を上映しました。この作品、上映後に自然発生的に拍手が起こるとても楽しい作品で、この子たちも楽しんで見てくれました。

これから光学玩具の「ソーマトロープ」と「ゾートロープ(ゾーイトロープとも)を作ります。最初に運営スタッフ(写真左に立っている若者3名)から「何をしたら良いか?」と相談を受けた時に、「毎年夏に開催している『京都国際子ども映画祭』のオープニング映像を手作りしてはどうか?」と提案しました。

からし色の上着の子が手に持っているのがソーマトロープ。丸い台紙の両面に絵を描き、くるくる回すと表と裏の絵が合体して見える遊具で、フェナキスティコープと同様、アニメーションの原理が分かります。ゾートロープは、円盤の周囲にスリットを入れ、その隙間から円盤周囲に描いた連続画を覗くと絵が動いて見える遊具。

それぞれの作品をクルクル回転させて撮影した映像は、果たしてどのような映画祭オープニング映像として完成するのでしょうか、とても楽しみです。運営スタッフからその夜届いたメールには、「子どもたちが思った以上に自分達のインスピレーションで映像を作成していてとても驚かされたのと、いつも以上に興味津々に自分達から動く姿が印象的でした」と書いてありました。近々ブログでこの日のことも公開されるようですから、その時は、ここに追記しますね。

ワークショップに参加してくれた子どもたち。ようこそおいで下さいました。思い出に残る体験になっていると良いですね。「第29回京都国際子ども映画祭」の開催が待ち遠しいです。

次の日曜16日にも、同じソーマトロープを日光写真で作るワークショップをします。12日には島津製作所創業記念資料館の副館長様他2名が幻燈機の展示を見に来てくださいました。意気投合して「一緒にワークショップをしましょう」ということに。夏休み中の地蔵盆にも、地域の子どもたちに3D動画を一緒に見る催しを計画しています。当館がこの地で存続している間に、少しでも子どもたちに映像の面白さを伝えていきたいと思っています。

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