おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2024.07.17column

今日は祇園祭前祭の山鉾巡行

今日7月17日は祇園祭前祭の山鉾巡行。曇天が気になっていましたが、雨が降らなくて本当に良かったです。近所の三条台若中会所には朝早くから大勢集まり、神輿渡御の人たちへのお弁当作りが行われました。例年なら祭が気になってソワソワ落ち着かず巡行を観に出かけているのですが、今年は「毛利清二展~映画とテレビドラマを彩る刺青展」をしているのでその対応もあり、SNSで他の方の呟きを見ています。何と鶏鉾の車輪の一部が外れて、後続の月鉾がそばをすり抜けて行ったというのが目に飛び込み、ビックリしました。お互いの屋根がぶつからないよう足で押して何とか無事にすり抜けることが出来たようですが、全く何が起こるかわかりませんね。先ほどの呟きでは、鶏鉾は本来の巡行を諦めて町内に帰って来たそうで、大きな拍手が送られたとのこと。

7月11日放下鉾保存会の堀真也さんから今年もチマキを頂き、早速玄関戸口に飾りました。

6月30日に梛神社で頂いた茅で作った小さな茅の輪と共に並べて、今後の厄除けを祈願しました。私どもだけでなく、訪れて下さる皆様にとってもご利益がありますように。このちまきの入手に各山鉾町は大変苦労されていると12日付け京都新聞が報じていました。年々作り手の高齢化や後継者不足などが深刻化していて、まとまった数を確保するのが困難に。放下鉾ではちまきづくりの一部機械化を進め、一般社団法人厄除チマキ保存会を設立して今後は他の山鉾からの注文にも応じるとか。伝統行事を守り継承するためにいろんな面で創意工夫がなされています。こうして堀さんからチマキを頂けることも、私どもの今後のことを気遣ってのことでしょう。そのご厚意がありがたく、嬉しいです。

これは昨朝の放下鉾。昨年は巡行を終えて新町通をこの会所に帰ってくるのをずっと待っており、そこで可愛らしいお稚児人形の三光丸が舞を踊るのを見ました。https://www.youtube.com/watch?v=8v6LFapD97Y もう1年も経ったのですね。

車輪の楔の形が放下鉾のマークになっていることに今頃気付き、

これは月鉾の車輪の楔。

鶏鉾の縄絡み。

そして鶏鉾の車輪の楔。今年は残念な巡行になりましたが、来年はきっとうまくいきます。

さて、15日付け京都新聞「まちかど」に26日の「祇園祭」をテーマにした催しの案内を載せて頂きました。タイトルは「『祇園祭』物語をめぐるメディアミックス創作」です。二人の研究者の発表に続いて、幻灯「祇園祭」を今回はあらかじめ幻灯の画像をパソコンに取り込んでおいて、それを投影しながらお二人の語りで鑑賞します。最後に京都大学人文科学研究所の高木博志先生にまとめて頂くという段取りです。

最初の発表者紙屋牧子さんの副題にありますように、物語『祇園祭』は最初に紙芝居が作られました。1952年4月10日~5月1日血のメーデーがある直前のことです。京都大学と立命館大学の4年生有志が20人ほど集まって作りましたが、その中に後に歴史研究者として大変著名な学者になった熱田公さん、井ヶ田良治さん、脇田修さん、石田善人さんらがいました。最初に上演したのが東京大学の構内でした。その後、今度お話し頂く幻灯になりました。そしてその後もこの物語は違う媒体で語られ続けました。昨日に続き今日も京都文化博物館で映画『祇園祭』(1968年、日本映画復興協会)が上映されているかと思います。この映画のもとになったのが実は72年前に作られた紙芝居でした。

講演の概要については新着情報/news/infomation/9850.htmlで書いていますので、そちらをご覧になって、ぜひご参加下さいませ。

祇園祭繋がりでいえば、当館に寄贈頂いた9.5㎜のホームムービーの中に武者行列が映っている映像がありました。この行列は1974年に休止になったので、当時の様子がわかる貴重な映像だと報道もして頂きましたが、7月11日付け京都新聞夕刊1面記事によれば、武者行列を長く担ってきた京都市東山区弓矢町の人々が甲冑を新調するなどして、来年の祇園祭に甲冑姿で行列を復活させようと進めておられるのだそうです。休止になって以降は町内数か所の店先などに甲冑を飾る「武具飾り」が行われていて、かつて地域史を研究していた頃に「清々講社」社長だった高橋さんにお話を伺ったことなどを懐かしく思い出しています。なお、今年の武具飾りは今日17日までだそうです。

更に関連して言えば、今朝の京都新聞1面で江戸時代前期の山鉾巡行を描いた未発表の「祇園祭図屏風」がスイスのチューリヒ市にあるリ―トベルク美術館に現存していることが分かったそうです。画風から岩佐又兵衛の影響を指摘する専門家も。2028年に現地で公開の予定だそうですが、この屏風には上杉本洛中洛外図屏風のように犬神人も描かれているのか興味があります。いずれかの折に日本で公開されることを期待しています。

 

 

 

記事検索

最新記事

年別一覧

カテゴリー